新旧6本の矢

先日、アベノミクスは第2ステージに入るとして「新3本の矢」が発表された。「新3本の矢」とは、GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロ。ところが、第1ステージとは何の脈絡もない。出生率は数十年後のベース作りで、即経済活性には繋がらない。基本的な社会保障政策を作成することが重要だが、介護離職ゼロでは余りにも範囲が狭すぎてとても1本には数えられない。そもそも「新3本の矢」を言い出す前に「旧3本の矢」の狙いと成果についての総括が必要だ。大胆な金融政策をとったものの未だにデフレから脱却出来ていない。2年半経った今でもインフレ目標の2%は遥かに遠い。インフレ目標という設定が正しかったのかも検証されていない。最も肝心な成長戦略は何処に行ってしまったのだろう。民間投資を喚起するため健康長寿社会から創造される成長産業創出を目指していたはずだ。生産性向上のための構造改革は何処に消えてしまったのだろう。法人税減税で外国企業は増えたのだろうか。地方創生とは結局一時的なバラマキだけなのだろうか。実質賃金は期待通りには上昇していない。消費は低迷している。設備投資も輸出も増加していない。これらを検証する機能が無いことがアベノミクスの最大の欠点だと思う。結局アベノミクス6本の矢とは、その場限りの思い付きを政策という形にしただけ。そしてそれを喰い散らかしたに過ぎないようだ。サルでも反省すると言うが、果たして安倍首相は反省するのだろうか。しなければサル以下ということになるのだが。