新型コロナウイルスの増殖を完全に抑制する手法があるという。まだ試験管レベルの段階だが、長崎大学が研究している天然のアミノ酸「5-ALA」のことだ。5-ALAは天然に存在するアミノ酸で食品中にも含まれ、人間も日々体の中で作り出している。長崎大学などのチームは、5-ALAがマラリア原虫の増殖を抑えることを発見し「マラリア治療薬」として研究開発を進めてきた。5-ALAの生成物がマラリア原虫の遺伝子中の「G4構造」に結合し、機能を阻害するといメカニズムだ。新型コロナウイルスの遺伝子にもマラリア原虫が持つ「G4構造」が存在することが分かり試験管内で実験したところ、5-ALAは初期の武漢株のみならず、アルファ、ベータ、ガンマ、オメガ、さらにオミクロン株の増殖を阻害することを確認したとのこと。ところが今のところ人に対する明らかな効果は得られていないのが現状だ。製薬会社は、予防薬の開発は一番お金と時間がかかるので、見向きもしないという。本来であれば、重症になってから投薬するより、予防する方が効率的だ。でも、製薬会社は損得を最優先させて開発しようとはしない。これこそ、まさに公立研究所の出番と言える。国は全力で長崎大学の研究開発を促進すべきだと思う。
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