「悪魔の証明」が可能に

存在しないことを証明するのは「悪魔の証明」と言われるほど難題だ。ところが、野口悠紀雄一橋大名誉教授が、ChatGPTを使い、限定した範囲内での「悪魔の証明」が可能であることを示した。「福音派の主張の中には男女平等を否定するものがあるが、福音書には男女差別を正当化する内容があるのか?」という質問を受け、ChatGPTに質問したという。ChatGPTは「福音書において、男女差別を明確に正当化する記述は存在しません。むしろ、イエス・キリストの言行は当時のユダヤ社会における女性の地位を高めるものであったという評価が可能です」という明快な回答が即座に返ってきたという。福音書は、かなり長い文書だ。聖書を全部暗記しているという特殊な人を除けば、誰も曖昧な答えしか出来ないはず。今後、悪魔の証明は社会構造へ大影響を及ぼすだろうと野口は指摘している。因みに、この質問はトランプ支持の福音派が「女性は家庭にとどまるべきで、夫が指導者、妻は従う立場。男性は社会や教会で指導的役割を担うべきで、教会での牧師職や説教などの権威的役割は、男性に限るべきだ」などと主張していることに疑問を持った人が質問したもの。結局、福音派の主張は福音書に基づいていないことが証明されたということになる。