止められない円安に

財務省と金融庁、日銀が初めて幹部による3者会合を開き意見交換をした。外国為替市場で急速に進む円安をけん制し「憂慮している」との声明を公表した。今や1ドル135円に迫ろうとしている。黒田総裁の上司であったミスター円と異名を取った榊原元財務官は「150円近くまで円安が進む可能性がある」と言っている。円安の要因は日米の金利格差だ。円安を是正するには、日本が金利を上げれば良い。だが、金利を上げるには米国の同意が必要。でも、米国の同意が得られる状況ではない。円安を止める手段は金利以外に殆ど無い。つまり、財務省も金融庁も日銀も、打つ手無しのお手上げ状態なのだ。それで仕方なく3者会合を開き、努力はしているというアリバイ作りを行なったと見るべきだろう。しかし、財務省、金融庁、日銀による「憂慮している」表明は、何の役にも立たないことは明白だ。しかも、黒田総裁の「円安は日本にプラス」発言が、足を引っ張っている。財務省、金融庁、日銀は、止められない円安にオロオロしているだけだ。