嗚呼、ジェネリック医薬品不足

ジェネリックの供給不足が全国的に続いている。ジェネリックは複数のメーカーが製造しているが、代替品すら無いという状態が1年も続いている。これほどの薬不足は今までに無く未曽有の薬不足と言われている。薬不足の発端はジェネリックメーカーの小林化工の製造工程での異物混入だ。水虫の治療薬に睡眠薬が混入し健康被害が出た。全国で査察が行なわれ、ジェネリック大手3社の1つ日医工をはじめ、複数のメーカーで製造工程の問題が見つかった。頼みはジェネリック大手の沢井製薬と東和薬品による増産だ。でも、医薬品は安全性が厳しく問われるので、生産体制を整備し出荷するには3年掛かるという。薬不足はあと3年続くのだ。これまで国は薬局に調剤報酬を餌に「ジェネリックにシフトせよ」と大号令をかけ続けてきた。だから、薬局はこぞって利益の大きいジェネリックに変えてきた。ジェネリックにシフトして、膨らみ続ける医療費を縮小しようという国策は理解出来る。しかし、ジェネリックメーカーは、大手製薬会社に比べて体力が弱い。無理に増産させれば、生産・品質管理が疎かになるのは必然だ。結局、国の性急なジェネリック転換政策がジェネリックの供給不足を招いたのだ。もし、大手製薬会社と同等の査察に強化していれば、薬不足は防げたはずだ。投げやりな政策だと思う。