カテゴリ:202206



30日 6月 2022
「燃え易いものを燃えないもの」と偽造しUL規格を不正に取得した東レで、社長自らが火消しに走っていたことは「火消しあれこれ」に書いた通りだ。不正に関わった日覚社長と大矢副社長は、6月13日のガバナンス委員会で減俸処分を受けた。いくらワンマンとは言え、日覚社長の続投は有り得ないと思っていた。ところが、23日の定時株主総会で日覚社長の取締役選任案に対する賛成比率が64%となり、続投が承認されたのだ。東レには自浄作用が無いようだ。最も、不正問題も全社一丸で隠し通したのだから、株主総会も全社一丸で切り抜けたに違いない。でも、東レは今後如何なる道を歩むのだろうか。社風というものは一朝一夕には変わらない。生き証人の日覚社長が証明している。もし、心底社風を刷新したいのであれば、日覚社長は自ら職を辞すべきだと思う。政治家は責任を追及されても、在職のまま責任を果たすと言う。単にしがみついているだけだ。日覚社長もソックリ。
29日 6月 2022
茂木幹事長が「年金を3割カットするぞ」と国民を恫喝したので呆れていたら、今度は金子総務相が地方交付税で自治体を恫喝した。政治家による恫喝の連鎖だ。政府は6月7日に「マイナンバーカードを2022年度中にほぼ全国民に行き渡るようめざすこと」を閣議決定した。現在のマイナカード交付率は全国平均44.7%に留まっている。年齢別、男女別、県別、自治体別の交付状況が「総務省のHP」に載っている。県別交付率の1位は宮崎県56.4%で、最下位は沖縄県35.8%と、県別ではあまり差はない、だが、自治体別に見ると、宮崎県都城市79.7%だが地方の寒村には20%程度のところもあり、かなりバラツキがある。金子総務相は地方交付税の算出に交付率を考慮に入れると言う。寒村を地方交付税でいじめようとしているように映る。そもそも現在のマイナンバーカードは何の役にも立たない。取得して5~6年経ったが、マイナポイントを貰うためとワクチン接種証明に使っただけ。健康保険証として使うよう奨励しているが、現行の保険証の替わりに使うメリットも無い。せめて、持病や検診データや投薬状況が入っていれば、もしもの時には役立つと思うのだが。政府は交付率を上げることよりも、利便性を上げることを優先すべきだ。況んや、地方交付税で恫喝するなどもっての外。
28日 6月 2022
2022年の参院選の1票の格差は最大3.032倍になる。3倍を超える選挙区は3つある。神奈川県3.032、宮城県3.025、東京都3.014。更に2倍を超える選挙区が21ある。1票の格差について、最大3.00倍だった2019年の参院選について、最高裁は2020年に合憲とする判決を出している。日本は民主主義国家なのだから、1票の格差は限りなく1倍に近くにあらねばならない。3.0倍を是とする最高裁は間違った判断をしていると思う。格差を是正しようとすると、必ず出てくるのが「地方の声が国政に届きにくい」という意見だ。では、3.0倍なら声が届くのだろうか。衆院選でも格差は2倍ある。是正するため10増10減が行なわれる。でも、安倍元首相や細田衆院議長までもが「地方の声が国政に届きにくい」と反対している。結局、3倍であろうが、2倍であろうが、我に不利と見れば反対の声を挙げるのだ。最高裁は、限りない1倍に徹するべきだと思う。その上で、地方の声を国政に届ける仕組みを作るよう、国会に促すべきだと思う。
27日 6月 2022
参院選は、消費税堅持の与党と消費税減税の野党の構図だ。野党の消費税減税の大合唱に対し、何と茂木幹事長が「消費税減税なら年金3割カットだ」と恫喝した。茂木は、官僚が「取り扱いマニュアル」を作成するほどパワハラ体質で有名だ。とうとう国民をも恫喝し始めた。消費税収が20兆円だから、5%に戻せば10兆円の財源が必要になる。国が負担する社会保障費の3割が10兆円だから計算上は辻褄が合う。それにしても乱暴な物の言い様だと思う。では、財源として法人税増税を考えてみたらどうだろうか。法人税収は、かつては20兆円あった。それが減税を続け今では11兆円になっている。戻せば10兆円が捻出される。経済学者は口を揃えて「法人税を下げれば海外からの投資が見込める」と言う。でも、野口悠紀雄一橋大名誉教授は「製造業が生産拠点を決める最も重要な要因は、賃金の格差であり法人税率ではない。国際課税原則の下では、その国の企業は工場をどこに立地しようと収益をその国に持ち帰る限り、最終的にはその国の税率が適用され税負担は変わらない」と指摘している。今や日本は低賃金国に成り下がっている。思い込みを一掃してFACTFULNESSを見直してみてはどうだろうか。
26日 6月 2022
夕方に明日の電力需給ひっ迫注意報が発令された。明日の夕方に予備率が5%を下回る見込みとのこと。3月の福島沖地震で火力発電所が被害を受けたことや、異例の6月猛暑も重なり、電力需要が急増したとのこと。毎日、毎日四六時中節電を呼び掛けている。経産省が緊急的に節電を呼び掛けることも肯ける。しかし、電力不足の本質的な問題は、地震と猛暑ではない。大元は電力行政の失敗にある。その失敗とは、電力事業の自由化の進め方と、太陽光発電の価格設定だと思う。いきなり電力を自由化したため、電力会社は老朽化してペイしない発電所を次々と廃棄している。もうこれだけで需要に供給が追いつかない。発電機能を持たない新電電が乱立したが、コストアップで次々と撤退した。更に民主党政権が太陽光発電の価格を破格の42円に設定したから、猫も杓子も参入した。昼間だけ発電して、どうする。電力不足は来年も再来年も続く。経産省は、これらの失敗を反省して、早急にエンルギー政策を見直すべきだ。しかし、萩生田経産相は参院選応援にかまけ、今後のエンルギー政策には全く触れない。国民の不安は益々募るばかりだ。
25日 6月 2022
天気図から梅雨前線が消えた。週間天気予報は晴れのオンパレードだ。夏の空気に変わってきた。でも、気象庁は梅雨明けを発表しない。何故なのだろう。梅雨明けの定義に厳密なものはない。一応、梅雨前線が遠ざかるか消滅し、太平洋高気圧に広く覆われるようになり、その気象状況が持続する、が目安とされている。その目安からすれば、間違いなく梅雨明けだ。ただ、この状況が例年よりも約1ヶ月も早い。気象庁は、常識に捕らわれ逡巡しているのだろう。そもそも、気象庁による梅雨明け宣言自体に意味があるのだろうか。例年9月になると、気象庁は「梅雨入り」と「梅雨明け」を確定値として発表する。これは統計データとして残るから意味がある。一方、梅雨明け宣言は「そう思う」程度の判断だから、然程重要ではない。もし、意味があるとすれば、大雨災害の時期は過ぎましたよとか、熱中症に気をつけましょう、程度のことだ。気象庁は、サッサと梅雨明け宣言をすべきだと思う。元々気象庁が思う程、国民は気象庁の天気予報を信用していないのだから。
24日 6月 2022
物価高対策が参議院選挙の最大の争点に浮上する中、政府が目玉として打ち出した政策が「節電ポイント」だ。21日に発表したが、国民の評価はボロクソだ。月当たり数十円のポイントしか付かないのだから、バカにするなと非難囂々。政府は慌てて、24日にイロを付けた。節電プログラムに参加した世帯に2000円相当のポイントを支給すると共に、電力会社の節電ポイントに国がさらに上乗せする方針を明らかにした。イロを付けても、物価高対策としては全く寄与しない。恐らく、こんなやり取りがなされたのだろう。「物価高の最大要因は電気代です。国民はポイントが好きだから、節電ポイント制を導入すれば国民に受けますよ」「そりゃグッドアイデアだね。早速発表しよう」「評判が芳しくないです。月数十円の効果しか無いようです」「そりゃ小さ過ぎる。参加世帯には2000円分を上乗せしよう。待てよ。それでも小さい。国独自のポイントもオンしよう」。これはあくまで自分の想像だが、恐らく9割方は当たっているに違いない。
23日 6月 2022
ジェネリックの供給不足が全国的に続いている。ジェネリックは複数のメーカーが製造しているが、代替品すら無いという状態が1年も続いている。これほどの薬不足は今までに無く未曽有の薬不足と言われている。薬不足の発端はジェネリックメーカーの小林化工の製造工程での異物混入だ。水虫の治療薬に睡眠薬が混入し健康被害が出た。全国で査察が行なわれ、ジェネリック大手3社の1つ日医工をはじめ、複数のメーカーで製造工程の問題が見つかった。頼みはジェネリック大手の沢井製薬と東和薬品による増産だ。でも、医薬品は安全性が厳しく問われるので、生産体制を整備し出荷するには3年掛かるという。薬不足はあと3年続くのだ。これまで国は薬局に調剤報酬を餌に「ジェネリックにシフトせよ」と大号令をかけ続けてきた。だから、薬局はこぞって利益の大きいジェネリックに変えてきた。ジェネリックにシフトして、膨らみ続ける医療費を縮小しようという国策は理解出来る。しかし、ジェネリックメーカーは、大手製薬会社に比べて体力が弱い。無理に増産させれば、生産・品質管理が疎かになるのは必然だ。結局、国の性急なジェネリック転換政策がジェネリックの供給不足を招いたのだ。もし、大手製薬会社と同等の査察に強化していれば、薬不足は防げたはずだ。投げやりな政策だと思う。
22日 6月 2022
物価・賃金・生活総合対策本部の初回の会合で、岸田首相が節電をした家庭や企業を優遇する新たな制度を発表した。岸田が力を込めたのが、電力不足への対応として掲げた節電ポイント事業の拡充だ。現在企業向けに行なわれているデマンドレスポンスという仕組みを一般家庭にも広げようとする狙いだ。デマンドレスポンスとは、電力ひっ迫が予想される前日利用者のスマホに節電のお願いのメールが送られ、節電するとスマートメーターが電力会社に通知し、節電達成度に応じてポイントが得られる仕組みだ。節電量1kWhあたり5ポイントが付与され、Tポイントやdポイントなどに交換可能だ。ところが、月に260kwhを使うモデル家庭で、目標とする3%の節電をした場合では、還元されるポイントは月数十円ほどにしかならない。即ち、岸田は「月数十円のポイントをあげるので節電してください」と呼び掛けているのだ。岸田がやるべき事は、節電要請ではなく、電力を安定供給させることだ。岸田は木を見て森を見ていない。いや、木の葉っぱ数枚しか見ていない。
21日 6月 2022
東京五輪組織委員会が大会最終経費は1兆4238億円だったと公表した。組織委は6月末に解散する。五輪の経費は、招致時の見積もりから実費に至るまで、いい加減だった。招致段階では、コンパクト化を売り物に7340億円だった。そして開催決定から3年後には1兆5000億円に膨らんだ。実は3兆円を超えたという試算もある。今回発表の1兆4238億円も、実際の経費ではない。鉛筆を舐め舐めして、単に1兆5000億円以下に辻褄を合わせたに過ぎないのだろう。五輪の経費は、国、都、組織委が負担した。国と都には監査があるが、組織委は情報公開制度の対象外。全体を把握する機能が無いのが最大の問題だ。また大会経費には定義が無い。会計検査院は1500億円とされている国負担額が、関連経費を含めて1兆600億円以上になる試算を公表していた。都の試算と合わせると3兆円を超えるのだ。税金がどのように使われたのか、国民は知る由も無い。長野五輪では招致委解散後に会計帳簿が焼却処分されてしまった。2030年開催に立候補している札幌五輪の経費は、今から予算の倍と予測されている。東京五輪の経費の実態を明らかにすることこそ、明るい明日のスポーツ大会開催の礎になると思う。

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