サントリーにとって、新浪剛史サントリーHD会長の辞任は何を意味していたのだろうか。表向きは「違法薬物に関する認識不足という行為そのものが会長職に堪えない」とされている。本人は潔白を主張している。今回の辞任は有罪と見做したという意味ではなく、あくまで「社会との信頼を守るための措置」と言える。会社の看板を守るためのサントリーの優れた決断であったと思う。一方で、サントリー内部の事情もあるようだ。10年前佐治信忠創業家会長が三顧の礼をもって新浪ローソン会長を迎え入れた。新浪は期待に応え米ビーム社を買収し、会社の業績を大きく伸ばした。経営実績は十分だ。しかし、サントリーには別の狙いがあった。サントリーは代々創業家が経営を引き継いでいる。新浪は鳥井信宏が成長するまでの繋ぎ役だったのだ。鳥井信宏が成長した今、新浪は不要だ。そこに違法薬物疑惑が突然降って湧いてきた。佐治信忠は、これをチャンスとがかりに新浪に引導を渡したのだ。一方的に新浪が被害者のように見えるがそうではない。新浪には裏の顔がある。佐治信忠は、それも勘案して決断を下したのだろう。
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