日本はペロブスカイト太陽電池のトップランナー

ペロブスカイト太陽電池の最大の欠点である耐熱性がクリヤーされたとのニュース。ペロブスカイト太陽電池は、薄く、軽く、折り曲げ可能で、なおかつ製造コストが低いという夢のような特性を持つ一方で、特に日本の夏の高温多湿には、急激な性能劣化が避けられないとされてきた。産業技術総合研究所の研究チームが、電池内部の層に用いる新たな添加剤を開発し、高い熱安定性と高い光電変換効率を達成したと、科学誌Nature Communicationsに発表した。光を吸収して生み出した正孔を、電極へと運び出すための正孔輸送層にはSpiro-OMeTADが使われている。Spiro-OMeTADの電気伝導性を高め、性能を最大限に引き出すために4-tert-ブチルピリジン(tBP)とリチウム塩を混ぜ合わせることが不可欠とされてきた。ところが、tBPは高温環境下では正孔輸送層の中から揮発し易く、ボイドを作り電荷の通り道が寸断されてしまうのだ。産総研の研究チームは、tBPの替わりとなるヘテロアリール誘導体に着目した。その結果、2-フェニルピリジン(2-phenylpyridine)と3-フェニルピリジン(3-phenylpyridine)を見出したのだ。フェニルピリジン類は、沸点が高く、立体障害が大きく、変性し難いのだ。85度の熱加速劣化試験では、tBPは僅か72時間で完全に機能停止に陥ってしまうが、2-フェニルピリジン(2-phenylpyridine)は2400時間後も性能を保持したのだ。実用性能もクリヤーした。ペロブスカイト太陽電池は日本が生みの親だが、実用化でもトップランナーになるのは間違いない。