政府が地方創生策の1つとして、8月27日に「移住婚」構想を発表した。未婚女性が結婚で東京から地方へ移住すれば、就業・起業しなくても60万円を支給するというもの。未婚女性が地方の婚活イベントに参加する交通費の支援も検討中だった。ところが発表した途端SNSが大炎上。たった3日で撤回する事態に陥った。政府は、こんな事で地方への移住の流れを加速するとでも思っていたのだろうか。岸田首相も自見地方創生相もスジが悪すぎる。何故このように馬鹿げた政策案が出てきたのだろう。自分は知らなかったが、これには前例があったのだ。2019年から東京圏から23区内に通勤する人が地方に移住して起業や就業する際、男女問わず単身者に対して最大60万円を支給していたのだ。この政策も馬鹿げたものだが、それを移住婚に広げた政策は馬鹿を通り越している。地方創生相が、もし本気で地方創生を目指すのであれば、まず地方創生相の属する内閣府を地方に移すことから始めるべきだ。高所から眺めながら、金で解決しようとするのは大臣失格だ。元々自見には地方創生相の役目は重すぎた。人を見る目が無い岸田も当然首相失格と言える。
有っても買えないもの。それはコメだ。農業関係者が米倉庫の写真をSNSにアップして「安心して下さい、お米はたくさん有ります」と言っているが、スーパーの棚にはコメが無いから買うことが出来ない。令和の米騒動は、9月に入っても解消していない。パックご飯まで品切れになり、むしろ状況は悪化している。そればかりではない。値上がりしているのだ。農水省は「全体としてコメは足りています。落ち着いて行動して下さい」と言うだけだ。米騒動は農水省の失政であることは間違いない。でも、坂本農水相は市場への影響が大きいとして、備蓄米の放出に否定的だ。自民党の動きも鈍い。何故なのだろう。坂本農水相は、全く消費者を見ていない。では何処を見ているのだろう。恐らく農業関係者に違いない。足元のコメ不足を解消するために備蓄米を放出すれば価格が下がり、農業関係者や農村部の有権者から不満が出る。総裁選後の11月には衆院解散総選挙となる公算が高い。ここで自民党は農村票を失うわけにはいかない。従って、自民は敢えて都市部のコメ不足を放置する、ということだろう。次期選挙まで、米騒動は自民の選挙戦略であることを忘れてはならない。
脱原発主義の河野デジタル相が原発の再稼働は必要だと言い出した。「データセンターとAIで電力需要が跳ね上がる。再生可能エネルギーを2倍のペースで入れても、原子炉を再稼働しても足らない」と強調している。河野の言い分には3つの間違いがある。今やデータセンターが乱立し始めたが、米主要IT企業GAFAMは脱炭素を進めており、すべてクリーン電力で稼働させることを条件としている。原発などお呼びでないのだ。そもそも核リサイクルシステムは破綻している。原発を進めれば進めるほど核のゴミが溜まり、子孫が困るだけなのだ。河野は核リサイクルシステムの破綻を熟知しているのに再稼働などと主張するから、かなり質が悪い。昔から半導体の集積度が上がる度、電力不足が叫ばれてきた。しかし必ず工夫が生まれて、電力量は想定以下に抑えられてきた。更に、半導体の集積度アップによる省電力効果が見込まれていない。AIが仕事を簡略化し、トータルで電力が減ることになるのは間違いない。総裁になろうとする政治家は、票欲しさに主義・主張を曲げてはならない。底が浅く見えるだけだ。
能登の被災家屋の解体が全く進んでいない。解体申請棟数は3万2千棟だが、未だに解体完了数は3千棟弱なのだ。遅々として解体が進まない背景には解体業者不足がある。馳知事は公費解体と自費解体との両輪で進める方針を発表した。自費解体とは、被災者が自分で解体業者を見つけ、解体費用を立て替え、後日市町から払い戻しを受けるというもの。おかしな方針だと思う。自治体でも解体業者が見つからないというのに、被災者に見つけろという。しかも、一時的に費用を負担しなければならない。自治体の仕事を被災者に押しつけているだけだ。県知事の仕事は、県内の解体業者が不足であれば、他県に応援を依頼し不足を賄うことだ。解体費用が必要ならば、国と折衝しお金を引っ張ってくるべきものだ。能登地震が起きた当時も、馳が現地を視察したのは岸田首相に同行した2週間後だ。本来であれば、馳本人が前もって現地の状況を確認し、岸田が来たときに被害に見合う費用・対策を訴えるべきものだ。馳知事は何もしていない。知事失格の典型例だ。こんな輩を知事に選んでしまった県民にも責任はある。次期知事選では失敗を糧にすべきだと思う。
名古屋市は「下水は宝の山」と考えたとのこと。下水処理の過程で出る汚泥を肥料に生まれ変わらせたのだ。汚泥には、植物の育成に不可欠な「窒素」や、大半を輸入に依存し価格が高騰する「りん」が豊富に含まれている。これまでも肥料成分が含まれていることは知られていた。だが、成分にばらつきが大きく、ニッケルなどの有害物質も含まれることから、活用されることは少なかった。また、他の肥料に混ぜての生産・販売も認められていなかった。ところが、ウクライナ危機や世界的な穀物需要の増加の影響で、りんなど肥料の原料価格が高騰。こうした状況を受け、国は昨年、下水汚泥を積極利用することに方針を転換。作った肥料の品質を定期的な成分分析で保証することを条件に、幅広い流通が認められるようになったのだ。これまで汚泥は焼却灰をセメントの原料にしたり、乾燥させて固形燃料などに再利用されてきた。輸入に頼り高騰する肥料に転換出来れば、まさに「下水は宝の山」だ。江戸時代の肥料リサイクルシステムの再来とも言える。
今から20年近く前、テニス仲間の歯科医師が「子どもを継がせることはない」と嘆いていたことを思い出す。当時自分は「歯医者は外車に乗っているし、稼ぎの良い職業なのだろう」と思っていた。だから、お子さんを継がせるのでしょう?と質問すると「とんでもない。歯医者は増え過ぎで、ワーキングプアとなりこれからの未来はありません。だから継がせません」と答えられたのが意外だった。その後はその歯科医師の仰る通り、歯医者は過剰で稼げない不人気職種になってしまったようだ。ところが、最近は受験生が目指す狙い目の職種に転じているとのこと。目下の歯科医療の現場では、すでに不足している歯科衛生士や歯科技工士に続いて、歯科医師も「将来の不足」が懸念されているのだ。20歳と30歳に対する歯周病検診が2024年4月から始まった。しかし、すでに実施されている40~70歳の受診率はわずか5%。歯医者嫌いの日本人に「国民皆歯科健診」の導入が検討されている。自分が若い頃「歯医者は痛い思いをして虫歯を治すだけ」と思っていた。でも、年を取ると「歯は栄養を摂るための重要な道具」ということが今更ながら分かってきた。これからの老人主流時代には、歯医者は欠かせない職種になるのは間違いないと思う次第。
福島原発事故現場からのデブリ取り出しに失敗したことは昨日書いた通りだ。デブリは、1号機から3号機までの建屋内におよそ880tあると推定されている。しかも放射線量は極めて高く、近づく事も不可能な状況にある。今回は、たった3gのデブリの取り出しに失敗したのだ。3gでも、取り出すことが出来れば、今後の計画が立てられるかもしれないという儚い望みのために行なわれた取り出しだったのだ。そもそも試験的な取り出し自体、2021年中に行なわれる計画だった。でも、78億円かけて専用のロボットを開発した後に、経路に堆積物があることがわかり、中止した。この調子では、10kg取り出すのに250年かかると専門家が指摘している。だが、その最初の3gに失敗したのだから、あと1000年はかかるかもしれない。デブリの量は、コンクリートなどで固める石棺化したチェルノブイリの数倍といわれている。福島第1原発も、石棺が解決法としては合理的なはずとも言われている。しかし、石棺化すれば周辺の土地は永遠に立ち入り禁止区域となる。しかしながら、政府は地元住民を説得することに躊躇っている。その躊躇いが永久的なデブリ取り出しに導いているというのに。
NHK番組「100カメ」の「福島第一原発」を観た。第一原発をシールドする作業の実写だ。鳶職人が大活躍している。現場は放射線量が非常に高く、作業時間に制約があり、真夏だというのに防護服を着ての作業だ。しかも、巨大な構築物を数人で設置するのだ。余りにも過酷過ぎて、作業員仲間の結束とモラールの高さがヒシヒシと感じられた。同じ釜の飯を食う仲間というよりは、運命共同体とでも言うべきだろう。ところが、東電が福島第一原発から核燃料デブリを取り出す「試験的な取り出し」を延期したと発表した。格納容器の内部に通じている直径60cmの配管を使って、伸縮式のアームを伸ばし、内部に到達した先端部分から、さらにデブリを掴む器具をケーブルで釣り下ろし、デブリを掴んで回収する計画だった。延期の原因は、押し込みパイプの連結順を間違えたからだという。設計ミスか作業ミスかは発表されていない。でも、直感的に責任は東電にあると思った。何故なら「100カメ」の現場には、東電の社員が一人もいなかったからだ。危ない仕事は他人任せの東電体質が、作業を遅らせ、かつより危険なものにしているように映った。
テニスをした後、猛烈に汗をかいた後、身体が臭う。脂肪が燃焼した証しでもあるが、周りに人がいると少し気が引ける。東レとJAXAが吸汗、消臭、防汚、汗染みを防止した衣料を共同開発したという。JAXAが噛んでいるところが面白い。この商品は、国際宇宙ステーションで活動する宇宙飛行士の船内衣服のために開発された消臭/防汚技術を採用したとのこと。宇宙飛行士とは世界で最も汗に悩む職業の一つと言われている。国際宇宙ステーションは無重力環境にあるため衣服を洗濯できない。多くの服を持っていくことも難しい。一方で宇宙飛行士は無重力空間で筋肉が弱くなることを防ぐために、毎日負荷の高いトレーニングを義務付けられている。大量に汗をかく状態にありながら、洗濯することも服を気軽に着替えることもままならないのだ。そのために消臭、防汚衣服が開発されたのだ。すし職人や医療関係者からの引き合いが増えているという。そう言えば、男性の体臭発言で炎上した女性のフリーアナがいた。CMに登場すれば受けること間違いない。災い転じて福を成すかもしれない。
厚労省によると、日本の食中毒の半数はアニサキス症とのこと。アニサキスを殺すには、火を通したり、冷凍したりすれば可能だ。だが、火を通せば刺し身にはならないし、冷凍するにはマイナス20度で24時間以上処理する必要があるが、刺し身の食感が変わってしまうなどの課題がある。ところが、熊大が、品質を落とさずアニサキスだけを殺す安価な方法を開発したとのこと。高い電圧で瞬間的に電気が流れる雷のような仕組みのパルスパワーと呼ばれる技術だ。東京ビッグサイトのジャパン・インターナショナル・シーフードショーでお披露目された。食品加工関係の企業や全国展開するスーパーなどに導入されれば、日本の食中毒は激減し、生食文化の安全が守られることになる。そのうち、魚屋の店頭には「パルス処理済み」の札が貼られることになるかもしれない。
原発のコストが上昇している。米国の民間投資会社ラザードが発電所新設時の電源別コストである均等化発電原価を発表した。均等化発電原価とは、発電所を新設した場合のコストを電源種類別に比較する指標だ。それによると、原発のコストの平均値は、陸上風力や太陽光発電の平均の3倍以上だった。原発は安全対策のためコストが上がり続け、一方風力・太陽光は量産効果で下がり続けるという構図だ。日本は、福島原発事故後、原発の依存度を可能な限り低減する方針を掲げてきた。しかし岸田政権発足以降、2023年のGX基本方針などで「原発を最大限活用」と転換した。しかし、原発を最優先させる日本でさえ、経産省試算でも原発のコスト的優越性は失われつつある。しかも、新設に限らず再稼働でも再エネ新設と同程度という調査もある。最早「原発は安い」などとは、口が裂けても言えない状況にあるのだ。ところが、原発否定論者の河野デジタル相が、あろうことか肯定派に寝返った。総裁になりたさ故の浅はかな行為に映る。河野には、マイナ保険証の欠陥だけでなく、原発の状況も理解出来ていないようだ。これでは総裁も覚束ない。残念。
新型コロナウイルスの増殖を完全に抑制する手法があるという。まだ試験管レベルの段階だが、長崎大学が研究している天然のアミノ酸「5-ALA」のことだ。5-ALAは天然に存在するアミノ酸で食品中にも含まれ、人間も日々体の中で作り出している。長崎大学などのチームは、5-ALAがマラリア原虫の増殖を抑えることを発見し「マラリア治療薬」として研究開発を進めてきた。5-ALAの生成物がマラリア原虫の遺伝子中の「G4構造」に結合し、機能を阻害するといメカニズムだ。新型コロナウイルスの遺伝子にもマラリア原虫が持つ「G4構造」が存在することが分かり試験管内で実験したところ、5-ALAは初期の武漢株のみならず、アルファ、ベータ、ガンマ、オメガ、さらにオミクロン株の増殖を阻害することを確認したとのこと。ところが今のところ人に対する明らかな効果は得られていないのが現状だ。製薬会社は、予防薬の開発は一番お金と時間がかかるので、見向きもしないという。本来であれば、重症になってから投薬するより、予防する方が効率的だ。でも、製薬会社は損得を最優先させて開発しようとはしない。これこそ、まさに公立研究所の出番と言える。国は全力で長崎大学の研究開発を促進すべきだと思う。
NHKのラジオ国際放送の中国語ニュースを伝えていた中国人スタッフが中国語で「釣魚島と付属の島は古来、中国の領土です。NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と原稿には無い内容を述べた。NHKは即「尖閣諸島は中国の領土である」は不適切な発言であると謝罪した。NHKは「尖閣諸島は中国の領土である」の発言内容しか明らかにしていないが、実はその前に別の発言があったという。中国人スタッフは英語で「南京大虐殺、強制された慰安婦・性奴隷、731部隊を忘れるな」と発言したのを聞いた者がいる。尖閣諸島は問題だが、南京大虐殺・慰安婦・731部隊忘れるな発言はもっと問題だ。不適切発言どころではない。NHKは公共放送だ。中国から見れば国営放送と解釈される。NHKの発信が国の発信と見做される恐れがある。公共放送がジャックされるということはあってはならないのだ。この中国人スタッフは、中国の国防動員法と国家情報法に従っただけかもしれないし、あるいは中国政府の指示によるものなのかもしれない。NHKは中国人スタッフの契約を解除する方針とのことだが、それで収めるべきではない。国家レベルの問題と言える。NHK放送の抜本的な見直しが必要だ。
悠仁さまの東大受験が話題になっている。超進学校の筑波大学附属高での成績は「異例のもの」との報道があるから、劣等生に近いのだろう。でも、悠仁さまのトンボ研究は学者も一目置くレベルだという。東大には学校推薦型選抜制度がある。学業ではなく、研究や課外活動の成果を特に重視するという。もし、悠仁さまが東大受験を希望すれば、高校は推薦を拒めず、東大も入学を阻止出来ないだろう。しかし、東大に入ってから学業についていけるのだろうか。東大にはトンボ研究に詳しい教授もいないのだから。両親の秋篠宮夫妻は明確な帝王教育の術を持っていない。唯一固執してきたのが東大入学だ。特に紀子さまは「初の東大卒の天皇」という夢に突き進んできた。悠仁さまには酷な道しか選択肢が無いようだ。気の毒としか言い様がない。でも、将来の天皇だ。英国でも、王室関係者は、能力を問わずオックスフォードに入り、人脈を培われてきた。悠仁さまも学業は別として、幅広い人脈を形成出来れば、きっと未来に役に立つはずだ。楽観視して見守るしか他は無い。
北海道夕張市が財政破綻してから17年が過ぎた。国の管理下のもと、公共施設の廃止や縮小、職員の削減や減給などが行われ、住民サービスに大きな影響が出たと当時報道されていた。病院も例外ではなく、市内で唯一の総合病院であった病床数171の夕張市立総合病院は病床数19の診療所に縮小された。診療所の電気はほとんど消えていて、CTの機械はあるが、部品を買えずに使用不可に。これでは医療崩壊だ、死人続出だと騒がれた。ところが、医療は崩壊しなかったとのこと。夕張市で唯一の総合病院が失われた後も、平均寿命が短くなることもなく、毎年の死者が増えることもなかったという。一方で劇的に変わったのは死因だったとのこと。心疾患・肺炎の死因が減り、その分、老衰が増えたのだ。要するに、何か具合が悪いと病院行ったら病名がつく。病名がつくと薬が出て、いろんな治療をする。一方、家でちょっと心臓の具合が悪いかな、息切れするな、でもまあいいかと、街のクリニックで診てもらって、ちょっとした薬をもらった程度で家で死ぬと、病名がついていなければ老衰になる。働き盛りの年代は別として、歳を取ってくると病気なのか、歳を取ってきたから部品が傷んできたのかの区別はできない経年劣化なので高度医療はオーバースペックだ。夕張は「あまり極端に医療や介護に依存することなく、自分で静かに生きていく」という新しい死生観を生み出したようだ。
コメの品薄と価格高騰が深刻化している。スーパーの棚からコメ袋が消えた。近所のおにぎり屋が閉店した。昨年の猛暑による不作やインバウンドの増加で一時的に在庫が減ったためと説明されている。でも、これは農水省の苦しい言い訳で、実態を説明していない。元凶は農水省の減反政策にある。減反というのは、コメの生産を減らして、市場価格を上げる政策だ。生産を減らすための補助金に年間3000億円超も支出し、わざわざ米価を高くして、消費者の負担を増やしている。コメ農家が麦や大豆など他の作物に転作すれば、国が補助金を出す仕組みになっている。コメの単位面積当たりの収穫量である単収を増やす品種改良は止められ、今や日本のコメの単収はカリフォルニアの0.6しかないのだ。年々生産を減らし、最近では水田の約4割を減反して6割しか使わず、ピーク時の年間1445万トンの半分以下の生産に抑えているのだ。ギリギリの生産量なので、僅かなインバウンドなどに影響を受けてしまうのが実態なのだ。日本のコメは品質が良いので、海外でも高く売れる。むしろ、減反ではなく増反に反転して、輸出に回せば、食糧安全保障上も有効になるというのに。新首相誕生を契機に減反政策を見直すべきだと思う。
南海トラフ地震臨時情報が発令されてから1週間が過ぎた。一応1週間は警戒期間とのことで、新幹線が徐行したり、お祭りなどが中止になった。ちょうどお盆休みが重なり帰省にも影響を与えた。1週間の警戒期間には賛否がある。概ね否の方が多いようだ。何故なら元々南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は70~80%という政府予測は科学的な根拠が無く、単に政府や自治体が予算獲得のため強いて高めに設定したとされているからだ。1週間が過ぎ、政府の地震調査委員会は「現時点でプレート境界に異変を示すデータはない」としている。しかし、8日の地震の数時間後から、日向灘の浅い場所でスロー地震が、断続的に強弱を繰り返しながら現在まで続いているのだ。2011年の東日本大震災では、3月9日の前震M7.3の後にスロースリップが発生し、それが11日の本震M9につながったことが分かっている。山下裕亮京大助教は「今回の地震の割れ残りが単独で動けばM7級、スロー地震と相互作用した場合はM8級を起こしうる。スロー地震の活発化はプレート境界がいまだ不安定であることを示しており、収まるまで1カ月程度経過をみる必要がある」と語っている。政府の地震調査委員会はあまり当てにならないので、京大防災研究所の観測を注視する必要がありそうだ。
岸田首相が突如「次期総裁選不出馬」を発表し会見を開いた。自分は「岸田の実績はゼロ」と思っている。どうせ岸田は、有ること無いこと実績を並び挙げるに違いない。しかも、形容詞が多く、簡潔でない。だから、テレビ放送は見なかった。それにしても、支持率が半年以上も2割台に低迷していたのに、何故もっと早く辞めなかったのだろうと不思議に思う。岸田の総裁選不出馬の理由を考えてみた。総裁選に出馬しても、勝つ見込みが無いことがハッキリしたからだろう。総裁選に出ても3位に入る見込みも無い。総裁選で惨敗すれば、政治生命を絶たれることになる。でも、今辞めれば岸田派を復活させキングメーカーとして生き延びることが出来るかもしれない、とでも考えたのだろう。しかし、そこには自民党を立て直そうとする思惑も無いし、いわんや日本の将来を憂うなどの気概など全く無い。要するに、保身の一言に尽きるのだ。自民の長老政治も終焉を迎えようとしている。長老に支配されない議員が首相となって、長老の息の根を止め、新しい政界を拓いてほしいものだと思う。
大阪地検特捜部の違法な人質司法について、大阪高裁は田渕検事を審判に付することを決定した。大阪地検特捜部が逮捕・起訴した不動産会社社長が、248日間身柄拘束された後に無罪が確定したが、人質司法について弁護人側が付審判請求を行っていた。検事が審判に付されるのは初めてのことだ。決定では、田渕検事による「威圧的、侮辱的な言動を一方的に続けた」取り調べを黙認した検察組織の姿勢を厳しく批判し「検察における捜査・取調べの運用の在り方について、組織として真剣に検討されるべき」と異例の要請を行なった。日本の刑事訴訟法は、検察官が起訴するまで被疑者の身体を最大で23日間拘束することを認めている。しかし、被告人が無罪を主張したり黙秘をしたりしているときには保釈が認められず、長期にわたる身体拘束が続くのだ。人質司法は、国内の学者や弁護士はもちろん、国際的にも強く批判されている。今回の大阪高裁の決定は、やっと初め一歩を踏み出したことになる。今後、取調べの全過程の録音・録画を義務付けることと、取調べへの弁護士立会を認めることも法律上明記すべきだと思う。
パリ五輪で日本の予想外の活躍が目立った。金メダル20個獲得は海外開催の五輪では史上最多とのこと。団体で初めて金メダルを獲得したフェンシング男子フルーレは、東京大会の金メダリスト、フランス人のエルワン・ルペシューをコーチとして2021年から招聘していた。チェコに単身で乗り込んで修行した女子やり投げの北口選手は、前評判通り金メダルを獲得した。男子バレーはメダルは逸したものの、フィリップ・ブラン監督により世界NO2まで登り詰めた。ルペシューは「実力はあるのに、自信がない。練習時間が長い一方、強度が低い」といった日本の他の競技にも共通する弱点を早々に発見し、克服させたという。外国人コーチにより成果を挙げた競技が目立った一方、伝統にのっとり、日本のコーチの指導によって結果を残した、体操、柔道、レスリングといった競技もあった。体操は1970年代から一貫してオールラウンダーの養成に力を入れてきた。グレコローマンは海外で外国人との合宿で技術を身につけたという。問題は水泳だ。リーダーも哲学も方法論も存在しない。選手は日水連を見限り、海外に流出するばかりだ。
かつては水泳日本と言われたお家芸だったが、案の定、パリ五輪競泳では松下選手の銀メダル1つで終わった。ここ数年日本水泳連盟のお家騒動が続いている。昨年の世界選手権大会では銅2つの惨敗だったから、五輪は案の定の結果だった。結局、日本水泳連盟内の権力闘争の煽りで、体制がアスリートファーストでなくなってしまったことに尽きるようだ。日水連とコーチと選手がバラバラで空中分解してしまっているのだ。選手からも不満が出ている。これでは勝てるはずがない。池江選手は4年後のロス五輪を目指し、ホームを豪州に移すという。もう2度と日本には戻らないとも言っている。アーティスティックスイミングもメダルを逃した。プールの水深が一般的な3mではなく2m20と知ったのは開幕直前。書類の提出やリフトの土台作りの規制が新ルールになったことを知ったのも現地に入ってからだ。これでは闘う前から負けている。果たして鈴木大地会長に体制を立て直す力はあるのだろうか。
最も信頼性の高い時事通信社の世論調査によると、岸田内閣の支持率は15.5%まで低下した。ところが、この内閣は未だに倒れない。何故だろうかと思っていたら、DIAMONDonlineに「政権を支える影の支配者たちの正体」という記事が載っていた。佐藤優氏への取材記事だ。結論から言うと、この国の権力は資本家が握っているからだと言う。米国はユダヤ系のディープステートが支配している。ディープステートとは、国を憂う陰のの集団で表には出てこない。日本のディープステートは学閥系が多い。例えば、開成会。岸田総理の母校である開成学園出身者の横のネットワークは、どの大企業にも全ての官庁にも存在している。開成のほかに灘、麻布、武蔵。女性なら、桜蔭や雙葉のネットワークが強い。岸田は産業の根幹であるエネルギーだけは貪欲に手に入れてくるので、経団連から降ろす声は聞こえてこない。岸田はエリートネットワークを持っているから、支持率が低くても足元は揺るない訳だ。しかし、ディープステート型のエリート主義は、ポピュリズムに勝てず民主的な意思決定プロセスを歪めるから危険なのだと警告している。所詮、金の力が政治を支配しているということのようだ。
パリ五輪で日本のメダルラッシュが続いている。それにしても、何故選手はメダルを噛むのだろう。調べてみると、第1号は1988年ソウル大会競泳男子200m自由形で優勝した豪のアームストロング選手。スーパースターのビオンディとグロスを破って、まさかの優勝となり、思わず金メダルをガブリ。金は軟らかいので噛めば分かるから「本当に金か確かめたかった」とか。日本人選手で初めて噛んだのは1996年アトランタ大会柔道の中村兼三選手。以降、カメラマンの要望に応えて野村忠宏や高橋尚子が噛み、それが選手の間に定着したようだ。一方で、パリ五輪の銅メダルの品質が問題になっている。たった1週間で銅メッキが剥がれ、ブロンズの色が褪せてしまったとか。選手にとってメダルは一生ものの宝物だ。誤審続きのパリ五輪だが、せめてメダルくらいは真面であってほしいと思うのだが。
宮崎県で最大震度6弱を観測し、初めて南海トラフ巨大地震の臨時情報が発表された。気象庁は異常な現象を観測するなどしたら「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表することになっている。「想定している震源域内の岩板の境界でM8以上の地震が発生した」と評価されたら「臨時情報(巨大地震警戒)」を「岩板の境界面の断層が通常と異なって動いた」などと評価されたら「臨時情報(巨大地震注意)」を発表する。「警戒」「注意」に当てはまらなければ「臨時情報(調査終了)」になる。専門家の検討会で、今回は巨大地震注意とされた。今後1~2週間は巨大地震発生の恐れがあるということだ。新幹線も在来線も、南海トラフ領域では徐行で運用される。津波に備えて祭りなどの催しも制限される。でも、高知よさこい祭りは、決行するという。東日本大震災のとき、1週間前に大きな地震があった。当時は前兆とは捉えられていなかった。この経験があるというのに、よさこい祭りだ。天災は忘れた頃にやって来るという。それにしても、高知人は忘れ方が早過ぎるようだ。
9日に行なわれる予定の長崎平和式典において、イスラエルを招待しないことで揉めている。長崎市は「政治的な理由ではなく、平穏かつ厳粛な雰囲気の下で円滑に式典を実施したいという思惑を総合的に勘案し判断した」とコメントしている。しかし、日本を除くG7は「イスラエルをロシアと同列に扱うものだ」として、不参加を表明している。どう考えれば良いのだろう。まず、長崎市の弁解が曖昧過ぎると思う。恐らく、円滑に式典を実施したいという理由は後付けだろう。長崎市は「イスラエルのガザ攻撃はジェノサイドだ。長崎平和式典は平和を願うものだから、当然イスラエルを招待しないのだ」というのが本音に違いない。長崎市の本音は真っ当だ。ジェノサイドのイスラエルなど招待すべきではない。長崎市は曖昧な弁解をすべきではない。むしろ積極的にイスラエルを外した理由を全世界に公言すべきだ。更に言えば、ジェノサイドのイスラエルを擁護するG7をも批難すべきだと思う。それでこそ、真の平和式典と言える。
今日は日経平均が4451円も暴落した記念日だ。何とあのブラックマンデーの下落よりも酷かったのだ。だから「令和のブラックマンデー」とも言われている。当然、経済評論家は蜂の巣をつついたように騒いでいる。日銀がFRBの動向を読み間違えたのだ。異常ではなく正常化で、上がりすぎた株価が「普通に戻っている」だけとのコメントもある。でも、面白いのが、その道の専門家の真のコメントだ。色々理屈は付けているが「分からない」とのコメントが圧倒的だ。つまり、専門家からしても誰も分からないのだ。何故なのだろう。しかし、素人の自分から見れば答えは簡単だ。現在の株式投資はAIに頼り過ぎているからだ。相場が動けばAIが対応する。でも、その相場が、AIの度量の範囲を超えれば、AIは暴走するしかない。結局、AIのアルゴリズムが現状の過反応に対応していなかっただけなのだろう。間違いなく、明日は反発するはずだ。反発しなければ、それ以外の要因があることになる。さて、明日の株価はどうなるか?
夏の高校野球に、暑さ対策のため2部制が導入されるという。気温の高い真っ昼間を避け、朝と夕方以降に分けて試合を行うというもの。江川が投げた1970年代と桑田が投げた1980年代の平均気温は27度だったが、2020年代に入ってからは29度以上が続いている。甲子園大会の決勝まで進んだ場合、選手たちは7月の予選も含め約1カ月間に10試合前後をこなすことになる。地方大会もほとんどが猛暑の野外で行われるから、選手の疲労は尋常ではない。鍛えたはずの選手たちが熱中症で倒れることが続出している。その割には、高野連の暑さ対策は緩慢だ。昨年は5回終了後にクーリングタイムを導入したり、ベンチ入りを2名増やし20名にした。今年は、午前8時から2試合行い、午後4時以降に実施するという。でも、ここ数年は温度だけでなく湿度も高い。朝夕も決して凌ぎやすくはない。せめて猛暑の年は甲子園を諦め、大阪ドームで実施すべきだ。準決勝以降を甲子園のナイターにすれば、高校球児の夢を奪い取る訳でもない。高野連には、未だに「水を飲むな精神」が跋扈しているようだ。
トヨタは社内監査で不正は見つからなかったと言っていたが、その後の国交省の立ち入り検査で新たに7車種の不正が判明した。衝突試験で量産と異なる仕様のドアフレームを使ったり、規定通りの試験を行ったように虚偽記載したりするなどの不正を確認したと発表したのだ。トヨタの社内監査とは何だったのだろうか。豊田章男会長の本社海外移転の脅しは何だったのだろうか。豊田は周りから大久保彦左衛門的人物を全て排除し、いまや完璧なワンマンとなっている。逆らえる社員は一人もいない。己が、不正を徹底的に調査しろと命令すれば、完璧に調査されるものと勘違いしている。今更、不正をしましたと名乗り出る者などいるはずがない。名乗れば地獄が待っているだけなのだから。元々何十万人もいる社員が一人も不正をしない会社など存在しない。豊田はそれを理解していない。それ程ワンマンだということだろう。豊田が個人商店の社長であれば、優秀な経営者であったのかもしれない。しかし、大企業の経営者としては資質を欠いている。院政を敷けば、益々トヨタの社内風土は悪化する。ここは潔く身を引くべきだろうと思うのだが。
パリ五輪は「持続可能なエコ五輪」を目指しているという。選手村の部屋にはエアコンが無い。床下に冷却用配管が設置されているが、暑さを凌げない。段ボールも再生プラのマットレスにも選手から苦情が出ている。ベジタリアンメニューを増やすことで、これまでの五輪と比べて平均CO2排出量を半減させたと強調している。毎日提供される50種類の料理のうち、半分は100%のベジタリアンだという。調理担当企業と協力するアドバイザーとして、ミシュランの星を獲得したシェフを数人雇用したというが、美味くないと言う。美食で知られる仏の料理が選手たちを失望させている。卵料理や肉料理が少な過ぎると不満が絶えない。牛のゲップは温暖化の元凶と言われているので、減らしたのだろう。いや、コストダウンが目的だったのかもしれない。猛暑下では五輪は選手にも観客にも過酷だ。ついつい不満が出てきてしまう。それでは「エコ五輪」を持続可能なものにするには、どうしたら良いだろうか。答えは簡単だ。昔のように、開催期間を真夏ではなく、秋か春に戻すことだ。商業主義から脱し、本来の健全なる五輪に立ち戻ることこそ、持続可能なエコ五輪を実現することになるはずだ。
パリ五輪ボクシング女子66キロ級の2回戦で、アルジェリアのイマン・ヘリフ選手は、対戦相手のアンジェラ・カリニ選手が開始46秒で戦闘意欲を喪失し棄権したため勝利した。テレビ画像を見る限り、男性対女性の戦いのようで、闘う前からヘリフ選手が圧倒するように感じた。この件がIOCの性別騒動へと発展している。ヘリフ選手は、昨年の世界選手権で行われた性別適格性検査で男性のXY染色体を持つとして優勝をはく奪され、失格となった過去がある。生物学上は男性なのだ。バッハ会長は「どうして女性として生まれ、育てられ、競技に出場し、パスポートを持つ女性を、女性と認められないというのか」と異例の声明を出した。一方で、トランプもハリーポッター作者のJ・K・ローリングもテニスのナブラチロアも国連も、IOCがヘリフ選手の参加を認めたことを批難している。勿論、IOCのルール通りなので、問題は無いと言う來田中京大教授もいる。問題は、IOCが性別判断材料としてパスポートを主張していることだと思う。性別判断は国の事情によって異なるものだ。世界共通の性別適格性検査に基づいていないのだ。IOCは金儲けには前向きだが、科学的根拠には後ろ向きだ。魑魅魍魎が跋扈している世界に映る。
政府が、やっとレアメタルの国内確保に前向きになるようになった。日本はレアメタルの殆どを海外からの輸入に依存している。レアメタルの回収と再利用を企業に義務付け、海外への流出を防ぐため、資源有効利用促進法の改正を目指すという。まずは、リチウムやニッケル、コバルトが多く含まれている蓄電池がターゲットだ。蓄電池の製造工程で発生する端材や不良品は、粉砕後ブラックマスとして東南アジアに輸出されているのが現状だ。国内にはブラックマスからレアメタルを取り出す技術が無いからだ。住友金属鉱山などの技術開発を支援するという。その次が、EVに搭載された使用済み蓄電池の再利用だ。現在、重要鉱物のリサイクルは欧米が先行している。EUは2023年に法律を改正し、使用済みの蓄電池から2031年までにリチウムを80%再資源化することを求めている。何の資源も無い日本が、欧米に遅れを取っているのだ。経産省は日本に資源が無いことを、未だに認識していないのかもしれない。