近年、教育効果の研究が飛躍的に進んでいるという。「教育経済学の最前線 科学的根拠で子育て:中室牧子:ダイヤモンド社」が、国際的な学術雑誌に掲載された信頼性の高いエビデンスだけを厳選し、わかりやすく解説している。本書が注目するのは、幼少期や学生時代の短期的な成果ではなく、社会に出てからの「人生の本番で役に立つ教育とは何か」という視点だ。一例を挙げると「子どもの頃のある地点で受けた教育が、大人になってからの就職、収入、昇進、結婚、健康、そして幸福感などに与える影響を明らかにすることができるようになってきた」とのこと。 「少しでも偏差値の高い学校に行ってほしい」と思うのは親心だ。優れた友人から受ける影響は良い影響に違いないという思い込みがあるからだ。ところが、米フロリダ州の公立小中学校のデータを分析した結果、優れた友人から良い影響を受けるのは、もともと学力が高い児童・生徒だけという事実が明らかになったとのこと。たとえ運良く実力より上の志望校に滑り込み合格を果たしたとしても、学内やクラス内の順位が低くなれば、長い目で見ればよい結果をもたらさない訳だ。親は「朱に交われば赤くなる」と信じているが、科学的には「鶏口となるも牛後となるなかれ」が正解とのこと。鶏口牛後は昔から言い古されてきた。近年になって、漸く科学的に証明されたようだ。
コメントをお書きください