「牛丼」は今や国民食だ。「牛丼」と言えば昔から吉野家と決まっている。ところが、今は「牛丼と言えばすき家」の時代になっているという。企業規模で言うと、吉野家はすき家の7分の1。吉野家は牛丼事業がメインだが、すき家は、はま寿司、ココスなど多様な業態を束ねる巨大企業に成長している。牛丼店数だけをみても、吉野家は1300店だが、すき家は2000店。シェアにして倍近い開きがあるこの差は、もはや逆転不可能なレベルに達していると言える。吉野家は「牛丼」の老舗で、すき家は後発だった。何故このような差がついてしまったのだろうか。すき家の親会社はゼンショーだ。ゼンショーの創業者は小川賢太郎という人物。全共闘華やかかれし頃、東大生として全共闘運動に身を投じた。世界から貧困と飢えをなくそうと本気で考えて社会主義革命を目指していたという。その時の「餓えを無くしたい」という思いが、すき家創業に辿り着いたとのこと。吉野家の「男の食事」ではなく、子どもや家族に広げたマクドナルド方式を目指したという。この「牛丼=ハンバーガー」という発見こそが、勝敗を分けた分水嶺だったという。さらに、マクドナルドの原料から物流まで全てを管理する垂直統合も採り入れた。かつて社会主義を志した男が、資本主義の競争原理の中で誰よりも強い勝者となったのだ。志の勝利と言えそうだ。
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