原発事故はまだ終わっていない

福島原発事故後、事故の原因を調べるために、政府から独立した調査機関が憲政史上初めて国会に設置された。延べ1000人超の関係者にヒアリングし、600ページを超える報告書が公表された。国会事故調の報告書は、結論で「事故が人災であることは明らか」「歴代および当時の政府、規制当局、そして東電に、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった」などと指摘した。だが、国会の事故調査委員会で調査の中心的な役割を果たした宇田左近さんは「事故はまだ終わっていない」と現状を楽観していない。何故なら、再び原発事故が起きても政府と国民、電力会社が負う責任の線引きは曖昧なまま。大手電力が再稼働のために不都合なデータを隠し、原子力規制委もそれを見抜けない。使い終わった核燃料の最終的な行き場もないまま。その中で原発推進の合意が形成されているのが今の日本の姿だと指摘している。因みに、国会事故調のヒアリングの証言録なども、国会図書館に非公開で保存されたままで、その後活用されていない。福島原発事故後、変わったのは安全コストが若干高くなっただけ。また、同じ過ちを繰り返そうとしている。