国を守るか、己を守るか

ウクライナ人は祖国を守るために命を賭けて戦い続けている。でも、橋下元大阪市長や玉川テレビコメンテェーターは、命が最優先だから降参した方が良いと主張している。そこにはウクライナと日本の現代的歴史観の相違がありそうだ。ウクライナは、ロシアと戦ったフィンランドとリトアニアの歴史を知っている。フィンランドは徹底抗戦し休戦に持ち込み、現在の独立国を得た。一方リトアニアは妥協してソ連の属国となり、再び独立するのに50年も費やした。ウクライナがリトアニアの轍を踏まないよう徹底抗戦するのは当然の事だろう。一方、日本は太平洋戦争で米国に負けた。日本が米国の第51番目の州になる可能性はあった。だが、米国の人口3億人に対し、日本は1億人もいて、日本を米国の州にするにはバランスが悪すぎた。だから、1国として存続させることにした。その代わり平和憲法で日本の戦力を無きものとして、国家よりも個人の命を大切にするよう洗脳した。そのため、今の日本人には、国を守るより命を守る方が大切という考え方が根付いてしまった。国とは己のアイデンティティーだ。国を守るか、己を守るか、どちらが崇高かは言うまでも無い。