竜巻と米国流経営

史上最大級の竜巻が米国6州を襲った。分厚いコンクリートをも破壊する威力だ。被害状況を航空写真で見ると、只の竜巻ではないことが良く分かる。死者は100人超という。でも事前に竜巻警報が発令されていたので、竜巻に慣れている米国で、これ程多くの死者が出るとは異常だ。刻々と情報が伝わってくる。死者を最も多く出したローソク工場では、自宅に避難しようとする従業員に対し、帰宅すればクビにすると会社側が強制したとか。従業員たちは仕方なく工場中心部に集まり避難したが、工場が全壊し悲劇を招いたとのこと。今どき、従業員の安全を優先しない会社なんてあるのだろうかと思う。日本の会社であれば、工場を止めてでも安全を最優先するはずだ。アマゾン倉庫でも同じような事が起きた。アマゾンは竜巻警報が鳴っても避難指示を出さなかった。倉庫が全壊する寸前になってトイレに避難するよう指示が出たという。そして6人の死者が出た。しかも、アマゾンの創業者ベゾスは、竜巻被害を知りながら、自身の保有する宇宙開発企業の有人宇宙飛行が成功させたことを喜び、地球に帰還した宇宙飛行士の画像を自身のツイッターに投稿したという。米国の会社は、従業員を働く歯車程度としか考えていないのだろうか。その考え方が被害を拡大しているように映る。