東京五輪の経費の実態を明らかに

東京五輪組織委員会が大会最終経費は1兆4238億円だったと公表した。組織委は6月末に解散する。五輪の経費は、招致時の見積もりから実費に至るまで、いい加減だった。招致段階では、コンパクト化を売り物に7340億円だった。そして開催決定から3年後には1兆5000億円に膨らんだ。実は3兆円を超えたという試算もある。今回発表の1兆4238億円も、実際の経費ではない。鉛筆を舐め舐めして、単に1兆5000億円以下に辻褄を合わせたに過ぎないのだろう。五輪の経費は、国、都、組織委が負担した。国と都には監査があるが、組織委は情報公開制度の対象外。全体を把握する機能が無いのが最大の問題だ。また大会経費には定義が無い。会計検査院は1500億円とされている国負担額が、関連経費を含めて1兆600億円以上になる試算を公表していた。都の試算と合わせると3兆円を超えるのだ。税金がどのように使われたのか、国民は知る由も無い。長野五輪では招致委解散後に会計帳簿が焼却処分されてしまった。2030年開催に立候補している札幌五輪の経費は、今から予算の倍と予測されている。東京五輪の経費の実態を明らかにすることこそ、明るい明日のスポーツ大会開催の礎になると思う。