無責任の塊と化した廃炉研究

福島原発の廃炉を研究する国際廃炉研究開発機構IRIDを解散する方向で検討されているという。IRIDは2013年に設立された技術研究組合で、東電を含む電力各社、東芝や日立、三菱系のプラントメーカーなどが参加している。所謂、オールジャパンで廃炉に取り組もうというかけ声で始まった。経産省は、この10年で700億円超の税金を投入してきた。IRIDを解散すると言うから、研究の目処がついたのかと思ったら、そうではない。これまでの研究が尽く失敗し、廃炉という怪物に手も足も出せないのだ。しかも、福島原発の廃炉技術が出来たとしても、他の老朽化原発の廃炉技術には利用出来ないことが分かったので、東電以外の電力会社はIRIDから脱走しようとしているのだ。結局、IRIDを解散し、後は東電1社でやれということになったようだ。まさに無責任の塊と言える。東電1社に任せておけば、永久に廃炉技術が出来ないのは火を見るよりも明らかだ。原子力を推進する経産省がやらなくて、一体誰がやるというのだろうか。