八方塞がりの状況に

金融政策決定会合後の会見で、黒田総裁は「賃金の上昇を伴う形で2%の物価目標を安定的・持続的に実現できるよう金融緩和を実施していく」と強調し、また「最近の急速な円安は経済にマイナスで望ましくない」と指摘したとのこと。一見当然のように聞こえるが、矛盾だらけだ。先ずは金融緩和の問題。黒田は就任早々、デフレから脱却するするため金融バズーカ砲を撃った。トリクルダウンで企業が儲かり、賃金が上昇し、物価が上がるという狙いだった。ところが、9年経っても、賃金は上がらなかった。これ以上金融緩和を進めても、賃金が上がる可能性は殆ど無い。金融緩和政策は既に破綻しているのだ。持続すること自体に問題がある。もう1つは円安の問題。黒田は先日まで、円安は日本にとってメリットがあると言っていた。就任当時は1ドル85円だったから、50円も円安に導いたことになる。ところが、130円から135円の円安だけをとって、経済にマイナスだと言う。でも、何故急速な円安は経済にマイナスなのかは説明しない。下手に説明すると、円安に導いてきたことが誤りであることがバレてしまうからかもしれない。今更金利を上げて円高に修正することも出来ない。金利を上げれば、国家の財政が破綻してしまう。黒田は、まさに八方塞がりの状況にあるようだ。