何のための目眩まし作戦か

エマニュエル・トッドとピーター・ティールの対談が文藝春秋本社で実現した。エマニュエル・トッドは、ソ連崩壊、リーマンショック、トランプ大統領誕生などを次々に予言し、現代最高の知識人と称されるフランスの歴史人口学者・家族人類学者。ピーター・ティールは、シリコンバレーのドンの異名をもち、いち早くトランプ支持を表明してヴァンス副大統領就任にも深く関与し、影の米大統領とも評されている。その2人がイラン戦争について言及した。エマニュエル・トッドは、トランプのイラン攻撃はより重大な問題から注意を逸らす一種の目眩まし作戦だと言う。米国はウクライナ戦争で軍事上および兵器生産力においてロシアに敗北し、貿易・グローバル経済において中国に敗北した。トランプの仕事は、その敗北を何とか政治的に処理することだと言う。そのため目眩まし作戦として、グリーンランド問題で欧州を侮辱したり、ベネズエラのマドゥロ大統領を標的にしたり、今度はイランを攻撃している、と言う。でも、自分は、トランプがイラン攻撃を決断した真の理由はエプスタイン隠しだと思う。エマニュエル・トッドも内心ではそう思っているに違いない。学者が下世話な話では、学者では無くなってしまうとでも思っているのだろう。