失われた30年の挽回方法の議論を

ニューヨークのラーメンは1杯2千円もする。日本は先進国の中で最も物価が安い貧しい国になった。最近そんなニュースが流れている。誇張していると思っていた。ところが、今朝の日経新聞のトップ記事を見て愕然とした。日米独仏の名目平均年収の推移が1990年起点で2020年までのグラフとして描かれている。何と、日本は90年比で伸び率は0%だが、米は日本と較べ2.5倍、独仏は2倍なのだ。しかも、他国の伸びは一直線なのだ。まさに、このグラフは日本の失われた30年を象徴的に表している。過去に、失われた10年、失われた20年と言われた。でも、失われた30年がこのような実態だとは夢にも思わなかった。物価は年収に比例する。年収が低いのだから物価も低い。コロナ前にインバウンドで訪日客が激増したのは当然だったことが、今更ながら理解出来た。日本の名目平均年収が0%であることを、どう理解した良いのだろうか。日銀はバズーカ砲と言われるほどの大量の金をばらまいた。でも物価は上がらず、トリクルダウンも起こらなかった。太ったのは日銀と企業で、働く人にはおこぼれも無く年収は据え置きされた。この状態が30年も続いている。是非とも総裁選では、失われた30年の挽回方法を議論してほしいものだとせつに思うのだが。