半導体不足で半導体が作れない

産業の米である半導体が不作で、世界経済に打撃を与えている。一向に解消される兆しが見えない。トヨタの新車納期は半年先だ。家電メーカー各社も洗濯機、炊飯器、エアコン、テレビなどの家電製品を作れない状態にある。これから夏を迎えるというのにエアコン不足で、酷暑の夏が危惧されている。勿論、世界各国の半導体メーカーは、長引く半導体不足を解消すべく、増産に次ぐ増産を行っている。また、半導体メーカーの生産能力を増強するため、各種の製造装置メーカーも、これまた増産を行っている。ところが、半導体不足は製造装置メーカーにも及んでいる。半導体を作りたいのに、半導体を作る装置を作れないのだ。半導体を作るには、ドライエッチング装置、露光装置、洗浄装置、検査装置等々を使い、製造工程は1000工程以上に上る。半導体製造装置に使われる半導体は15種類もある。その中の1つが欠けても半導体は作れない。先ずは半導体製造装置を作るため、半導体メーカーが製造装置メーカーに優先供給するのが先決だ。ところが、自動車も家電もその他の機器の業界も半導体の奪い合いを続けている。半導体供給の割り振りを取り仕切る世界のリーダーはいないのだろうか。