AI vs 人間の知的活動

AI時代に人間の知的活動はどうあるべきなのだろうか? 世界最高峰の数学者テレンス・タオらが発表した論文「AI時代に人間の知的活動はどうあるべきか」が大きな議論を呼んでいる。インターネットが「広める」ことを自動化したのに対し、AIは「作る」プロセスそのものを自動化しつつあり、これが根本的に違う変化だとタオらは指摘している。数学の世界では、AIはすでに複雑な証明を生成できるようになった。だが、形式的には正しくても、経験豊富な数学者には「なるほど」という理解が得られないと言う。これを踏まえてタオらは、AIの使い方を3段階で整理している。短期的にはバニラの風味づけのように使うべきだと言う。文章の校正や構成の整理には役立つけれど、核となる内容は人間が考えるべきだということだ。中期的には人間が作ったものをAIに検証・批判させる使い方だ。長期的にはAIが万能になり人間を超越したとしても、人間が優先するということだ。「AIが人間より賢くなっても、チェスが廃れなかったように、人間の知的活動には固有の価値がある」というのが結論だ。