ショルツ首相の爪の垢を

ウクライナ戦争について、岸田首相は「G7と共に」と様子見で相変わらずグダグダ状態だ。だが、ドイツのショルツ首相は違う。就任当時メルケルの後を引き継げるのかと思っていたが、あに図らんや、その実行力はメルケルを遙かに超えている。ロシアによるウクライナ侵攻直後のドイツ議会で、千億ユーロの軍近代化予算と軍事予算の増額及びノルドストリーム2の棚上げを表明した。さらにロシアの国際決済システムSWIFTからの排除、ミサイルと装甲車のウクライナへの援助、石炭と天然ガス備蓄の増強、カタールと米国からのLNG受け入れターミナル2つの建設などを打ち出した。ドイツのエネルギーはロシアの天然ガスに依存している。だから、ロシア制裁にはEUで最も消極的と思われていた。政策の抜本的転換を打ち出すのは容易ではない。恐らく首相がメルケルだったらこれ程の大転換は出来なかったに違いない。ショルツ首相の決断は、天晴れとしか言いようがない。岸田にショルツ首相の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。