赤色3号について

米食品医薬品局FDAが、発がん性の懸念があるとして合成着色料「赤色3号」の使用を禁止すると発表した。これに対し、伊東消費者担当相は何と安全性を強調した。そもそも日本では使用が認められ、漬物などにも利用されている「赤色3号」とは何なのだろう。「赤色3号」とは、食用タール色素に分類されるエリスロシンのことだ。エリスロシンはタンパク質に結合し易いという特徴を有しているため、摂取すると、生体のタンパク質にも影響を与える可能性が考えられてきた。そのためドイツやポーランドなどでは、食品添加物としてエリスロシンの使用が禁止されている。米国でもFDAがラットを使った実験で発がん性が確認され、化粧品と外用薬については1990年から赤色3号の使用を禁止していた。しかし人間では確認されなかったことから食品への使用許可は取り消さなかった経緯がある。でも今回「動物にがんを引き起こす」に該当するので使用禁止になったのだ。エリスロシンが本当に有害物質かは分からない。でも限りなく有害物質に近い。この状況で消費者担当相が「とりあえず安全だ」と宣言するのは如何なものかと思う。消費者担当相は一体何処を見ているのだろうか?