日本科学研究の失速

日本の科学研究は失速しているという記事があった。果たしてそうなのだろうか。Nature Indexによると、日本の科学成果の発表の水準は低下していて、この10年間で他の科学先進国に後れを取っていることが明らかになったとのこと。Nature Indexは、高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合は、2012年から2016年にかけて6%も下落していると指摘している。中国が台頭し、米国と日本が相対的に下落したからとは言えるが、なかでも日本の下落状態は異常なようだ。10年前と比較すると、日本の強みである材料科学および工学の減少が大きく、特に計算機科学の落ち込みは極めて大きいとのこと。増えているのは、医学、数学、天文学の3分野だけ。だが、じっくり考えてみよう。論文のシェア-などは相対的な値だ。科学の進歩に伴い、世界的に論文数は指数関数的に増えている。当然だと思う。その増える中で、日本だけが相対的に増えていないだけだ。では論文数は何に比例するのだろうか。勿論、本人のやる気が大事だが、国の後押しがものを言う。答えは明らかだ。国が科学を後押ししていないから、後れを取っているという事だ。一方先日、科学者の代表機関である日本学術会議が、軍事転用目的の研究を行わないことを声明した。でも実際に科学研究を軍事の有無に色分け出来るだろうか。出来るはずが無い。現在のIT化社会は、軍事技術の民間転用の結果と言っても過言ではない。日本学術会議は頭が狂っているとしか思えない。