最高裁のミスジャッジ

「フランク・ミュラー」が「フランク三浦」の商標登録の無効を訴えた訴訟で、最高裁はフランク・ミュラーの上告を退ける判決を下した。最高裁は、語感が似て紛らわしいが、外見などが異なるので明確に区別出来るし、価格帯もフランク・ミュラー100万円前後に較べフランク三浦は5000円程度なので混同される恐れはない、と判断したとのこと。幸か不幸か自分は、フランク・ミュラーもフランク三浦も知らなかった。この無知な自分が両者の製品写真を比較して見ると、ソックリのデザインなのに驚いた。但し文字盤には小さく「フランク三浦」の文字。少し老眼のある自分には判別不可能だ。「フランク三浦」はパロディ時計の業界では有名な存在らしい。最高裁判事は「フランク・ミュラー」が高級腕時計であることを充分認識していたに違いない。時計業界の状況を知っている人にとっては「フランク・ミュラー」と「フランク三浦」を混同するなどあり得ないことなのだろう。だが、知らない人にとっては区別がつかない。パロディとは言え、フランク三浦はフランク・ミュラーの模倣品だ。その模倣品のメーカー名の語感が似すぎている。パロディは真似された側が真似した方を容認していれば成り立つが、訴えられれば成り立つはずがない。フランク・ミュラーが訴えた時点で、フランク三浦はパロディではなくなっている。最高裁は間違った判決を出したと思う。その原因は、最高裁判事が高級腕時計に精通していることを常識と思い違いをした所為だと推測される。