大国による集団的自衛権の悪用

ロシアによるウクライナ侵略が止まらない。殆どの国が国際法違反だとロシアに武力行使をやめるよう求めている。だが、誰もプーチンを止められない。国際法は無力なのだろうか。20世紀初めまでの国際法では、戦争は合法だった。第2次世界大戦後、国家が武力を行使することを禁じた国連憲章2条が定められた。武力行使禁止原則には二つの例外がある。国連安全保障理事会の決議に基づいた軍隊による軍事的な制裁と、当事国の自衛権だ。自衛権には集団的自衛権が含まれている。この集団的自衛権が曲者だ。プーチンはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の集団的自衛権の行使だと主張している。この主張は無理筋だが、ベトナム戦争、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻も集団的自衛権の行使を名目に行われてきた。要は、大国による集団的自衛権の悪用なのだ。この国連憲章に載っている集団的自衛権を改正し、悪用を防ぐことこそ国連のやるべきことだと思う。