今度は感染症危機管理庁を開設か

岸田首相が感染症危機管理庁を開設すると発表した。有事には各省庁の職員を指揮下に置き、首相のリーダーシップの下、一元的に感染症対策を行なうという。加えて、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、アメリカ疾病対策センターCDCをモデルにした日本版CDCも創設する。3年前からコロナ感染が始まり、首相のリーダーシップの下取り組んできたはずだが、未だに首相のリーダーシップによる効果は現れていない。と言うよりも、首相がリーダーシップを発揮した形跡すら見当たらない。そもそも今更感染症危機管理庁を開設するのは、時機を逸していると思う。思えば、2001年の森喜朗内閣の時代に、中央省庁の大規模な再編が行なわれ、運輸省と建設省が合併して国土交通省に、厚生省と労働省が合併して厚生労働省になった。でも今では国交省や厚労省が、大き過ぎて一人の大臣では管理不能と言われている。一方で、庁の乱立が目立つ。デジタル庁は金を使うだけで全く機能していない。来年新設されるこども家庭庁と幼稚園を管轄する文科省との折り合い、感染症危機管理庁と厚労省との違い等々、不明瞭な点が多い。庁の多量創設は、屋上屋を架すようなもの。首相本人だけが、やった気持ちになるだけだ。