カテゴリ:201509



30日 9月 2015
先日、アベノミクスは第2ステージに入るとして「新3本の矢」が発表された。「新3本の矢」とは、GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロ。ところが、第1ステージとは何の脈絡もない。出生率は数十年後のベース作りで、即経済活性には繋がらない。基本的な社会保障政策を作成することが重要だが、介護離職ゼロでは余りにも範囲が狭すぎてとても1本には数えられない。そもそも「新3本の矢」を言い出す前に「旧3本の矢」の狙いと成果についての総括が必要だ。大胆な金融政策をとったものの未だにデフレから脱却出来ていない。2年半経った今でもインフレ目標の2%は遥かに遠い。インフレ目標という設定が正しかったのかも検証されていない。最も肝心な成長戦略は何処に行ってしまったのだろう。民間投資を喚起するため健康長寿社会から創造される成長産業創出を目指していたはずだ。生産性向上のための構造改革は何処に消えてしまったのだろう。法人税減税で外国企業は増えたのだろうか。地方創生とは結局一時的なバラマキだけなのだろうか。実質賃金は期待通りには上昇していない。消費は低迷している。設備投資も輸出も増加していない。これらを検証する機能が無いことがアベノミクスの最大の欠点だと思う。結局アベノミクス6本の矢とは、その場限りの思い付きを政策という形にしただけ。そしてそれを喰い散らかしたに過ぎないようだ。サルでも反省すると言うが、果たして安倍首相は反省するのだろうか。しなければサル以下ということになるのだが。
29日 9月 2015
いま世界では不作為と作為の罪が蔓延しているようだ。不作為と作為の罪とは、すべきことをせず、すべきでないことをする罪。FRBのイエレン議長は、ゼロ金利政策を今年中に止めると言い続けてきたが、今も躊躇している。おそらく年内の利上げは無いだろう。米経済界から見れば不作為であり、年内にはと言いながら実行しないことは作為に違いない。国連の潘事務総長は、周りの重責を韓国人で固めただけではなく、国連を機能不全に貶めている。まさに不作為のなす業だ。一方で中立であるべき事務総長は中立を離れ、心は韓国次期大統領のための布石行動に傾斜している。作為そのものだ。EUは、フォルクスワーゲンのダーティ・ディーゼル犯罪を数年前から知っていたが、見て見ぬ振りをしていたとのこと。これはまさに表裏一体の不作為&作為の代表例と言える。この種の例を挙げると切りが無い。でも、目立つ人だけが不作為と作為の罪を気を付ければ良いと言うものではない。誰しも自分自身が、いま自分は不作為と作為の罪を犯していないだろうかと振り返ることが、明日への活力を生み出すような気がしてならない。
28日 9月 2015
ヒラリー・クリントンが習近平主席に対しツイッターで「shameless」と呟いた。実にスカッとする爽快な一言だと思う。習主席が国連本部で「女性サミット」を主催したことに対する強烈な呟きだ。ヒラリーは、中国では女性への迫害が行われている状況下で、習主席が女性の権利や教育支援策などを演説したことに我慢ならなかったようだ。「shameless」とは、恥知らずの、破廉恥な、ずうずうしい、という意味だから、一国のトップに対して言う言葉としては最高の侮蔑語といえるだろう。習主席は言う事とやる事のギャップが有り過ぎる、と言うよりは正反対。中国は少数民族を大切にすると言いながら弾圧する。覇権主義には進まないと言いながら南シナ海を制覇しようとしている。本来世界の首脳達は中国に対し自制をかける立場にある。ところがキャメロン首相やオランド大統領のように、中国経済の恩恵に肖りたくて、口をつぐむ者が殆んどだ。小学生ではあるまいし、少しでも悪口を言ったら遊んでくれないとでも思っているのだろうか。言うべきことは言うのが指導者としての資質だと思う。「shameless」という呟きで、世の中まだまだ捨てたものではないなと感じた次第。
27日 9月 2015
オーストラリアではコアラ700頭、カンガルー5万頭を毎年間引きしているという。コアラを間引く理由は、過剰生息が餓死につながるからとかいう屁理屈だ。昔はコアラの毛皮を取るため狩猟が行われ絶滅の危機に瀕したが、その後保護政策が採られ今ではオーストラリアに観光客を招く福の神になっている。カンガルーの総数は減り続けているようだ。それでも牧場や農園を荒らすという理由で毎年カンガルーを大量に射殺したり撲殺したりしている。オーストラリアと言えば、日本の捕鯨を目の敵にしていることで有名だ。いつもシー・シェパードが登場し、鯨を保護することを口実にヒトに害を与え続けている。オーストラリアはシー・シェパードを支援している。どうやらヒトの命よりも鯨の命を大切にする国のようだ。しかし40年前頃まではオーストラリアの捕鯨は盛んだった。しかも鯨油をとるためであり、ヒトの食糧に供するものではなかった。だが鯨油に替わる石油が見つかり捕鯨は衰退し、今はホエール・ウオッチングに鞍替えしている。コアラを殺しても良いが、鯨はダメという理由が良く分からない。鯨がダメと言われると、何故オージービーフはいいのと問い返したくなる。オーストラリアも歴史を振り返れば、自分に都合がいいように揺れ動いているだけに見える。捕鯨に反対の意見を表明するのはよい。しかし意見を通す為強引な政治力や暴力を駆使することは間違っている。何処の国でも、自国だけが正しいと思い込むのは買い被りというものだ。
26日 9月 2015
習近平主席が訪米しオバマ大統領との会談が始まった。ニュースによると、メインは南シナ海の領有権問題とサイバー攻撃疑惑。南シナ海については、中国が東南アジア諸国と問題を起こしながら着々と埋立てして軍事拠点を築いてきた事実は誰でも知っている。既に滑走路も港も完成した今になって、オバマが問題視する意図は何なのだろうか。もしオバマが南シナ海の領有権を本当に問題視していたのであれば、中国が着手した時に強烈な行動をとっていたはずだ。結局この問題は互いに自説を主張しただけで物別れに終わり、会談する価値もなかった。米国が中国政府にサイバー攻撃をかけているのは自明の事実だ。一方中国がサイバー攻撃で米国の民間企業の秘密を盗んでいるのも事実。互いに益になると思われるデータを盗んでいる。謂わば米国も中国も盗人なのだ。その盗人同士が互いにサイバー攻撃はしていないと否定しながら、サイバー攻撃の相互禁止を約束する構図は奇妙奇天烈に映る。今後も相互禁止が守られるはずはない。笑顔で挨拶を交わしながら足を蹴り合う構図は変わり様もない。何の為の首脳会議だったのだろうかと残念に思う。習近平が購入したボーイング300機は単なる手土産ではないだろう。爆買いの見返りは何だったのだろうか。会談が終わりその見返りが見えてきた。習近平が「南シナ海は中国古来の領有だ」と米国で発言出来た見返りに違いない。世界的見地からすると、成果も内容も無い米中首脳会議であったと思う。
25日 9月 2015
テレビ番組で刑事物ドラマが流行っている。我が家では録画してCMを飛ばしながら見ることにしている。内容がテンポ良くシリアスなもので犯人を推定していくものであれば最後まで見るが、おちゃらけが混じっていると白けてしまい途中で消してしまう。最近の傾向は物語自体が無理スジなものが多くなり質が落ちてると思う。特に、実は犯人は警官だったという禁じ手ものも多くなり、見終わってガッカリしてしまう。ところが、最近は現実に警官による犯罪が増え新聞を賑わしている。つい先日朝霞市では現職の巡査部長が強盗殺人で逮捕された。大阪市では現職エリート警官が集団強姦と監禁で逮捕。船橋市では何と警視が万引。埼玉県では警部が電車内で痴漢。連日のように警官による犯罪が起きている。テレビの「禁じ手」が、決して「禁じ手」ではなくなっているのが現実のようだ。まさか現職の警官がテレビの影響を受けた訳でもあるまい。最近は現場の警官が減り事務職の警官ばかりが増えているという。現場で成績を上げるより、筆記試験の方が昇進の近道になっているからだ。だから人一倍犯罪に敏感なはずの警官が、一般市民並みの感覚になってしまっているのかもしれない。こんな状況が続くとエスカレートするのは必至だ。ひょっとすると近い将来警視庁犯罪実施課などという課が活躍する刑事物ドラマが生まれるかもしれない。くわばら、クワバラ。
24日 9月 2015
政府は外交強化のため、各省庁が個別に管理していた知日派リストを省庁横断で共有することにしたとのこと。今までは各省庁が日本に招いた海外の知日派や親日派を個別にリスト化していただけだった。これを外交目的に活用するという観点はなかったようだ。こういう草の根人脈は結構威力を発揮するものだ。部下が「その人は僕の叔父です。名刺もあります」と言うと上司が「それ、早く言ってっよぅ」というテレビCMがある。会社全体で名刺情報を共有し仕事に活用するシステム商品のCMだ。人脈は個人の財産との考え方は古い。今では大手商社にも導入されているようだ。もう数十年も前の話になるが、自分が会社勤めしていた時のことだ。産学協同が脚光を浴び、全社レベルで各個人の関わりのある理系大学教授がリストアップされ、研究開発に活用されたことがある。当時は勿論アナログの集計ではあったが役に立ったようだ。民間では数十年前から草の根人脈を活用している。今頃になって共有化する政府は時代に遅れているし、縦割り行政の弊害とも言えそうだ。だが遅きに失したとは言え、やらないよりはやった方が良い。まあ一歩前進と言った所だろう。
23日 9月 2015
電車内での携帯電話使用ルールが見直されるようだ。車内放送では、しつこいくらい「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」とのアナウンスが繰り返されている。現行の総務省の規定は、携帯を心臓ペースメーカーなどの医療機器から15cm以上離すこととしている。総務省は今回の実験で殆んど誤動作しないことを確認し、日常生活で携帯を近づけても心配はいらないという見解を示し指針を改定した。それを受け東日本の鉄道各社は「混雑時のみ」に変更するようだ。もっとも関西では1年前から変更しているのだが。ルールが少しは緩和されたが、これでも過剰な規制のように思う。もし携帯がペースメーカーに電波障害を起こすのならば、真っ先にしなければならないことは、ペースメーカー装着者の携帯使用禁止だ。だからいつも車内放送を聞くたびに、ペースメーカーにかこつけて、携帯オフを促しているものだと思っていた。ただ今回のルール変更で良い事もある。ペースメーカー装着者が携帯の不安から免れることだ。これからは安心して電車に乗ることが出来るだろう。総務省は指針の改定を知らせる順番を間違えている。まずはペースメーカー装着者に携帯が問題ないことをお知らせし、それならば、車内ルールの変更もと進むのがスジというものだと思う。
22日 9月 2015
自動車世界販売台数1位であるフォルクスワーゲンVWの不正が発覚した。ディーゼル車の排ガス低減機能ソフトを検査の時だけ稼働させる仕組みになっていて、通常走行時のNOX排出量は約40倍にも上るという。40倍もサバを読んでいたようだ。ただ、その規模が半端ではない。全世界で1000万台以上、リコール費用約8700億円、株価は30%下落、米国だけでも大気浄化法違反で最大2兆円の罰金を科される可能性があるとのこと。CEOは「世界の信頼を裏切ったこと大変心苦しく思う」とコメントしているが、退陣は免れないだろう。信頼回復には年単位が必要だと言われている。極めて深傷だ。VWと言えば、つい先日スズキが資本業務提携の解消をしたばかり。VWはスズキの低価格小型車の開発ノウハウを、スズキはVWの環境技術の提供を得ることが目的だった。ところが、スズキは環境技術を得られないばかりか、契約違反の経営上子会社扱いをされ契約を解消した。VWは何故狂ってしまったのだろうか。長いこと繰り広げられていた社内抗争が元凶なのかもしれない。VWはヒトラーの国民車計画から始まった国民車フォルクスワーゲンだ。ひょっとしてヒトラーの亡霊が現れ店仕舞いをしようとしているようにも見える。少なくとも、クリーンディーゼルはクリーン化競争から脱落し、ダーティディーゼルとして後世に汚名を残すのかもしれない。
21日 9月 2015
日本ではマイナーになってしまった競技がいま一躍脚光を浴びている。この1週間男子バレーボールがW杯で予想外の健闘をしている。特にNEXT4の石川選手と柳田選手の活躍が目覚ましい。でもその若手を支えているのがセッターの深津選手だという所がまた素晴らしい。会場に詰めかけるファンの数が想定外の大入りとのこと。我が家でも、初めて連日テレビ中継を見入ってしまった。若い人が予想に反して世界レベルの活躍をするのを見るのは極めて爽快だ。今日は更にあり得ないようなニュースが飛び込んできた。イングランドで行われているラグビーW杯のグループリーグで、何と日本が世界3位の南アに34-32で歴史的な勝利を果たしたという。終了間際に同点にするか、勝つかの二択があったようだ。今まで勝ったことのない日本選手の気持ちになれば、誰しもまずは同点を目指したはずだ。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチはスタンドから同点を目指すキックを指示したが、選手たちは勝つためのスクラムを選択したとのこと。ジョーンズコーチといえば、日本ラグビーを世界レベルに引き上げた立役者だ。謂わば神のような存在だ。その神のお導きを無視し、選手自身が決断した勇気が素晴らしい。決断の裏には、モサ達が逃げ出すくらいの地獄の特訓があったことを後から知った。まさに自立した選手が生まれた瞬間だったと思う。「勇気を与えてくれた」という言葉を時々耳にするが、まさに今週のバレーもラグビーも日本中に勇気を与えてくれたと思う。

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