中国の土壌侵食と砂漠化の進行を食い止める目的の「グレート・グリーン・ウォール計画」は、1978年に始まり2024年に完了したとされている。この計画で、約30万平方kmに及ぶ広域での植林が進められた結果、1949年に約10%だった森林被覆率は、2024年には約25%にまで拡大した。砂漠をグリーン化したのだから偉業だと思う。ところが、これがトータルでは害をなしているのだという。中国と欧州の大学が解析した。一連の植林政策によって、水資源の蒸発散量が大幅に増加したと分析している。森林が拡大すると、より多くの水が大気中へと移動することになる。大気中の水分はチベット高原へと運ばれ、同地域では水利用可能量が増加した一方、中国東部および北西部では水資源が顕著に減少したのだ。北部には人口の約46%と耕作可能地の半分以上が集中している。結局、グレート・グリーン・ウォール計画によって、水を必要としないチベット高原に水が集まり、最も必要とする北京周辺は渇水化してしまったのだ。自然は侮れない教訓と言えそうだ。
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