日本に蔓延する無力感の正体

世界有数の大富豪にして、歴史・社会・文化にも造詣が深い米経済界のご意見番が「日本に蔓延する無力感の正体」を指摘している。ご意見番とは、運用資産20兆円を超えるヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創業者のレイ・ダリオだ。世界の覇権国家は、およそ500年周期で同じような興亡の歴史を辿るという「ビッグ・サイクル」理論を提唱している。日本が教科書的とさえ言える「後期衰退段階」の兆候を示していると指摘している。一つ目の特徴は、長期金融緩和の常態化。実体経済の活性化よりも、資産価格や金融システムの安定維持が優先され、結果として、生産性や成長力の底上げに結びつかない。二つ目は、財政ファイナンス。短期的には安定をもたらすが、長期的には改革を先送りする装置として機能することになる。三つ目は、日銀の政治化。独立性よりも、政権運営や社会不安の緩和が優先され、金融政策が「痛みを覆い隠す緩衝材」として使われる。これら三つの政策は総じて、改革のコストを回避し続けた国家が、最終的に選びがちな安定装置だと言えるとのこと。日本の今後10~20年を展望すると、最も現実的なシナリオは、低成長と緩やかなインフレ、円安の継続だ。「ビッグ・サイクル」理論が予測する中で最も危険なのは、衰退期に現実を直視できなくなることだが、日本にはまだ選択の余地が残されている。でも、猶予は長くない。レイ・ダリオのご意見で、日本の無力感の正体は、全て日銀が絡んでいることに気付かされた。