飛んで火に入る夏の虫

今回の米中会談はトランプの完敗に終わった。トランプの当初の狙いは「巨額商談の取りまとめ、イラン戦闘終結へ習近平の力を得ること、その勢いでロシア・ウクライナの本格的な終戦交渉に入ること、の3点だった。ところが、最大500機を見込んでいたボーイングの商談は200機の売却にとどまり、ボーイング社株は下落。中国のお情けで大豆は買ってもらった。イラン問題も実質的に前進せず、ひそかに温めたモスクワ電撃訪問も消えた。挙げ句の果てに、トランプは習近平に「台湾への武器売却を続けるのか」と迫られた。トランプには言い返すだけの切り札が無い。恐らく「売却しない」ことを密約したに違いない。その証拠にトランプは「売るとも売らないとも決めていない」と言っている。これはトランプ流の表現で「売らない約束をした」ということだろう。トランプの今回の中国訪問は「飛んで火に入る夏の虫」ということだ。