JRの行く末

JRの路線廃止が目白押しだ。既に廃線になったものと、これからなるものを含めると、JR北海道が13路線で、JR東日本と東海と四国で1線、JR西日本で6線、JR九州で3線と、計25路線にも及ぶ。更に私鉄・第3セクターを含めれば54路線にもなるのだ。その中でも最大の数となるのがJR北海道。JR東海の葛西名誉会長が、30年前のJR分社化を振り返り、各社の有るべきだった姿勢を述べている。JR北海道に対し「これ程酷くなる前に、やるべきことがあったのではないかと検証すべき」だと。当時のJR分割時代、JR東海は8千億円の収入があったが、5兆円の借金を返済したのだと自画自賛。JR東日本は不動産開発に、JR九州は観光に自活の道を見出した。JR四国は国策によって経営が成り立ちにくくなったと指摘している。果たして、そうだろうか。JR東海には、新幹線という「動かせば金になる木」が存在していた。ただ動かせばキャッシュフローは楽になる。一方、JR東日本以外は火の車だ。金のなる木が存在しない。これがJR分割時の最大の間違いだったと思う。鉄道は、日本社会の基本的なインフラであることは間違いない。決して損得だけで、その存続を判断すべきではないと思う。そういう観点から見ると、広島の可部線が全国初で廃止路線が復活したことは、地元にとっても、全国の住民にとっても、JRの在り方を見直す良い機会になると思う。