バズーカ砲の落とし前

円安が進んでいる。更にロシアのウクライナ侵攻によりエネルギー価格も上がっている。日本にとって円安を止めるのは喫緊の課題だ。円安の原因は日米間の金利差の拡大だ。米国では新型コロナ禍で停滞していた国内景気が急ピッチで回復し、急激なインフレに見舞われている。FRBはインフレを抑制するため、従来の金融緩和路線を転換し、利上げを加速させている。一方黒田日銀は金融緩和を未だに固持しマイナス金利を維持しようとしている。差は開くばかりだ。黒田は「日本にとって円安は基本的に好ましい」などと戯言を言っている。今やあのトヨタでさえ、円安に耐えかね値上げをしようという時代だ。円安が日本を更に貧しい国へと誘導するのは誰が見ても明らかだ。恐らく黒田は内心では「円安はマズイ」と思っているに違いない。円安を止めるには金利を上げる必要がある。ところが、黒田には出来ない理由が2つある。1つは、円安を是正するほどの金利を上げれば、国家予算は国債の利払いで埋まってしまう。もう1つは、米国が認めない。事実イエレンに拒絶されている。元々アベノミクスによるバズーカ砲は無理筋だった。一時的に良くても落とし所が無いことは分かっていた。黒田は今更ながらバズーカ砲の落とし前に悩んでいるようだ。