英国のポンドが急落した。要因は、トラス新政権の減税政策にあるという。トラスは大幅減税を公約して、首相の座に就いた。所得税や住宅購入の際の印紙税を減らすほか、法人税の増税計画も廃止する、450億ポンド規模の減税政策を発表した。これにより、経済成長に弾みをつけたいのが狙いだ。ところが、市場はネガティブに反応した。財源も無いし、経済の回復も見込みが無い。金利は上がり、貨幣価値は下がり、貧富の経済格差は広がるばかりだ。IMFは、英国政府の減税政策について、生活費危機を加速させる可能性があると警告している。しかし、トラスの側近は、IMFは常に非常に伝統的な経済政策を推進しており、そのせいで何年も低成長と低い生産性が続いている、と批判。英国を前進させる唯一の方法は減税と支出抑制、そして大掛かりな経済改革だ、と主張している。どうやら、減税政策はブレグジットに続く、英国のEUへの反抗とも受け取れる。トラス首相の支持率も急落している。さて、大規模減税政策が成功するのか、見ものだ。もし成功すれば、世界中の経済政策が様変わりすることになるだろう。
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