火消しあれこれ

DIAMONDonlineが日本を代表する化学メーカーである東レの不正行為をスクープした。家電製品や自動車部品に使う樹脂製品の安全認証での不正行為を5年前から知りながら、公表直前まで火消し工作を図っていたという。今から5~6年前日本の製造業全体で、品質データ改竄などの不正が相次いで見つかり大騒ぎになったことがある。東レ子会社もご多分に漏れずタイヤ補強材の品質不正が発覚した。それを契機に全社的に品質保証部門の格上げや、品質検査の厳格化、コンプライアンス教育などの再発防止策が行なわれた。その結果、もう不正行為は無いと宣言したが、実は今回発覚した不正行為はその下で綿々と行なわれていたのだ。今回の不正はUL規格。難燃性のお墨付きを与える規格だ。東レは正規の燃えやすい製品を燃えにくいものに加工して、テストをパスしていたとのこと。この事実を日覺社長CEO兼COOが先頭に立って火消しに走っていたというから質が悪い。製品が燃えないよう不正を行なっていただけに、社長も火消しに走ったのかもしれない。まさに会社ぐるみの不正隠蔽行為だ。東レのコーポレート・スローガンはInnovation by Chemistry(化学による革新と創造)だが、Dishonesty by all TORAY(全社一丸によるごまかし)とでも替えた方が良さそうだ。