相変わらず、岸田首相が看板政策として掲げる「新しい資本主義」が迷走している。いや迷走しているのは「新しい資本主義実現会議」で、未だに「新しい資本主義」の理念すらも見えてこない。岸田は、格差を広げたとされる新自由主義の修正や、中間層の拡大に向けた富の分配機能の強化を訴えた。その具体策が、株主への配当を従業員の賃金に振り返ることと、自社株買いの抑制だった。配当と自社株買いは、企業存続のために必須だから、金融界から猛批判を受け、株が暴落した。岸田は出鼻をくじかれ、それ以降「新しい資本主義」には口をつぐんだままだ。だが、理念も具体策も無いまま「新しい資本主義実現会議」は4回も開催されている。出席者は、何のための会議かも分からない。だから何を話して良いものかも分からない。官僚すらもお手上げ状態だ。山際経済再生相は「理念よりも各論を先行して」と支離滅裂で何の役にも立たない。賃金を上げるには、GDPを上げることだとは経済学者ならば誰でも知っている。いつになったらGDP議論にたどり着くのだろう。岸田と山際には全く期待は出来ない。残念。
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