見せかけの平和がお好き

北京パラリンピックが閉幕を迎えた。開幕前のロシアの突然のウクライナ侵略で、ロシアの参加の是非が問われた。当初パラリンピック委員会は、五輪と同様にロシアを国としてではなくROCとして参加させることに決めていたが、ラトビアなどがROC参加ならばボイコットすると表明したため、パラ委員会は急遽ROCとベレルーシの不参加に翻った。その後、北京パラリンピックはまるでウクライナ戦争など無かったかのように競技が行なわれた。だが果たして、ROC不参加の裁定は正しかったのだろうか。五輪パラリンピックは戦争とは無関係だと言うのは、きれい事過ぎる。ましてや、侵略国を除けばフェアーなスポーツの祭典だと言うのも、いいとこ取り過ぎる。そもそも平和だからスポーツを享受出来るのだ。パラ委員会には、2つの選択肢があったと思う。1つは、ロシアも参加させ、大会開催中侵略の是非に常に焦点を当てること。もう1つは、侵略を理由にパラリンピックを中止すること。いずれも、平和を求める活動になる。五輪・パラリンピック委員会は見せかけの平和がお好きのようだ。