2017年3月

ギャンブル依存症対策の愚

カジノ目的のIR整備推進法が施行されたことを受け、ギャンブル依存症対策の関係閣僚会議が開かれ、包括的な対策の概要が決定されたとのこと。競馬など公営ギャンブル施設にあるATMのキャッシング機能廃止や、本人や家族の申告で入場制限や馬券の購入額を制限する仕組みの構築、症状に対応する専門的な医療体制の整備などが柱のようだ。政府はこの概要を基に、具体的な実施方法を今夏に取りまとめる方針とのこと。この他にも、パチンコの出玉規制強化や、高校の保健体育でギャンブル依存症の啓発を行うことなどが盛り込まれている。警察庁は遊技の射幸性を抑制するためパチンコの出玉規制の基準を見直す方向で検討を始めたとのこと。でも何か変だ、と言うよりは、とても変だ。もし競馬場にATMが無くなれば、人によっては多額の現ナマを持って行かなければならない。現ナマが溢れれば、当然窃盗やスリが横行する。それらの犯罪を増長させる政策とも言えそうだ。ギャンブル好きは金をとことん注ぎ込むのが性分。たとえ誰が制限設定しようが、何とかそれをすり抜けるものだ。だからこそ、ギャンブラーと言われる由縁だ。ギャンブラーの気持ちを止める施策にはなっていない。一方で何故警察庁がパチンコの出玉などを規制するのだろうかと疑問に感じる。元来パチンコは違法状態にある。でもパチンコ業界は警察官僚の天下り先になっている。パチンコ業界と警察はツーカーの仲だ。その警察がパチンコの出玉を管理するとはお笑い種で落語の落ちにもならない。ギャンブル依存症を絶つ唯一最大の方法は、国営のギャンブルを止めることだと思う。賢い国民は、関係閣僚会議のギャンブル依存症対策などまやかしに過ぎないことを理解している。誠にガッテン!

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英国の強さ

英国がEUに対し正式に離脱を通知した。2年の交渉期間を経て、英国は44年にわたって加盟してきたEUから離脱することになる。昨年6月の国民投票で離脱派が勝利したものの、多くの若者が残留を望んでいたことが分かり、離脱に投票した年寄りたちは若者の気持ちを知っていれば残留を選んだという意見が多かった。しかし投票結果は投票結果だ。その後粛々と離脱のための作業は進んでいた。英国を除くEU加盟27カ国は、欧州統合60年を記念する式典を開き、改めて結束を確認したが、英国に続く離脱希望組は目白押しだ。これから所謂ドイツ合衆国の崩壊が始まるかもしれない。一方英国内も一枚岩ではない。9カ月前の国民投票ではスコットランドが離脱に猛反対していたが、今では北アイルランドもウエールズも反対に回っている。外国企業がロンドンからEUに拠点を移す計画も進んでいる。そのため人材募集も縮小している。ポンド安の恩恵を受けて景気が良かったが、急激な物価上昇で景気の悪化の恐れがある。更に先日の議会襲撃テロで、観光業の先行きが暗くなっている。もし、今の時点で国民投票を行ったら、間違いなく残留派が勝つに違いない。だが、英国は民主主義の国で、かつ頑固な性分だ。メイ首相は残留派だったが、首相に選ばれ離脱を推進している。一度決めたら最後まで突き進む。進み終わったところで、新規な道を探し始めることになるのだろう。その頑固さに国の強さを感じるのは自分だけなのだろうか。

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大塚の悲劇

2年前のお家騒動で父親を追放して経営の実権を握った久美子社長の大塚家具は赤字に転落し、一方追い出された父親は匠大塚を創業し経営は順調とのこと。大塚家具は従来の高級路線から中級路線に切り替えた。今はニトリなどの品質も良く廉価な家具が市場に溢れている。中級中価格は中途半端だ。商品価値を争うには無理がある。しかも今までの会員制を止めてしまったから、上客が寄りつく訳が無い。店はいつもガラガラだ。一方匠大塚は、従来の高級路線を踏襲しリピーターも取り込んでいる。需要の伸びは望めないが、商売が順調なのも頷ける。大塚家具の経営戦略には元々問題があるが、もう一つ大きな問題があるようだ。Business Journalによると、現在、大塚家具では社内ブラック化が進行中とのこと。社員も取引先も匠大塚に流れるため、社長が必死に食い止めのプレッシャーをかけている。ガラス張りの社長室は「地獄部屋」と言われている。社員が怒鳴られている光景は日常茶飯事。業績の悪化を全て社員の所為にしている。挙げ句の果て「バカじゃないの?」を連発する。兎に角テレビ取材を受ける時の外面と社内での実像は別人格とのこと。こんなリーダーの元で会社が元気になる訳が無い。特に大塚家具の社員は、接待業のエキスパートだ。人を見る目は肥えている。あと1年後には、社員が去り社長一人になっているか、社員が残り社長が替わっているかの何れかに違いない。

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医は算術か

京都府立医科大の学長が辞任した。2月の学長選挙で再選を果たし、4月から3期目が始まる直前だった。暴力団総長の入監を遅らせるために、虚偽診断書を作成したのがバレたためだ。虚偽診断書等作成罪が成立し、3年以下の禁錮または30万円以下の罰金刑が科せられることになる。医師が公務所に提出する診断書に虚偽を記載すると重い罪になる。京都府立医科大病院といえば、京都で1、2を争う大きな基点病院だ。何故そんな大きな病院の学長がリスクを犯したのだろう。理由は、学長選挙と腐れ縁にあるようだ。学長を続けたいがために、暴力団の力を借りたということだ。とんでもない学長だと思う。元々一般的に病院と暴力団には強い繋がりがあるようだ。生活保護などの偽診断書や、クスリの横流しなどが暴力団の資金源になり、病院はそのお零れに与っているという構図のようだ。病院と政治家の構図も同じだ。昨年は口利きで絶体絶命の窮地に立たされた甘利元大臣が、急病ということで急遽入院し、国会を長期に欠席し追求を逃れた。勿論、今は何事も無かったようにケロッとしている。甘利の入院費用はどれ程だったのだろうかと調べてみたくなる。医は仁術とは言うものの、医は算術の方が実態に合っているようだ。残念。

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委ねることの難しさ

悲惨な事故が起きた。那須スキー場で多くの高校生が雪崩に巻き込まれ心肺停止だという。栃木県高校体育連盟が主催し、毎年この時期に開いている講習会での出来事のようだ。今日の午前中、悪天候のため茶臼山への登山を中止し、スキー場でのラッセル訓練に切り替えたが、不幸にもそこで雪崩が発生した。そして昼の情報バラエティ番組で、急遽情報が放送された。自分は山登りなどは好きでは無いから、山の事は良く分からないが、日本山岳会の○○という人が解説をしていた。事故の詳細がまだ分からぬ内から、その人は言う。この所寒暖が繰り返し表層雪崩の危険があった。今日は大雪・雪崩などの注意報が発令されていた。シーズンが終了したスキー場は、特に雪崩が起き易い場所だ。ビーコン(電波発信器)を持っていなかったのだろうか。この専門家は立ち所にそう言う。恐らく登山家の常識なのだろう。夜になって、誰一人もビーコンを携帯していないことが判明した。今後、事故に至る経緯・要因は解析されるだろうが、少なくとも、この人の言う山の常識が実行されていれば被害は最小に食い止められていたのかもしれない。親として自分を振り返ると身震いがする。次男は体育会系の大学に入り、泳ぎは上手くないのに海を数km遠泳したと聞いたことがある。その時は、何の心配も無く「凄いね」と褒めたが、今になるとゾッとする。指導者を信じて委ねることは、気安い行為では無い。

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遅れている高校野球連盟

春季選抜高校野球大会で珍事が起きた。1日2試合連続で延長15回引き分けになり、再試合となった。春夏通じて初めてとのこと。滋賀学園vs福岡大大濠と高崎健康福祉大高崎vs福井工大福井。15回も続いた激闘だから、選手も必死だったろうし、応援する方も手に汗を握ったに違いない。福岡大大濠の三浦投手は196球を投げ完投した。福井工大福井の摺石投手は11回までに193球も投げた。共に凄いスタミナと気迫だと感心するが、これ程多投しても良いのだろうか。野球の世界一を決めるWBCでは、投手の球数は制限されている。延長11回に入れば、無死1・2塁から始まるタイブレーク制が採用されている。プロ中のプロの試合でも、選手の体力負担の軽減化が図られているのに、高校野球では未だに全く配慮されていない。寧ろ根性論が幅を利かしている。プロに較べれば高校生の身体はひ弱だ。ひ弱な身体を酷使させる高校野球連盟は一体何を考えているのだろうかと思う。折角の逸材でも高校時代に酷使してしまうと、プロになっても活躍は長続きしない。高校野球連盟が逸材を潰しているとも言える。高野連には、世界の野球界を俯瞰しルール改正を提案出来る人材の導入が必要だ。

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「踏み絵」と「忖度」

日本語の解釈・意味が変りつつあるようだ。「踏み絵」とは、ある事柄への該当者や反対者を燻り出すために用いる道具や手段をいう。自民党都連が小池都知事に都議選決起集会の招待状を送った。小池は自民党籍を持つ一方で、小池地域政党から多数の候補者を擁立する方針。自民は小池の態度を明確にするための踏み絵だと言っている。だが、小池は既に以前から自民に進退伺いを提出している。ボールは既に投げられて自民の方にある。小池の党籍を決める踏み絵は自民にある。その踏み絵を踏まずに、集会の出欠が踏み絵だと言うのは話の筋が通らない。自民は「招待状」ではなく「先送り状」を送るべきだった。「忖度」とは、他人の気持ちを推し量ることだ。森友学園問題で、安倍首相は「財務省が忖度していないことは明らかだ」と発言した。それに対し、松井府知事が「忖度が無いと強弁し過ぎている。良い忖度と悪い忖度がある。首相は悪くない忖度があったと認めるべきだ」と発言している。両者の「忖度」に関する理解が、対照的で面白い。安倍は、忖度を無言の圧力と捉えている。だから忖度などは無かったと弁明している。一方、松井は、忖度をアリバイ作りと考えている。政治家が官僚に対し、直接的な言葉で指示しなければ、火の粉を被ることはないと言っているも同然。政治の場で「忖度」という言葉が出た時点で、政治は腐敗している。政治家は、間違っても「忖度」などの言葉を使ってはならないのに。

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日本科学研究の失速

日本の科学研究は失速しているという記事があった。果たしてそうなのだろうか。Nature Indexによると、日本の科学成果の発表の水準は低下していて、この10年間で他の科学先進国に後れを取っていることが明らかになったとのこと。Nature Indexは、高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合は、2012年から2016年にかけて6%も下落していると指摘している。中国が台頭し、米国と日本が相対的に下落したからとは言えるが、なかでも日本の下落状態は異常なようだ。10年前と比較すると、日本の強みである材料科学および工学の減少が大きく、特に計算機科学の落ち込みは極めて大きいとのこと。増えているのは、医学、数学、天文学の3分野だけ。だが、じっくり考えてみよう。論文のシェア-などは相対的な値だ。科学の進歩に伴い、世界的に論文数は指数関数的に増えている。当然だと思う。その増える中で、日本だけが相対的に増えていないだけだ。では論文数は何に比例するのだろうか。勿論、本人のやる気が大事だが、国の後押しがものを言う。答えは明らかだ。国が科学を後押ししていないから、後れを取っているという事だ。一方先日、科学者の代表機関である日本学術会議が、軍事転用目的の研究を行わないことを声明した。でも実際に科学研究を軍事の有無に色分け出来るだろうか。出来るはずが無い。現在のIT化社会は、軍事技術の民間転用の結果と言っても過言ではない。日本学術会議は頭が狂っているとしか思えない。

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AB劇場の第二幕

以前にAB劇場の第一幕を書いたが、プロローグを書き忘れたので、それを継ぎ足し第二幕を書くことにした。プロローグ:2012年2月ABが総理に返り咲く少し前のことだ。ABと維新のH市長、M知事と日本教育再生機構のY理事長は「戦前の教育こそが日本人のアイデンティティーを育てる」ことで一致していた。そこに戦前教育を実践するM学園のK理事長が現れ、小学校を作りたいという。M知事は、学校創立要件の規制緩和を行い、極めて短期間で「認可」のお墨付きを与えた。だがK理事長には資金が足りない。そこでA夫人とAS財務相の番頭であるK代議士に依頼し、格安で土地を手に入れることに成功した。K理事長はABに感謝し、校名をAB記念小学校にしたいと申し出た。断られたが、ABからは100万円の寄付が得られる仲だった。第一幕:時価9億円の土地が1億円で売却されていた事実がバレ、騒動が持ち上がった。第二幕:問題が発覚するや、K理事長と共に小学校設立に力を貸してきた政治家・官僚の協力者たち全員が、蜘蛛の子を散らすように去り、K理事長とは面識も無いと言い出した。規制緩和を行ったM知事は、何と認可出来ないと宗旨替え。梯子を外されたK理事長は怒り心頭に発し、国会や記者会見で内情の一部を暴露した。物語としては面白いが、所詮は「日本会議」仲間の内輪もめ、いや仲間割れだ。K理事長、ABと財務省、維新のM知事の三つ巴。事実を早急に究明し、早く幕を下ろしてほしいものだと思う。いや、ひょっとすると、もっと大きな幕が下りるかもしれない。

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幸福度51位、でも幸福低下率は20位

一昨日の3月20日は、国連が定めた「世界幸福デー」だった。世界の155カ国を対象にした幸福度ランキングが発表された。記事には「幸福度は、GDP、健康寿命、汚職の無い社会、他者への寛容さ、人生を選択する自由などから割り出した」と書いてある。ここで疑問が生じた。GDPと健康寿命は数値化出来るが、汚職や寛容さや自由を如何にして数値化するのだろうかと。調べてみると記事が間違っている事が分かった。幸福度とは、国連が各国の国民に幸福度のアンケートをとって集約したものなのだ。例えば、10段階評価で「自分にとって最高の人生」を10、「自分にとって最低の人生」を1とすると、現在あなたはどの段階にいますか?という具合のアンケート。それを集約し、各国の平均値を算出し、数字の順に並べただけのものだ。GDPとか汚職とかは、国連がその数値を説明しようと試みたもの。単なる後付け説明なのだ。だから、日本が53位から51位に順位を2つ上げたなどと喜んでも何の意味もないのだ。ただ分かるのは、北欧の国々の国民は「自分が幸福だ」と思っている人がが多く、アフリカでは「不幸だ」と思っている人が多いということだ。2005年~2007年の値と2014年~2016年の値を比較したデータがある。それによると、日本は-0.447で、この10年間で幸福度が低下しており、しかもその低下率は世界の20位で、不幸になったトップグループにいるのだ。順位が2つ上がったと喜んでいる場合ではない。

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討論バラエティ番組の良さ

 

昔は深夜遅くまでテレビを見たものだ。田原総一朗が牛耳り、西部邁らが反論する「朝まで生テレビ」は面白かった。色々な角度から見た意見・考察に感心し興奮したものだ。「朝まで生テレビ」は今でも毎月最終金曜の深夜に放送されているそうだが、夜遅いので今は見ることは無い。昨日は討論バラエティ番組「橋下×羽鳥の番組」を初めて見て、嘗ての「朝まで生テレビ」の興奮を思い出した。討論内容は、森友学園と石原元都知事の百条委員会。橋下は、今や森友問題の元凶にいる維新の中枢なのに、それはオクビにも出さず蕩々と発言していた。猪瀬も都知事としての当事者だ。問題の核心にいる当事者たちが、第三者的に話すのも滑稽だが、話は上手い。内容は兎も角、迫力もあるし説得力もあった。小林よしのり、音喜多駿、森永卓郎らは霞んで存在すら無かった。命を張っていない者の典型なのだろう。一方、堀潤の司会は抜群だった。この番組で最も真面な人物に思えた。福島原発事故を批判し、NHKを退職した堀潤はやはり只者ではないと感じさせた。最近は、お笑い芸人ばかりが登場して、本人達が楽しむ詰まらない番組が多すぎる。テレビは、討論バラエティ番組をもっと増やすべきだと思う。多角的に社会の問題を取り上げ議論させれば、問題の深掘りが出来、世の中が真面な方向に変っていくに違いない。更に望めば、問題の当事者同士の激論こそを戦わせるべきだと思う。それが出来れば、自ずから道は拓かれる事になるはずだ。

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社会の垢

今日は春分。春分は1年に1度しかない日だが、その1度しかない春分の日だけ運行するバス路線があるという。京都バスの95系統だ。大原から、江文峠、市原、貴船口を通り、鞍馬に至る路線。大原と鞍馬と言えば京都の2大観光地。当初は休日運行だったが、利用者が伸び悩み年1回の運行になったとのこと。常識的に考えれば、利用者が減れば路線を廃止すれば良いと思うのだが、バス会社から見れば簡単にハイ!廃線とはならない事情があるようだ。バス路線を新設するには、国交省に申請し、沿道の住民や警察と協議した上でバス停の位置を決めるといった手続きが必要になる。路線を廃止してしまうと、いざ復活となっても同じ手続きをやり直さなければならなくなる。たとえ年に1本でも運行していれば、路線を廃止せずに維持することが出来るのだ。そういえば、我が家の近くを通るバス路線も同じだ。半世紀前に通っていた高校へは、1時間に4~5本のバスが運行していた。ところが、最近では1日に数本しか運行していない。利用者にとっては、実質ゼロの運行でバスは当てにならないのが現状だ。でも、昔ながらの停留所は無くなっていないし、バス路線も存在している。この種のものは、社会の垢だと思う。元々垢は擦って洗い流すものだ。垢という利権を残すから、不潔になる。社会全般に同じ理屈が成り立つように思うのだが。

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有害なG20

G20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)は、焦点だった「反保護主義」を共同声明に明記できないまま閉幕した。保護主義による貿易停滞は米国を含む世界経済の成長を阻害するというのがG20が共有してきた基本認識だった。これまで毎回保護主義反対を謳ってきたというのに、様変わりしてしまった。原因はトランプ大統領の強烈な保護主義政策。米国の一大統領が一言吠えれば、G20の財務相など吹き飛んでしまう。何ともはや、全く頼りにならない連中だ。どの面を下げて、一国の財務を仕切っているのだろうかと疑ってしまう。だが、トランプは自由貿易を全面的に否定している訳ではない。トランプが、米国にとっての公平さを他国に押しつけようとすることが問題なのだ。G20は反保護主義の旗を降ろすべきではなかった。自由貿易主義を貫き「米国にとっての公平さ」とは何かを徹底的に議論すべきだったと思う。G20はトランプを諭すチャンスがあったのに、反対に増長させてしまった。無用というよりは有害なG20に成り下がったと言える。歯止めがなくなり、世界の各国が我先に保護主義に走って行きそうだ。

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ニュースの信憑性

横浜市の首都高横浜北線が18日全線開通したとのニュース。どの程度利便性が改良されたのだろうか。具体的に、どう活用出来るのかと思った。首都高横羽線生麦JCTと第3京浜道路横浜港北JCT間を東西につなぐ8.2キロの道路で、開通により横浜市北部から羽田空港や横浜港へのアクセスが向上し、新横浜駅周辺から空港までの所要時間は約10分短縮され、30分程度となると書いてある。ところが、どのニュースを見ても、開通式のテープを切る写真は載っているが、肝心の道路図が載っていない。テレビや新聞が、如何に読者の気持ちに寄り添っていないかを痛感した。よくよく考えてみて納得した。記事の出所は通信社だ。新聞社が一つひとつ丹念に足を使って情報を集める訳ではない。新聞各社は通信社の記事を、そのまま転載するだけ。だから、この種のものは各社同一の記事になるという次第だ。お気楽な商売だと思う。各新聞社は、記事の信憑性をどのように担保しているのだろうかと、少し不安を覚えた。新聞やニュースの内容が正しいとは限らない。些細な事だが、そういう目で見るべきだと感じ入った。

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赤い章と黒い章

NHKの「スリル・赤の章」の第4回が終了した。我が家は、刑事物、推理物のテレビドラマが好きだ。スリルに出てくる瞳こと小松菜奈はあまり演技が上手いとは思えない。だがカミサンは夢中になって観ている。何故なら、小松菜奈が次男の孫に顔と仕草が似ているからだ。自分もそう思う。だから親しみを感じていた。だから、たった4回で終了かと思った。ところが、この「スリル」シリーズには、作者蒔田光治が仕掛けた罠があったのを後で知った。「赤い章」では、小松菜奈が扮する瞳が、警視庁の一般職ながら詐欺師の父親から受け継いだ才能を使い、難事件を解決していく。一方、ほぼ同時に放送された「黒の章」があるとのこと。赤の章に登場する山本耕史が扮する悪徳弁護士が主役となり、いつも相手に騙されるダメ男を演じているという。同じ物語で主役と脇役が入れ替わるから、言うなれば、お互いにスピンオフという関係だ。一度は書いてみたい小説のシチュエーションだった。だが残念ながら、この「黒の章」の存在を知ったのは、放送終了後なので観ることは出来なかった。ドラマ名が「赤い章」だったから、次作は「○の章」だとは推測していたが、まさか同時進行とは思わなかった。作者蒔田光治に、してやられてしまった。悔しい限りだ。

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現代版:日本の怪談

日本に女性首相が誕生するのは何時だろうかと一時は騒がれたものだ。自民の野田聖子、稲田朋美、民進の蓮舫そして最近では小池都知事。でも時代の移り変わりは早い。既に野田はレースから外れた。蓮舫は民進党代表になったのが間違いだった。元々鋭い舌鋒で他人を批判するのは上手いが、リーダーシップを取るのは超下手。確かつ核となる信念が無いから人々を導く人物になれるはずがない。小池は都知事になって、存在感が増した。豊洲問題を上手く片付けることが出来れば最右翼に躍り出るかもしれない。一方3年前には「次期首相は稲田」との声が高かった稲田は、絶頂から奈落の底へと転落した。でも3年前は自民政調会長として辣腕を振るったように見えた。稲田は安倍が惚れ込んで、政治家にスカウトされた経歴がある。安倍は稲田の父親とも言える。だから、国会の場でも、安倍は稲田を擁護する。だが、質問に堪えきれずに泣き出す防衛相、言葉を詰まらせる防衛相、首相の助けに頼る防衛相、二転三転と主張を翻す防衛相。国民は皆注視している。こんな人物に、国の安全や全てを任せる訳にはいかないと思うのが当たり前だ。でも、3年前に安倍は稲田を次期首相に推していた。安倍の見識の無さも酷いが、稲田の資質の無さも酷い。今の日本の政界には幽霊が満ちあふれているようだ。まさに現代版日本の怪談と言えそうだ。

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劣化したフジテレビ

フジテレビの視聴率が低迷している。直撃LIVEグッディ!にMCとして出演している劣化した安藤優子など見ても全く面白くない。全ての番組が色褪せていて詰まらない。だから8チャンに合わせることはない。視聴率の低迷は当然の結果だと思う。最近では、脚本家らが他局へ逃げ出しているという。局からの無理強いが酷いかららしい。当然、人気俳優たちもワースト視聴率のレッテルを貼られ商品価値が暴落してしまったので逃げ出した。更に番組作りもおかしい。テレビ朝日のニュースキャスターから堕ろされた評判の悪い古館伊知郎を冠番組「フルタチさん」の司会に登用した。案の定視聴率は低迷を続けている。自爆行為とも言えそうだ。何故フジテレビはこれ程劣化してしまったのだろうか。諸悪の根源は日枝会長にあると思う。社長・会長の就任歴は29年にも及ぶ。異常に長いのだ。このワンマン経営が、縁故採用を増長させた。著名人の子供が優秀とは限らない。寧ろ、厳しい採用試験を突破する人に較べれば、平均的にはかなり劣っているはずだ。劣っている人ばかりを長年採用し続ければ、会社が劣化するのは当たり前。最早会長を変えても会社が再生するはずもない。もし12年前に村上ファンドに買われていたら、今頃はイケイケのフジテレビになっていたのかもしれない。人生も会社も、何が吉と出るかは誰も分からない。

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大往生

財政再建中の夕張市では、医療介護のニューモデルが生まれているとのこと。在宅医療だ。市は10年前に財政再生団体になり、緊縮一辺倒を続けてきた。その結果、市民病院は診療所に変り171床が19床に減少し、若者は流出し市民の半数が65歳以上となってしまった。病院頼りの老人が増えたのに病床数が激減したのは大問題だ。ところが、在宅医療に熱意溢れる医師が診療所にやって来て、患者の自宅やグループホームへの訪問診療を始めた。まずは予防医療で老人の健康管理を徹底。更に医師が訪問診療に来てくれるので、最期まで自宅に踏みとどまる気持ちになり、看取りを受け入れる数が増えているという。夕張は日本の将来を先取りしている。日本人の看取りの場所は病院が80%だが、欧州諸国は50%前後でオランダでは既に30%を下回っているという。先日「痛くない死に方:長尾和宏:ブックマン社」を読んで驚いた。病院で末期を迎えると延命治療を受けることになる。過剰な点滴で咳や痰に苦しめられ苦しみながら死ぬことになる。一方在宅療養で緩和医療を受ければ平穏な最期を迎えることが出来ると言う。所謂、大往生だ。延命治療を拒否するには、頭が正常なときに本人の意思を書き残しておくことが重要とのこと。それをリビングウイルという。自分は30年前に、延命治療に苦しむ父の姿を見てきた。近いうちにリビングウイルを実行しようと思っている。

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バッカじゃない

近々開かれる働き方改革実現会議で、労使の合意に基づく繁忙期の残業上限を含む規制案が示され、今月末に策定する実行計画に盛り込まれる予定になっている。ところが労使が折り合わない。そこで安倍首相が仲介し「100時間未満」に落ち着いた。でも、経団連の主張は「100時間以下」で、連合は「100時間未満」。「100時間以下」は100時間を含むが「100時間未満」では100時間を含まない。経団連は3桁を主張し、連合は2桁死守だったのかもしれないが、バッカじゃないかと思う。たったの1時間の差で揉めていたのだ。残業は、労基法の三六(さぶろく)協定で、月45時間、年360時間以内と決められている。だが、特別条項を結めば実質青天井だ。しかも、建設、運輸、研究開発などは適用除外されている。有っても無いようなザル法の労基法三六協定。だから、100時間未満と上限を定め、かつ違反した企業には罰則を設けるというから一歩前進には違いない。連合は過労死ラインが100時間だと主張しているが、世間では80時間とも言われている。あるWEB調査によると、60時間以下の企業の割合が約3割、60~80時間以下の割合が約4割、80~100時間以下の割合が約1.5割、100時間を超える割合が約1割というデータがある。日本人は余りに働き過ぎだし、働かせられ過ぎている。経団連は労働生産性を如何に上げるかを検討すべきだ。一方連合は80時間を目指すべきだと思う。

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下手なマジシャン

昨日、政府主催による東日本大震災の追悼式が開かれた。未だに福島県には、震災と原発事故により県内外に避難している人が約8万人もいるのが現状だ。特に放射能に汚染された地区の人々の生活は深刻だ。帰るに帰れない。事態は少しも進展していない。毎年追悼式では首相が原発事故の悪影響を語ってきた。ところが、安倍首相は今年の追悼式の挨拶では「復興は着実に進展していることを実感します」「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつある」と述べ「原発事故」には一言も触れなかった。「復興」という言葉で「原発事故」を覆い隠しているように見える。安倍の頭には最早「原発輸出」しか無いのかもしれない。「原発輸出」を優先するので、意識的に「原発事故」という言葉を避けたのだろう。マジシャンが良く使う手だ。右の手に注目させて左の手で隠しながら手品の種を操る。森友学園問題も同じ構図だ。これ以上森友問題を追及されると政権が危うくなると恐れたのだろう。突然降って湧いたように「南スーダンからの自衛隊撤収」を発表した。自衛隊撤収が右の手で、森友問題が左の手だ。尤も自衛隊の撤収は去年10月の予定だったが、突如延期された。強い反対があった安保法を既成事実化するため、急遽「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」の任務を与えたのだろう。南スーダンは戦闘状態だ。PKO参加五原則では、紛争当事者間で停戦合意が成立していることが大原則。初めから逸脱している。延期せずに即撤収すべきだった。今度は、右手が自衛隊延期で、左手が既成事実化だ。下手なマジシャンだと思う。

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JRの行く末

JRの路線廃止が目白押しだ。既に廃線になったものと、これからなるものを含めると、JR北海道が13路線で、JR東日本と東海と四国で1線、JR西日本で6線、JR九州で3線と、計25路線にも及ぶ。更に私鉄・第3セクターを含めれば54路線にもなるのだ。その中でも最大の数となるのがJR北海道。JR東海の葛西名誉会長が、30年前のJR分社化を振り返り、各社の有るべきだった姿勢を述べている。JR北海道に対し「これ程酷くなる前に、やるべきことがあったのではないかと検証すべき」だと。当時のJR分割時代、JR東海は8千億円の収入があったが、5兆円の借金を返済したのだと自画自賛。JR東日本は不動産開発に、JR九州は観光に自活の道を見出した。JR四国は国策によって経営が成り立ちにくくなったと指摘している。果たして、そうだろうか。JR東海には、新幹線という「動かせば金になる木」が存在していた。ただ動かせばキャッシュフローは楽になる。一方、JR東日本以外は火の車だ。金のなる木が存在しない。これがJR分割時の最大の間違いだったと思う。鉄道は、日本社会の基本的なインフラであることは間違いない。決して損得だけで、その存続を判断すべきではないと思う。そういう観点から見ると、広島の可部線が全国初で廃止路線が復活したことは、地元にとっても、全国の住民にとっても、JRの在り方を見直す良い機会になると思う。

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日本マラソンの父

日本マラソン界の低迷を受けて、瀬古が日本陸連の強化戦略プロジェクトリーダーに選出された。マラソンの世界レベルは2時間3分台だが日本は10分台なので、7分も縮めなければ勝負にならない。2020年東京五輪に向けて秘策はあるのだろうか。常日頃から瀬古が主張しているのは、一日70km以上の走り込み、ペースメーカーを無くすこと、若手の育成だ。だが、瀬古はDeNA総監督の立場にいるが、選手達に70km以上の過酷な練習を課しているのだろうか。きっと駅伝重視で無理はさせていないに違いない。ペースメーカーが選手の個性や自主性を妨げているというのが瀬古の主張だ。五輪や世界選手権ではペースメーカーがいない。そこで勝つにはペースメーカー無しが必須だ。だが、本人はペースメーカー付きのレースの解説者として、シラーッと解説を請け負っている。ギャップがあり過ぎる。若手の育成方法として、箱根駅伝の9区23.1kmと10区23.0kmを繋げて、マラソン区間とすることを提案している。そうすれば毎年20名の新人が育つと言っている。各校の監督は、指導法が違いすぎると文句を言うかもしれないが、名案だと思う。問題は、瀬古が強化戦略プロジェクトリーダーとして、人生を賭けて取り組むかに有る。名選手が名監督になるとは限らないと言うが、今の瀬古はそれを地で行っている。さて、名選手は日本マラソンを立て直す「マラソンの父」になれるのだろうか。

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ブラック業界の構造改革

宅配便最大手のヤマト運輸が、とうとう荷物の取扱量抑制の検討を開始した。日本の2000年の取扱量は約20億個だったが、2013年には36億個と倍増に近い。更にここ数年はアマゾンなどのネット通販の荷物が急激に伸びている。でもヤマトはアマゾンには通常料金の3分の1程度の超割安料金で対応している。宅配便市場のシェアは、ヤマト47%、佐川急便32%、日本郵便14%。ところが、ヤマトは27年間も値上げをしていない。ヤマトの売上げは増えているが、利益は減少している。如何に安い送料でやってきたのかが分かる。安いから取扱量は増えるが、それを熟す体制が整わない。物流を効率化しても充分な人員が確保出来ない。人員が補充出来ないから、益々現場の人への負荷は大きくなる。サービス残業が常態化している。ヤマトの未払い残業代は、社員7万6千人に対し数百億円にも達するという。まさにブラック企業で第2の電通だ。佐川にも同様な過剰労働問題があるし、駐車違反身代わり問題もある。日本郵便は取扱量が倍増したが、赤字も倍増した。全く異常な業界だ。ヤマトが取扱量制限を発表したら、意外にも株価が上昇した。市場は、売上は伸びても利益に繋がらず、さらには現場が疲弊するだけのヤマト運輸の現状に「ノー」を突きつけたということだ。さすがにアマゾンも値上げを認めざるを得ないだろう。これはヤマトだけの問題では無い。宅配業界全体の問題だ。宅配事業の適正化は、日本の歪んだ構造の改革の第一歩とも言えそうだ。何だか、日本の明るい明日が見えてきたような気がする。

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最高裁のミスジャッジ

「フランク・ミュラー」が「フランク三浦」の商標登録の無効を訴えた訴訟で、最高裁はフランク・ミュラーの上告を退ける判決を下した。最高裁は、語感が似て紛らわしいが、外見などが異なるので明確に区別出来るし、価格帯もフランク・ミュラー100万円前後に較べフランク三浦は5000円程度なので混同される恐れはない、と判断したとのこと。幸か不幸か自分は、フランク・ミュラーもフランク三浦も知らなかった。この無知な自分が両者の製品写真を比較して見ると、ソックリのデザインなのに驚いた。但し文字盤には小さく「フランク三浦」の文字。少し老眼のある自分には判別不可能だ。「フランク三浦」はパロディ時計の業界では有名な存在らしい。最高裁判事は「フランク・ミュラー」が高級腕時計であることを充分認識していたに違いない。時計業界の状況を知っている人にとっては「フランク・ミュラー」と「フランク三浦」を混同するなどあり得ないことなのだろう。だが、知らない人にとっては区別がつかない。パロディとは言え、フランク三浦はフランク・ミュラーの模倣品だ。その模倣品のメーカー名の語感が似すぎている。パロディは真似された側が真似した方を容認していれば成り立つが、訴えられれば成り立つはずがない。フランク・ミュラーが訴えた時点で、フランク三浦はパロディではなくなっている。最高裁は間違った判決を出したと思う。その原因は、最高裁判事が高級腕時計に精通していることを常識と思い違いをした所為だと推測される。

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不自然な涙

昨年末運転中に衝突しタクシー運転手に怪我を負わせた上逃走したとして、ひき逃げと過失傷害容疑で書類送検されたお笑い芸人ノンスタ井上が不起訴処分となり、記者会見が開かれた。被害の相手運転手はねん挫で全治2週間のけが。でもどういう訳かマスコミは好意的だ。今日の井上は涙ながらの会見だったが、その涙は極めて不自然に見えた。何故泣いているのだろうかと疑念が湧いてきた。事故当時、井上は「タクシーの前に入ろうとしてぶつかった。事故を起こしたことを世間に知られたら大変になると思った」と話している。だが、その後吉本事務所が間に入るとすぐに内容が変わった。「触れた感覚はあったが、問題もなさそうなので、そのまま帰宅すると、車が破損しており、そこで警察に連絡した」という供述になった。相手に2週間もの怪我を負わせる事故なのに、触れたという感覚は全く不自然だ。自分は停車中の車のサイドミラーに、自分が運転する車のサイドミラーを接触させた経験がある。壊れなかったが、大きな衝撃だった。サイドミラー同士の接触でも驚くほどの衝撃なのに、車本体同士がぶつかれば触れたという感覚でいられるはずがない。明らかにひき逃げと過失傷害だと思う。何故不起訴処分になったのか極めて不思議だ。井上は謝罪会見でも「触れた感覚はあったが」と言い張っている。実際は逃げたのに、全く反省していない。あの涙は「逃げた」ことを隠すカモフラージュに違いないと確信した。

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夜明け間近の夕張市

日本で唯一の財政再生団体である夕張市にも、やっと明るい兆しが見えてきたようだ。高市総務相は、緊縮一辺倒から脱却し、借金返済と地域再生の両立を目指す市の新方針を、特別交付税で支援する意向を明らかにしたとのこと。夕張市は炭鉱の閉山と無謀な投資の観光開発で、借金まみれになり財政が破綻した。借金は353億円。徹底した緊縮財政で95億円を返済。人口は12万人から1万人以下に減り、高齢化率は全国一の49%。東京23区より広い面積に小中学校は1校ずつ。市民病院は診療所に変り、171床が19床に。市民会館も図書館も無くなった。その厳しい環境下で頑張っているのが35歳の鈴木市長だ。鈴木市長は、猪瀬元副知事の発案で都職員として夕張市に派遣された。その後都庁を退職し、選挙を経て市長になった。給与は70%カット、ボーナスは100%カットで、年収は200万円台。日本一給料の安い首長として有名だ。だが、やることは凄い、徹底している。コンパクトシティの実現に向け取り組んでいる。JR北海道には、夕張支線の廃線を逆提案し、JR北海道から市の交通施策への協力やJR施設の利用や社員の派遣などの条件を引き出したとのこと。今回総務省が特別交付税で支援し地域再生事業に活用するのは極めて異例だ。でも夕張市を地方再生のモデルケースと捉え、財政再生団体に陥落寸前の地方都市を救う一手段にはなりそうだ。だが、肝心の地方創生相の影が薄すぎる。地方創生相は地方再生には興味が無いのかもしれない。

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学園問題の確信犯

既定路線かもしれないが、間の抜けた話だと思う。自民党が総裁任期3期9年にすることを正式に決定した。勿論、安倍一強を受けてのことだ。確かに、数週間前までは安倍が強かった。だが、明日も強いのだろうか。蟻の一穴で強固な堤防も崩れるものだ。正に、そんな例がピッタリの事件が森友問題だと思う。少し前にはどう考えても、安倍首相が森友問題などで影響を受けるとは考えられなかった。ところが、話は進展する。安倍は右翼と言われていたが、実は極右との本性が暴露されつつある。今更森友学園との交流を否定しても遅すぎる。第2の森友学園も出現した。愛媛県の加計学園だ。学園の加計学園の理事長は、安倍首相の親友。その加計学園に今治市が36億円相当の土地を無償譲渡するとのこと。しかも建設費を含めれば約250億円も市が負担するという。え!と驚くが理由は単純だ。今治市が国家戦略特区に3次指定されたことで可能になったから。昭恵夫人は、加計グル―プの学校法人の名誉園長に就任していた。どうも、首相夫人を名誉校長にすると、漏れなく土地がタダ同然で手に入り、補助金までもらえる特別なシステムがあるようだ。と勘ぐってもおかしくない。もっとも学園事業でボロ儲けをしているのは夫妻ではないかもしれない。だが、その行為により、確実に確信的な支持者が増える。それを見抜けないし、見抜かない自民は極めて間抜けで賢い。間違いなく安倍夫婦は学園問題の確信犯と言える。総裁任期3期9年の成立は日本を更に貶める事になりそうだ。

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ガッテン出来ない

NHK人気番組「ガッテン」の「血糖値を下げる!デルタパワーの謎」に対し非難が沸き起こっていた。番組では、あたかも睡眠薬で糖尿病治療が出来ると放送。しかも、オレキシン受容体拮抗薬だけが副作用が少ないと強調。それに対し医療現場から非難が殺到。睡眠改良は糖尿病改善の一部で、かつオレキシン受容体拮抗薬の副作用が少ないというのは事実では無いと。すわ、これで長く続いた「ガッテン」も打ち切りかと騒がれていた。ところが、次週の「ガッテン」の冒頭で、小野アナウンサーが詳細に誇張放送であったことを説明した。内容は極めて真摯に反省していたと思う。通常の番組では「不適切でした。ご免なさい」の一言で済ますのが殆どだから、誠実さを感じた。この謝罪で「ガッテン」は延命すると思う。だが「ガッテン」には、気がかりな点もある。1年前「ためしてガッテン」から「ガッテン」に衣替えした。パワーアップするためだと言っていた。ところが、内容は山瀬堕ろしとAKB採用。でも、内容がパワーアップされた訳では無い。内容はいつも通りだ。寧ろ、AKBのウッソーなどの表現が耳障りになった。山瀬の話力がAKBのオノマトペに替わった。これがNHKの言うパワーアップなのだろうか。ガッテン出来るはずがない。

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無責任の塊

豊洲移転問題を受けて、慎太郎が日本記者クラブで記者会見した。端から期待はしていなかった。案の定の結果だ。最早あの慎太郎の面影は無い。何処にでもいる只のオジサンだ。慎太郎の言い分はこうだ。豊洲移転は就任前から決まっていた。皆で決めたのだから皆の責任だ。そう言う意味で自分にも責任はある。自分は素人で何も分からない。全てを部下に任せた。専門家がOKと言ったのだから、詳細なチェックはしていないし、チェックしようもない。知事として判を押した。日本の科学者の最高権威が安全だと言ったのだから、今でも豊洲に移転すべきだと思っている。この問題を拗らしたのは小池都知事だ。ざっとこんな具合だ。要約すると、自分は最終責任者として盲判を押したが、責任は都庁全員にある。数年前に専門家が安全と言ったのだからすぐにでも豊洲へ移転するべきで、拗らしているのは小池都知事だ。だが、2点とも間違っている。都庁全員に責任はあるが、責任を取るのは最終責任者の慎太郎にある。長はバカでもアホでもいい。何のために高給取りの長がいるのか。万一の場合責任を取るためだ。それが常識というものだ。豊洲の汚染値がエビの尻尾のように跳ね上がらなければ、移転すべきだったと思う。跳ね上がってしまったのだから、再び専門家たちが問題なしと判定するまでは移転出来るはずがない。それでも風評被害は発生するかもしれない。風評も考えずに、移転すべきとは余りにも無責任過ぎる。慎太郎は無責任の塊と言える。

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危ういGPIF運用

年金積立金管理運用独立行政法人GPIFの累積収益が53兆円に増加し、運用資産が過去最高の144兆円に膨らんだ。年金積立金が増えることは好ましい事ではあるが、果たして今の運用方法で良いのだろうか。2014年の安倍第2次内閣になって、GPIFの運用構成が大幅にリスクの高い株式にシフトされた。日本株にGPIFも日銀も莫大な資金を投入したから株は上がった。所謂官製相場だ。更にトランプの登場で財政拡大の期待が高まり、先進国の株は絶好調。今日現在、GPIFが株運用で最高益をたたき出したのは納得出来る。だが、今の好調がこの先も続くだろうか。株は不安定だ。続く訳がない。国際的な事件が起きれば、たちまち暴落する。大きな事件が無くても上げ下げを繰り返す。2015年度第2四半期のマイナス8兆円赤字を騒いだのは記憶に新しい。GPIFは、余りにも巨額な資金を株につぎ込んでしまった。今後株が下がったからといって資金を引き揚げるのは難しい。巨額な故、資金を引き揚げれば暴落が加速する。もう雁字搦めで身動きが取れない。暴落が始まれば、一挙に累積は収益から損失に様変わりする。そもそも年金積立金をリスクの高い株で50%も運用することが間違っている。順次減らしていくべきだと思う。元大蔵官僚の高橋嘉悦大学教授は、年金は賦課方式だから10兆円程度の運用で賄えるので、それ以上増やしても運用リスクが増えるだけだと忠告している。ごもっともな指摘だと思う。

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目に見えない賠償費用の負担

福島原発事故の廃炉・賠償の費用が、従来想定の2倍である20兆円になることが経産省の試算で判明した。その内、賠償費用は8兆円。現在、賠償費用の5.5兆円分は電力会社が負担することになっている。原発を持つ東電以外の電力会社も原発の出力に応じて一部を負担している。と聞けば、電力会社が賠償金を負担しているようだが、全く違う。朝日新聞の調査によると、電力各社は、数年前の値上げ時に、賠償費用を原価に組み入れた。検針票には記載されないので、国民は誰も知らないまま徴収され続けているのだ。電力会社により異なるが、1世帯当たり年587円~1484円だという。諸悪の根源は、電気料金が総括原価方式で決められるためだ。掛かった費用と利益を足したのが総括原価方式による電気料金。賠償費用が幾ら高くなろうとも、電力会社は痛くも痒くもない。痛がるのは、電気を使う国民だけという構図だ。政府が「費用は電力会社に負担させる」などと言う言葉など信じてはいけないのだ。一方で受け取り側では、賠償金の有無や多寡をめぐって多くの軋轢が起きているという。政府は、国民の負担を国民に分かるように、被災者には賠償金の配布状況を、充分に丁寧に説明すべきだと思う。

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