代わり映えしそうもない

日経ビジネスのコラム「言葉をこん棒として使う人たち:小田嶋隆」が面白い。さすがコラムニストの第一人者だと思う。一服の清涼剤だ。言葉をこん棒として使う人たちとは、安倍政権の主要メンバーのことだ。以下コラムを抜粋する。「現政権の主要メンバーには、質問にマトモに答えないこと、質問者を愚弄すること、会見を設定した言論機関の体面を失わしめること、質問そのものを揶揄すること、記者と政治家の間に設定されている会見が対等なコミュニケーションの場ではないことを記者たちに思い知らせること、質問の意味を意図的にすり替えて回答すること、回答の言葉を意識的に無意味化すること、といった調子のある種のニヒリズムが強く共有されている。これは、学級崩壊した教室の中学生たちが、授業の進行を意図的に無効化させようとする態度と相似で、授業妨害に参加しない生徒は仲間はずれにされる。菅官房長官による記者の言葉を聞かない応答や、麻生副総理による若手記者への恫喝も同じタイプの反応だ」。自分は安倍首相や菅官房長官の記者会見を見ていると、いつも不快に感じていた。その不快感の正体がこのコラムではっきり見えてきた。言葉をこん棒として使う通底がある限り、政権が替わっても何ら代わり映えしそうもない。