常任理事国入り主張の前に

茂木外相が国連創設75周年記念の会合で、日本の常任理事国入りを目指す決意を表明した。茂木は、75年前につくられた制度は国連憲章に定められた目的を十分に果たしているとは言えないと改革の必要性を強調し、安全保障理事会の拡大を主張した。国連予算の分担金は総額3千億円で、日本の分担率は米中に続き3位で8.5%だ。分担率から考えれば、茂木の主張も肯ける。しかし、一方で米世論調査機関のピュー・リサーチ・センターの調査によると、日本における国連に対する好感度は14カ国の中で最も低かった。日本人の55%は国連に対して好感を持たないと答え、好感を持つという人は29%に満たなかったとのこと。米国の31%が好感を持たず、62%が好感を持つと答えたのとは対称的だ。トランプ政権が国連バッシングをしているが米国民はそれに影響されていないのだ。一方で日本は真面にその影響を受けていると言えそうだ。もし茂木が本心から常任理事国入りを決意するのであれば、まずは日本国内で国連の重要性を説く必要があると思うのだが。