センバツは大阪桐蔭が圧倒的な強さで優勝した。1回戦こそ対鳴門3-1だったが、2回戦不戦勝、準々決勝は対市立和歌山17-0、準決勝は対國學院久我山13-4、そして決勝は対近江18-1の圧勝だった。昔から高校の硬式野球は関西勢が強いと定着している。関西の高校では甲子園に出られないレベルの選手は地方の高校へ野球留学したものだ。その典型例が苫小牧に行った楽天のマー君だ。ところが、時代は変わるものだ。大阪桐蔭のベンチ入り18人のうち14人が府外出身者とのこと。以前の大阪桐蔭は関西を中心に選手を集めていたが、今は全国に手を伸ばしているという。関東の強豪校は「勘弁してくれ」と嘆いているようだ。強豪校には優秀選手が集中する。大阪桐蔭だけではない。浦和学院には九州勢が多い。沖縄出身者は沖縄県外に留学してしまうので、甲子園で沖縄が勝つことが少なくなった。昔特待生制度が問題になったことがある。強豪校が特待生を集め過ぎるので、特待生は1校当たり2人までというルールがあったような気がする。それもなし崩し的に消滅させられてしまったのかもしれない。高校野球の在り方を再考すべき時期を迎えていると思うのだが。
欧米が、プーチンはウクライナ戦争の戦況や経済措置によるダメージについて側近から誤った情報を伝えられている可能性があるという情報を明らかにした。戦略のチグハグさから考えると、その可能性は高く、まさにプーチンは裸の王様状態になっているようだ。もっとも、あれほど強権政治いや恐怖政治をやれば、志の無い部下たちはプーチンに悪材料は言えなくなるのも当然だ。今や世界は、善人のゼレンスキー、悪玉のプーチン、が定着した。しかしながら、泥棒にも三分の理という諺がある。悪玉のプーチンにも三分の理は存在する。2014年にロシアがクリミヤを併合してからウクライナ侵攻を始める間、米CIAは丸8年間ウクライナ軍と共にドンバス地方の住民を虐殺していた。更にNATOには加盟しないと約束したミンスク合意をゼレンスキーが破ろうとした。だから、プーチンはドンバス地方の住民を守るのを大義として侵攻に着手した。これだけならばプーチンに大義はあったと思う。ところが、やり方が拙かった。ウクライナ全体を攻撃してしまった。ロシアの緩衝帯を作るために武力で他国に侵略することに大義は無い。むしろ侵略戦争で犯罪となる。プーチンのやり方はすべからく旧KGB方式で、人を欺き、現実をねじ曲げる。状況が悪化すれば、裸の王様になるのは必然と言えそうだ。
理化学研究所の研究者600人が大量リストラされようとしている。法律では、同じ研究機関で10年以上働いた研究者は無期雇用に転換する権利を得られることになっている。この法律によって非正規雇用の研究者は雇い止めの不安から解放され、研究に打ち込むことが出来るのだ。ところが、理研は人件費や組織運営費をカットするため、この法律の趣旨に反し「2013年を起点にして、非正規の研究者は10年以上働けないことにする」という就業規則を作ってしまった。この就業規則で、来年3月までに600人もの研究者がリストラされる羽目になったのだ。日本の科学技術振興にとって大問題だと思う。政府は科学技術を軽く見過ぎている。日本は長年にわたってGDPが伸びていない。そのため所得も伸びず、先進国から脱落しようとしている。GDPと所得を伸ばすには、より高度な産業を育成していくことが必須だ。そのためには高度な科学技術振興を進める必要がある。科学技術の予算を削り、技術の元を絶ってしまっては日本の将来は無い。民主党政権時代の「事業仕分け」が厄をもたらしている。
アカデミー賞授賞式で、俳優のウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロックをビンタした。この出来事は脚本によるものだと多くの視聴者が思ったほど、たった二人の舞台壇上で行なわれた。ウィルの長年の友人であるクリスは、受賞作品を発表する前に少しトークし、ウィルの妻で俳優のジェイダに向かって「ジェイダ、愛してるよ。(G.I.ジェーン2)が待ちきれない」とジョークを飛ばした。(G.I.ジェーン2)には、女性大尉が坊主になるシーンが出てくる。ジェイダは数年前に脱毛症を告白し、坊主刈りになっている。これにウィルがカチンときて、壇上に駆け上がりビンタした次第。クリスは「ウワーオ」と声を挙げただけで喧嘩にはならなかった。ウィルは席に戻り、クリスへ「お前の口から俺の妻の名前を出すな」と怒鳴り、会場からの退場を拒否した。米国ではテレビ中継が一時期止まる騒ぎとなった。その後、ウィルはビーナス&セリーナ・ウィリアムズ誕生に隠された実話を描いた「ドリームプラン」で主演男優賞を受賞した。だがウィルのビンタに賛否が分かれているという。自分は、クリスも悪いがウィルはもっと悪いと思う。即刻退場させ、主演男優賞の授賞式を取り止めるべきだった。今後何の処分も無ければ、アカデミー賞は暴力行為を奨励したことになる。
ゼレンスキー大統領がオンライン国会演説をした翌日、安倍元首相がゼレンスキー大統領と撮影した写真をアップし「日本はウクライナ国民と共にある」とツイートした。一方で安倍は27回もプーチンと会談してきた。安倍は「「ウラジーミルと私の代で、両国間の問題を解決するという方向でコンセンサスが一致した」と述べていた。安倍は「領土問題を解決し、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ず終止符を打つ」と訴えていた。しかし、ロシアは憲法を改正し、領土割譲を禁じた。北方領土返還が無くなった瞬間だ。その時、安倍は何故プーチンに不服を表明しなかったのだろう。未だに無言を貫いている。プーチンから見れば、いい顔をすれば安倍はホイホイ乗ってくるし、怒った顔をすれば黙り込んでしまうし、しかも反省もしないボンボンなのだろう。安倍とプーチンの、あの蜜月は何だったのだろうかと思う。安倍は反省も無いまま、今度はゼレンスキーをヨイショだ。軽過ぎる。頭も心も軽過ぎる。
連日ウクライナの惨状が報道されている。2月11日に外務省がレベル4の『邦人退避勧告』を出した時点で、日本のマスコミはウクライナには入れないという暗黙のルールを作ってしまった。だから侵略された当初のウクライナには、日本のマスコミはいなかった。今でこそ、少しはいるが精々ポーランドに近いリビウまでだ。連日の爆撃破壊の報道映像はBBCとCNNによるもの。BBCとCNNの取材陣は命を張っている。NHKは当初中身の無い国会中継をダラダラ垂れ流すだけで、ウクライナの惨状を殆ど報道しなかった。そのためNHKはBBCやCNNと較べ非常に見劣りすると、大物政治家が言ったのかもしれない。その日の主要ニュースの予定や番組の編成などを行なう編集会議で、報道局長や編集主幹が唐突に「BBCやCNNに見劣りしないネタを探せ」と指示したという。一見真面に見える。だが、報道局長も編集主幹も安倍にへつらって出世した、いわば親ロシア派だ。それがウクライナ派に寝返った。しかも取材力では月とスッポンの差ほどあるBCCと競えと言う。NHK内部では「何を今更、出来る訳が無い」と失笑されているという。安倍政権の終焉と共に、NHK安倍よいしょ組も退場すべきであったと思う。
4月に警視庁の組織改編が行なわれる。現在、警視庁本部の組対部は1~5課に加え、総務課と特別捜査隊の計7部門で構成されている。それが、組対3課と4課が統合され「暴力団対策課」となり、1課と2課が統合され「国際犯罪対策課」となり、組対5課は「薬物銃器対策課」に改称される。暴力団対策法により暴力団の構成員は3分の1以下の3万人以下に減少している。その反面、犯罪の種類は大幅に増えている。今回の改編は、働き方改革の一環だというが、現場は体の良い人減らしだと批判している。要は、現場を知らない上層部の点稼ぎのようだ。更に問題なのは課の呼称だ。「暴力団対策課」は当初「反社会的勢力対策課」の予定だった。ところが、中村警察庁長官が横槍を入れて「暴力団対策課」にしたという。中村警察庁長官といえば、刑事部長時代に高輪署が逮捕直前だった強姦容疑の元TBS部長の逮捕を「天の声」で握り潰したあの輩だ。元TBS部長も中村も安倍・菅の御用聞きだった。中村は反社会的人物が出席していた「さくらの会」など一連の安倍疑惑を国民に思い出させないよう、安倍・菅に忖度して「反社会的勢力」という文字を削除したと噂されている。警察庁には忖度ではなく「国民のための正義」を見て欲しいと熟々思う。
安倍元首相がダンマリを決め込んでいる。プーチンのウクライナ侵略の前にも後にも、安倍にはプーチンを説得するチャンスは幾らでもあったはずだ。安倍はプーチンと数十回も会談している。世界の首脳の中で最もプーチンと気心が知れた首相と言える。北方領土返還が目的という理由で、安倍はプーチンに3000億円も注ぎ込んできた。西側首脳が欠席する中、安倍一人がソチ五輪に出席し、クリミヤ併合の時も生温い対応だった。16年にはプーチンに「8項目の経済協力プラン」を提案し、3000億円の投資を約束した。サハリンの原油・天然ガス開発に民間会社を巻き込んだが、米英仏が撤退しロシアのものになってしまった。挙げ句の果てに、ロシアは領土割譲を禁じる憲法改正を行い、北方領土返還は夢の夢になってしまった。要するに百戦錬磨で強かな強面に、脳天気な坊ちゃんが騙されカツアゲされたという構図だ。これまでの安倍を見ていると、安倍は「人を見る目が無い」ということに尽きそうだ。モリカケも夫人も、全てに説明がつきそうだ。人を見る目が無いということは、己も見ることが出来ないということになる。
21日に政府が突如「電力需給ひっ迫警報」なるものを出した。電力需給ひっ迫警報など聞いたことも無い。それもそのはず、2012年の制度創設以来、初めての発令だ。夜には「節電にご協力を」と、その後には「停電するかも」とアナウンスされた。経緯を聞くと、政府が後手を引いたからだ。事の発端は、16日の福島沖地震だ。火力発電8基が停止し原発5基分相当の供給力が失われた。これに季節外れの冷え込みが重なり、悪天候で太陽光発電も動かなかった。全て前もって分かっていた。政府の対応が遅れただけだと言える。更に言えば、如何にも偶々悪条件が重なったかのように報道されているが、根本原因はそこには無い。根本原因は電力の自由化だ。送電部門と発電部門を分離し、発電部門を市場原理に委ねた。自由化は同時に原発の前面停止と同時に行なわれ、電力供給の20%が失われた。再エネ最優先政策で火力が不採算となり廃止が進んだ。更に脱炭素化のため、経産省は電力会社に「2030年までに石炭火力を100基減らせ」と指示したため、日本の発電能力の20%が失われることになる。一方原子力規制委員会が設置変更許可しても運転していない原発が7基ある。原発は使いながら減らして無くすのが賢い知恵だと思うが、政府の腰は定まっていない。ロシア問題も有り、脱炭素化を吟味すべき時期にある。これを契機にエネルギー政策を抜本的に見直すべきだと思う。
ゼレンスキー大統領の日本の国会演説が、いよいよ明日に迫った。前例が無いとかスクリーン設備が無いとか、演説に反対する声はあったが、行なわれることになった。ところが、今になっても反対する人物はいるものだ。代表格がジャーナリストの鳥越俊太郎と泉立憲民主党代表だ。鳥越は「紛争の一方の当事者の言い分を、国権の最高機関たる国会を使っていいのか?中国・台湾紛争でも台湾総統の演説を国会で流すのか?何を言うか、分からん」と息巻いている。鳥越には、他国に侵略され国家存亡の危機を迎えているゼレンスキー大統領の心情を理解出来ないとみえる。と言うよりは、ロシア贔屓、中国寄りの強権国家好きと言えそうだ。さっさとロシアに移住した方が良い。泉は「ゼレンスキーは何を言い出すかわからない。オンライン技術論で論ずるのは危険。演説内容は事前の両国合意が必要だ」と反対表明した。泉には海外情勢が見えないのだろう。議論を嫌い、石橋を叩いて渡るようでは野党の長として失格だ。立憲民主は昔の社会党ソックリになってきた。ひょっとすると、泉は親ロシア派かもしれない。泉もロシア移住が適している。
ウクライナ戦争について、岸田首相は「G7と共に」と様子見で相変わらずグダグダ状態だ。だが、ドイツのショルツ首相は違う。就任当時メルケルの後を引き継げるのかと思っていたが、あに図らんや、その実行力はメルケルを遙かに超えている。ロシアによるウクライナ侵攻直後のドイツ議会で、千億ユーロの軍近代化予算と軍事予算の増額及びノルドストリーム2の棚上げを表明した。さらにロシアの国際決済システムSWIFTからの排除、ミサイルと装甲車のウクライナへの援助、石炭と天然ガス備蓄の増強、カタールと米国からのLNG受け入れターミナル2つの建設などを打ち出した。ドイツのエネルギーはロシアの天然ガスに依存している。だから、ロシア制裁にはEUで最も消極的と思われていた。政策の抜本的転換を打ち出すのは容易ではない。恐らく首相がメルケルだったらこれ程の大転換は出来なかったに違いない。ショルツ首相の決断は、天晴れとしか言いようがない。岸田にショルツ首相の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
またまた選挙前のバラマキ作戦だ。前衆院選では与野党によるバラマキ合戦だったが、今度は自公の参院選に向けてのバラマキ作戦だ。コロナ禍の高齢者支援と称して、高齢者約2600万人に一律5千円をバラマこうというもの。5千円の根拠は年金の減額。昨年4月に年金法が改正され、現役世代の賃金低下に合わせ年金も下がるルールに換わった。このため今よりも0.4%下がることになる。その補填が5千円ということだ。自公が年金法を改正し、減額分を今度は自公が補填するという構図。まるでマッチポンプと言える。22年度の4、5月分の支給日は6月15日で、1週間後の22日は参院選の公示が見込まれている。露骨な集票対策だ。5千円支給の発案者は茂木自民幹事長。岸田が公明との隙間を埋めるため茂木に指示し、バラマキ好きな公明が乗ったと言われている。それにしても、日本の政治家は集票のために何故バラマキしか出来ないのだろう。熟々悲しくなる。政治家は血税を湯水のように使う。もし財源に政党交付金も充てるとでも言えば、国民は喝采するのだが。
相変わらず、岸田首相が看板政策として掲げる「新しい資本主義」が迷走している。いや迷走しているのは「新しい資本主義実現会議」で、未だに「新しい資本主義」の理念すらも見えてこない。岸田は、格差を広げたとされる新自由主義の修正や、中間層の拡大に向けた富の分配機能の強化を訴えた。その具体策が、株主への配当を従業員の賃金に振り返ることと、自社株買いの抑制だった。配当と自社株買いは、企業存続のために必須だから、金融界から猛批判を受け、株が暴落した。岸田は出鼻をくじかれ、それ以降「新しい資本主義」には口をつぐんだままだ。だが、理念も具体策も無いまま「新しい資本主義実現会議」は4回も開催されている。出席者は、何のための会議かも分からない。だから何を話して良いものかも分からない。官僚すらもお手上げ状態だ。山際経済再生相は「理念よりも各論を先行して」と支離滅裂で何の役にも立たない。賃金を上げるには、GDPを上げることだとは経済学者ならば誰でも知っている。いつになったらGDP議論にたどり着くのだろう。岸田と山際には全く期待は出来ない。残念。
DIAMONDonlineが日本を代表する化学メーカーである東レの不正行為をスクープした。家電製品や自動車部品に使う樹脂製品の安全認証での不正行為を5年前から知りながら、公表直前まで火消し工作を図っていたという。今から5~6年前日本の製造業全体で、品質データ改竄などの不正が相次いで見つかり大騒ぎになったことがある。東レ子会社もご多分に漏れずタイヤ補強材の品質不正が発覚した。それを契機に全社的に品質保証部門の格上げや、品質検査の厳格化、コンプライアンス教育などの再発防止策が行なわれた。その結果、もう不正行為は無いと宣言したが、実は今回発覚した不正行為はその下で綿々と行なわれていたのだ。今回の不正はUL規格。難燃性のお墨付きを与える規格だ。東レは正規の燃えやすい製品を燃えにくいものに加工して、テストをパスしていたとのこと。この事実を日覺社長CEO兼COOが先頭に立って火消しに走っていたというから質が悪い。製品が燃えないよう不正を行なっていただけに、社長も火消しに走ったのかもしれない。まさに会社ぐるみの不正隠蔽行為だ。東レのコーポレート・スローガンはInnovation by Chemistry(化学による革新と創造)だが、Dishonesty by all TORAY(全社一丸によるごまかし)とでも替えた方が良さそうだ。
最近は地デジの情報番組よりもBSの報道番組を見る方が多くなった。理由は明解だ。昼間の地デジの情報番組に登場するコメンテェーターは一茂に代表されるように、ナンチャッて専門家で何の役にも立たないコメントが多いからだ。その点、BS報道番組は、その道の専門家を揃えているので、情勢を理解し易い。それでも問題はある。BSフジ「プライムニュース」のウクライナ情勢について、伊勢崎賢治東京外語大教授が出演した。伊勢崎教授は、NGO・国際連合職員として世界各地の紛争地での紛争処理、武装解除などに当たった実務家としての経験を持ち、紛争解決請負人とも呼ばれているという。その伊勢崎教授が「ゼレンスキー大統領が、国民も銃を持って戦えと言ったことは間違い。これでは一般国民も兵士と見做され攻撃されてしまう」とコメントした。確かに肯けると思った。ところが一方で、ある番組で廣瀬陽子慶大教授は「チェチェン紛争であったように、ロシアが無差別に病院や学校を砲撃するのは常套手段で、その常道を外れた攻撃が相手を降伏に追い込むのだ」とコメントしていた。伊勢崎教授は一般論で、廣瀬教授は現実論だ。戦争は現実に起きている。正解は明らかだ。伊勢崎教授と廣瀬教授の間に、ロシアに対する認識に雲泥の差が有り過ぎる。実態を知らない無知が、誤った方向へと導くのがとても怖く感じる。
プーチンの会談の光景が異様だ。長さ10m以上もありそうなテーブルの両端に離れ会談する映像がよく放映される。マクロン仏大統領の時も、ラブロフ外相の時もそうだった。その時は、プーチンの権威主義か、それともコロナ感染が怖いのかと思っていた。ところが、JBpressの記事によると、物理的に遠く離れた着席位置には重要な意味があるという。説明の写真には、プーチンとゲラシモフ参謀総長、ショイグ国防相の会談の様子が映っている。例によって、プーチンは端に座り、参謀総長と国防相は反対側の端に座っている。参謀総長と国防相の前には大きなビデオカメラが設置されている。大きなビデオカメラは、両人への威嚇だという。もしプーチンの思惑に反する発言があれば、後にその映像を証拠に国家反逆罪に問う魂胆とのこと。更に、写真には写っていないが、壁一枚隔てた背後には両人を狙っているいくつもの銃口があるという。なるほど、プーチンとの物理的距離がある訳だ。両人は軍の実権を握り、声一つで軍隊を動かす力はあるが、今は丸腰。プーチンは軍とは別の護衛部隊を持っている。プーチンの号令一つで両人を蜂の巣状に出来る。プーチンの強権の実態が曝かれつつある。
ロシア国営テレビの生放送中に、プラカード「NO WAR(戦争反対)、プロパガンダを信じるな、この人たちはあなたにうそをついている」を掲げた女性が現れた。ウクライナ侵攻に反対するプラカードを掲げた女性の勇気を称える声が世界中に広がっている。テレビ局の有名アナウンサーの多くが既に辞めて海外に逃避しているというから、テレビ局内での反戦活動が始まっているのかもしれない。ロシアでは、この手の行為は最高15年の刑が科せられることになっている。この女性は即拘束され裁判にかけられ、SNSについて3万円の罰金で釈放され、プラカードについては今のところお咎めが無い。もしヤラセでなければ、その勇気を賞賛したい。でも、何もかも信じられないのがロシアの世界だ。ロシアのテレビは元KGBが支配し、生放送でも8分間遅れて流しているという。そうであれば、有り得ない放送だ。と言うことは、ロシアが意図的に流したことになる。反戦分子への見せしめか、国民のガス抜きか、言論統制していないというアピールか、それとも、市民は戦争に反対しているから経済制裁しないでくれという要求か、裏が有り過ぎてロシアの意図は読みようがない。でも何故戦争反対を英語表記NO WARしたのだろう。ロシア国民に対してアピールするならロシア語нет войныにすべきなのだが。
安倍元首相は、人を見る目が無いと熟々思う。2014年のソチ冬季五輪開会式ではロシアの人権侵害抗議のため主要国首脳は欠席したのに、出席した先進国の首脳は安倍だけだった。しかも、その直後にロシアはクリミヤ半島を併合した。言わばロシアの侵略に賛成したようなものだ。2016年には地元山口にプーチンを呼び、2島先行返還に舵を切り替えた。同時に「日露経済協力8項目のプラン」を策定し、ロシアへ経済援助をするようになった。だが何とその見返りに、2020年にロシアは憲法を改正して領土の割譲禁止を決定したのだ。これで憲法を再改正する以外返還の道は無くなった。ところが、来年度予算に「日露経済協力8項目のプラン」の21億円が計上されている。日本がロシアのインフラ整備を行ない、ロシアは浮いたお金をウクライナ攻撃に注ぎ込むという構図だ。しかし、岸田は「今後ウクライナの事態がどう変化するのか、これは予断を持って申し上げることはできない。よって今の状況で予算の修正ということは考えていない」と脳天気なことを言っている。結局、安倍は人を見る目も先を見通す力も無いが、岸田は決断する能力も無いことがバレバレだ。
北京パラリンピックが閉幕を迎えた。開幕前のロシアの突然のウクライナ侵略で、ロシアの参加の是非が問われた。当初パラリンピック委員会は、五輪と同様にロシアを国としてではなくROCとして参加させることに決めていたが、ラトビアなどがROC参加ならばボイコットすると表明したため、パラ委員会は急遽ROCとベレルーシの不参加に翻った。その後、北京パラリンピックはまるでウクライナ戦争など無かったかのように競技が行なわれた。だが果たして、ROC不参加の裁定は正しかったのだろうか。五輪パラリンピックは戦争とは無関係だと言うのは、きれい事過ぎる。ましてや、侵略国を除けばフェアーなスポーツの祭典だと言うのも、いいとこ取り過ぎる。そもそも平和だからスポーツを享受出来るのだ。パラ委員会には、2つの選択肢があったと思う。1つは、ロシアも参加させ、大会開催中侵略の是非に常に焦点を当てること。もう1つは、侵略を理由にパラリンピックを中止すること。いずれも、平和を求める活動になる。五輪・パラリンピック委員会は見せかけの平和がお好きのようだ。
福島原発の廃炉を研究する国際廃炉研究開発機構IRIDを解散する方向で検討されているという。IRIDは2013年に設立された技術研究組合で、東電を含む電力各社、東芝や日立、三菱系のプラントメーカーなどが参加している。所謂、オールジャパンで廃炉に取り組もうというかけ声で始まった。経産省は、この10年で700億円超の税金を投入してきた。IRIDを解散すると言うから、研究の目処がついたのかと思ったら、そうではない。これまでの研究が尽く失敗し、廃炉という怪物に手も足も出せないのだ。しかも、福島原発の廃炉技術が出来たとしても、他の老朽化原発の廃炉技術には利用出来ないことが分かったので、東電以外の電力会社はIRIDから脱走しようとしているのだ。結局、IRIDを解散し、後は東電1社でやれということになったようだ。まさに無責任の塊と言える。東電1社に任せておけば、永久に廃炉技術が出来ないのは火を見るよりも明らかだ。原子力を推進する経産省がやらなくて、一体誰がやるというのだろうか。
東日本大震災から11年が過ぎた。死者・行方不明者は2万2207人で、関連死は今も増え続けている。避難者は未だに3万人を超えている。復興予算はハード整備を中心に約31兆円が使われた。国は今年度からの5年間を「第2期復興・創生期間」と位置づけ、復興庁の予算の使い道は、風評被害対策を含めた原子力災害からの復興・再生に約8割。残りが被災者の心のケアや産業、なりわい再生にあてられる。予算はたったの6千億円弱で、復興が本格化した年度の2割に満たない。今年は政府主催の追悼式典は開かれないことになった。最早忘れられた出来事になりそうな気配だ。当時15歳だった男性が撮影した津波の動画が、YouTubeで1200万回再生を超え、注目されている。震災からの時の流れで「風化」を感じ、教訓を伝えようと、公開に至ったという。自分も見たが、改めて津波の怖さが迫ってくる。震災後、幾度となく津波の映像がテレビに流れた。でも、国内の映像は、全て津波に飲み込まれる人々の姿はカットされていた。マスコミは事実を報道しない。事実が報道されていれば、復興はもっと迅速に進んでいたと思う。
韓国大統領選は0.73%の僅差で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦が、左派系与党「共に民主党」の李在明にせり勝った。 尹氏の得票率は48・56%で、李氏は47・83%と0・73ポイント差だった。得票数でわずかに約25万票上回っただけだった。国を二分した選挙だったし、国会は左派系が過半数を占めているので、政権運営は容易ならざるを得ないことが推測される。尹氏は公約に、文在寅現大統領の罪を徹底的に追及するとしている。それにしても文在寅の大統領在任5年間は酷かった。文は公約に、強大な大統領権限を縮小する政策を挙げた。ところが、就任するやいなや縮小どころか、強力に権限の拡大を図った。その結果、国内政治と経済はメタメタになり、中国の属国化が進み、北朝鮮にはバカにされ、日韓関係も冷え切ってしまった。史上最悪の大統領と言えるだろう。李明博も朴槿恵も親日家だったが、窮地に追い込まれ反日へと変心した。新大統領となる尹氏は政治経験が無い。検察一筋に送ってきた。柵の無さが一条の光明だが、さて。
ウクライナ人は祖国を守るために命を賭けて戦い続けている。でも、橋下元大阪市長や玉川テレビコメンテェーターは、命が最優先だから降参した方が良いと主張している。そこにはウクライナと日本の現代的歴史観の相違がありそうだ。ウクライナは、ロシアと戦ったフィンランドとリトアニアの歴史を知っている。フィンランドは徹底抗戦し休戦に持ち込み、現在の独立国を得た。一方リトアニアは妥協してソ連の属国となり、再び独立するのに50年も費やした。ウクライナがリトアニアの轍を踏まないよう徹底抗戦するのは当然の事だろう。一方、日本は太平洋戦争で米国に負けた。日本が米国の第51番目の州になる可能性はあった。だが、米国の人口3億人に対し、日本は1億人もいて、日本を米国の州にするにはバランスが悪すぎた。だから、1国として存続させることにした。その代わり平和憲法で日本の戦力を無きものとして、国家よりも個人の命を大切にするよう洗脳した。そのため、今の日本人には、国を守るより命を守る方が大切という考え方が根付いてしまった。国とは己のアイデンティティーだ。国を守るか、己を守るか、どちらが崇高かは言うまでも無い。
現在、世界人口の71%が「独裁に分類される国」に住んでいると、スウェーデンと英オックスフォード大学の研究チームが発表した。政治体制を大きく、閉鎖型独裁、選挙による独裁、選挙による民主主義、自由民主主義の四つの類型に分けた。閉鎖型独裁は、中国や北朝鮮などで、国民が政府の最高責任者を選ぶ権利を持っていない。選挙による独裁は、ロシアやインドで、国民は権利を持っているが制約がある。選挙による民主主義は、ブラジルやインドネシアで、自由・公正で複数政党による選挙に参加する権利が保障される。自由民主主義は、米国や西欧や日本で、国民は法の下で平等であり、行政府の動きは立法と裁判所によって制約を受けるという状況にある。独裁型は109カ国で民主型は90カ国なので、独裁型の方が多い。人口で表すと独裁型が71%で民主型が29%となる。民主主義国家が、理想的かというと、そうとも言えないという。民主主義の先進国は、自国の政治に不満を抱いている国民が過半数を占めている国が多い。その主な原因は、自分たちが選んだ政治家に対する懐疑心だ。日本に住んでいると、世界は殆ど自由民主主義の国だと勘違いしてしまう。FACT FULNESSを再読する必要がありそうだ。
ロシアによるウクライナ侵略が止まらない。殆どの国が国際法違反だとロシアに武力行使をやめるよう求めている。だが、誰もプーチンを止められない。国際法は無力なのだろうか。20世紀初めまでの国際法では、戦争は合法だった。第2次世界大戦後、国家が武力を行使することを禁じた国連憲章2条が定められた。武力行使禁止原則には二つの例外がある。国連安全保障理事会の決議に基づいた軍隊による軍事的な制裁と、当事国の自衛権だ。自衛権には集団的自衛権が含まれている。この集団的自衛権が曲者だ。プーチンはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の集団的自衛権の行使だと主張している。この主張は無理筋だが、ベトナム戦争、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻も集団的自衛権の行使を名目に行われてきた。要は、大国による集団的自衛権の悪用なのだ。この国連憲章に載っている集団的自衛権を改正し、悪用を防ぐことこそ国連のやるべきことだと思う。
ギョッとした。東京マラソンのスタートラインに並んだ選手達の数にだ。その数1万9千人。大通りにギッシリと詰めかけスタートの号砲を待っている。東京都のまん防は今日までだったが、感染が収まらず21日まで延長されたというのに、この人混みだ。小池都知事は感染防止対策は万全だと言うが、万全など有り得ない。選手にはPCR検査や体調管理アプリのためのスマホ携帯を義務付け、これを持って万全と言ったようだ。でも、オミクロン株は感染力が強い。PCR検査後の感染もあり得る。一方、沿道の声援を控えるようアナウンスはされたが、要所では折り重なるように人が溢れていた。今はステルスオミクロン株に置き換わり、感染拡大が予測される時期だ。せめて昨年同様に小規模に行なうべきだったと思う。それでも強引に開催したのだから、せめて1万9千人が集合した結果の感染伝播状況をデータとして取り、今後の感染対策の一助にすべきだったと思う。主催者には、感染対策のため、何が出来るかという発想が無い。お祭りが無事終われば、良しとする主催者体質が問題だと思う。結局、東京マラソンから得られた利点は何も無かったということのようだ。
ロシアが戦況などに関する報道を国内で大幅に規制し始めた。ロ軍に関する虚偽の情報流布などに罰則を科す改正刑法にプーチンが署名した。虚偽情報かはロシア当局が判断する。最も重い刑は、禁錮15年、罰金500万ルーブルで、ロ軍の信用を傷つけるような活動にも最大で禁錮5年を科す罰則が設けられた。対象はロシア国内のメディアに留まらず外国メディアにも適用される。英BBCや米CNNなどが相次いでロシアでの活動停止を発表した。ロシア当局はツイッターやフェイスブックを遮断しSNSへの規制も強化している。一方で、国営放送はウクライナの状況を一切報道しないという。従って、ITに疎い老人は統制された国内放送しか知る由が無い。でも、若者はLINEに似ているTelegramというSNSが使えるようだ。Telegramは「消えるSNS」とも言われ、時間設定してデータを消すことが出来るので、当局の網にはかからないという。ここでハテ?と思った。プーチンは取り巻きから戦闘に関する偽情報を相当吹き込まれていて正確な戦況を知らないのかもしれない。とすると、この改正刑法で捕まるのは、プーチンの取り巻きたちかもしれないと思った次第。はたまた偽情報を流しているプーチン自身かもしれない。
プーチンがウクライナのゼレンスキー大統領の暗殺を傭兵に指示したとのニュースがあった。まさかと思っていたが、この1週間に3回の暗殺未遂があったが、計画は全て阻止されたという。暗殺の実行者は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵と、ロシア南部チェチェン共和国の独裁者カディロフ首長配下の特殊部隊。ウクライナ国家安全保障・国防会議の書記によると、ロシア連邦保安局内でウクライナ侵攻に不満を抱く者が情報をウクライナに伝えてくれたので未然に防げたとのこと。また、ロシアはヨーロッパ最大のザポロジエ原発を攻撃した。火災は鎮火したが、原子炉をコントロール出来ているかは不明だ。プーチンは、越えてはならない一線を越えてしまった。最早、プーチンは全世界にとって、凶悪な戦争犯罪者と言える。プーチンを拘束することが最優先されるべきだ。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まったのに、パーソンズ国際パラリンピック委員会IPC会長は何とロシアとベラルーシの大会参加を容認した。ところが、わずか一夜で判断を翻し、ロシアとベラルーシを大会から除外することになった。参加を容認した理由は、大会開幕直前など事情がある場合は国を代表しない中立選手として出場を認めるとしたIOC勧告に沿ったため。一方参加を除外した理由は、ロシアやベラルーシと競う各国がボイコットを表明し、大会そのものが成り立たなくなってしまうことが分かったためだ。IPCの参加容認はIOC勧告によるものだから、元凶はIOCの判断にある。北京五輪ではドーピング問題で国として参加出来ないロシアのプーチンが北京に来て開会式に参列した。しかも、バッハIOC会長は柔やかにプーチンを迎えた。平和とフェアを謳う五輪には似ても似つかぬ光景だった。恐らくバッハはパラリンピックでも、その延長線でロシアの参加を容認するよう勧告したのだろう。今のIOC幹部には、五輪本来の精神が全く失われている。IOC幹部を総取り替えするか、五輪を廃止するかの選択が必要だ。
ノーボスチ通信が2月26日午前ウェブ上に「ロシアと新たな世界の到来」という署名記事を掲載したが、すぐに削除したとのこと。ウェブ記事は一度掲載すれば、即削除しても誰かが保存する。削除しても後の祭りだ。記事は世界を駆け巡った。「ロシアと新たな世界の到来」の内容は「我々の目の前で新たな世界が生まれている。ウクライナ侵攻の目的は、東部の独立・平和維持ではなく、冷戦終結以降の国際秩序を変えようとするもの。侵攻から48時間で首都キエフを陥落してゼレンスキー政権を崩壊させた」というもの。図らずも、プーチンの頭の中が曝されてしまった訳だ。プーチンの言うネオナチによるジェノサイドなど、全くの詭弁に過ぎなかった。プーチンは、ただ昔のソ連に戻したいだけなのだ。この思考は中国と似ている。中国は、かつて領土であった歴史がある地域・国は中国のものだと主張している。歴史をつまみ食いして、他国を乗っ取る首領たちは極めて危険だ。世界が一丸となり立ち向かうことが、世界平和への第一歩と言えそうだ。
衆院本会議でれいわ新選組が、ロシア軍によるウクライナ侵略非難決議に反対した。ロシアの肩を持つのかと思ったら、そうではない。形式だけの決議は意味がないと主張している。ウクライナへの人道支援の拡大と、難民の受け入れと、プーチンの核使用発言に対し日本の首相が撤回を求めることを主張した。更に、戦争による原油高騰と物価高から国民を守るために、消費税減税、ガソリン税0%を主張した。最も真面な主張だと思う。ウクライナ侵攻が始まった時、岸田首相は「国際社会の秩序を乱す行為は容認出来ない。まッG7を始めとする国際社会と緊密に連携し対処していく」とコメントした。当面は高みの見物をして、G7の言いなりになりますと宣言したようなものだ。特に、途中に挟んだ「まッ」が、岸田の消極性を物語っていると感じた。すべからく国会議員は岸田の対処と似ている。それが国会決議に現れている。いずれ、マスコミや国民に急かされて、新選組の主張を実行させられることになるに違いない。立憲にも維新にも共産にも、新選組並みの前向きな主張が求められているのに。