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30日 9月 2021
総裁選の4候補による討論会で、改めて4候補の主張が明らかになってきた。発言をすれば、その人の思考や視野の広さが分かる。満点ではなくても、半分程度納得出来れば、何となくその人を信頼出来るような気がするものだ。その意味で、今回の総裁選は自民党の支持率向上に寄与したと感じる。皮肉なことだが、説明責任を果たせなかった菅首相の後継者選びだから、結果的に菅は「開かれた自民党」に貢献したと思う。4候補の討論までは良かった。だが、勝ち残った岸田の人事は、国民から見れば惨敗そのもの。キーとなる幹事長に麻生派で曰わく付きの甘利を起用した。その他の主要役員も安倍・麻生派が占めるという。これでは、まるで安倍の傀儡政権そのもの。国民は、少なくとも政治の私物化と決裂したかったはずだ。それが、総裁選の翌日に見事に裏切られた。一説では、河野は自民党から葬られるという噂もある。岸田は総裁選で天衣無縫と揮毫した。天衣無縫とは「性格が無邪気で飾り気が無いこと」だが「信念が無く全てを権力者におもねる」と読むべきだと分かった。
29日 9月 2021
総裁選は岸田前政調会長が圧勝した。河野の敗因は三つあると思う。安倍の高市支持で決選投票に持ち込まれたことと、河野支持の小石河+菅・二階連合による河野のイメージダウンと、野党の不甲斐なさだ。安倍は己が石破に勝ったときの経験を生かし多候補選挙に持ち込み、更に議員に岸田に票を入れるよう脅しをかけた。一方河野には戦術的失敗があった。国民は菅にはウンザリしている。その菅が河野の陰の権力者と映れば、河野のイメージダウンは免れない。二階はダーティで古い体質の政治家だ。それだけで国民はそっぽを向く。河野が党員票でも負けたのは、菅・二階によるものだろう。更に、小泉は「安倍・菅政権からの決裂だ」と言えば良かったものを「自民をぶっ壊す」と息巻いた。小泉と石破がどっち付かずの議員を岸田に一票を投じる方向に変化させてしまったと見るべきだ。河野は自民を改革することを目指していたが、壊すことまでは考えていなかったに違いない。余りにも過激すぎて「贔屓の引き倒し」ということだろう。全体として、投票者は自民の改革を望まなかった。今の野党を見ていれば、衆院選は岸田でも戦えると踏んだに違いない。
28日 9月 2021
中国が予告無しの電力供給停止を行なったため大混乱しているようだ。換気システムが止まって一酸化炭素中毒事故が発生したり、高層マンションのエレベーターや水道が止まったり、冬に向かって暖房器具の使えないトラブルが発生しているという。しかも、予告無しの電力供給停止はこの先もずっと続く予定だとか。中国の電力の6割は火力発電だ。電力不足の原因は、習近平のカーボンニュートラル目標、温暖化ガス排出制限目標に従って火力発電所の稼働が次々と停止されていることと、石炭不足と言われている。カーボンニュートラル政策により石炭採掘への投資が落ち込み石炭不足となり石炭価格が高騰し、更に豪との関係悪化により豪石炭の輸入がストップしている。中国の電気料金は政府により低価格で抑えられているため、石炭が高騰すれば、電力企業は発電所を稼働させるほど赤字になるので当然停止させることになる。電力利用者の都合など知ったことかということだ。習近平が高邁な目標を掲げることは良い。しかし、自らの政治権力集中のため、経済や人民の暮しを犠牲にするのであれば、中国人民は声を挙げるべきだと思うのだが。
27日 9月 2021
総裁選たけなわ。河野か岸田に落ち着くのだろう。いずれが首相の座に着いても、即刻コロナ対策の抜本的見直しを実行してほしいと願う。安倍・菅政権は、コロナ感染経路は接触感染だとして対策を打ってきた。だが、現在では空気感染であることが立証され世界的なコンセンサスになっている。接触感染と空気感染では対策が全く違う。アルコール消毒や衝立は不要で、不織布マスクと空気の流動が必須となる。現行の政府の新型コロナウイルスに関する基本的対処方針分科会と厚労省の新型コロナウイルス対策を助言する有識者会議アドバイザリーボードを廃止するか、全メンバーを刷新する必要がある。特に接触感染を指導し、保健所や感染研究所の利権を守ってコロナに臨機応変に対応してこなかった厚労省の次官級の医務技監を更迭すべきだろう。後釜には、もっと空気感染を重視した新型コロナウイルス対策をとるよう求める緊急声明を出した物理学や感染症など多彩な専門の科学者約30人から選考すべきだろうと思う。
26日 9月 2021
コロナ第5波は何故急激に減少したのか。専門家らが不思議がっている。尾身会長は、一般市民の感染対策強化、夜間の人流減少、ワクチン接種率の向上、医療機関・高齢者施設での感染者の減少、気象の要因の5要素を挙げている。更に、感染拡大の要素である夏休み、4連休、お盆が過ぎ去ったこともあるとしている。しかし、データとしてのエビデンスが欠けている。専門家の意見としては定性的過ぎると思う。尾身会長の指摘は、一般市民の感覚と変わらない。有っても無くてもどうでもいい指摘だと思う。一方、一般市民である自分は、こう解釈している。感染が急増したため個人が我が身を守り始めた、ワクチン接種の効果が出てきた、濃厚接触者の追跡調査を止めたため実態の感染者数の把握が出来なくなった、水面下の感染者数は多いが感染の主体が軽症の子供に移ったため感染者数にカウントされなくなった等々。データが無いので定性的にしか解釈出来ないのは残念だ。
25日 9月 2021
最近スーパーの店頭でパイナップルを見掛けることが多くなった。戦後の貧しい時代は、バナナとパイナップルは高価で、滅多に食べられるものではなかった。しかも、丸ごとのパイナップルなど見た経験も無く、缶詰のパイナップルを有り難がったものだ。父が貴重な缶詰の蓋を開け、子供たちに分け与えるのが恒例だった。でも1枚丸ごとではなく、半身を貰えれば良い方だった。そのパイナップルが店頭狭しと置かれる時代になった。最近パイナップルの輸入が急増しているという。これには訳がある。パイナップルの一大生産地は台湾。台湾のパイナップルの輸出の9割は中国だった。その中国が台湾産パイナップルからコナカイガラムシを検出されたとして輸入を停止した。台湾は困った。そこに手を貸したのが日本。今では日本が台湾産パイナップルの最大輸出先になっている。では、中国はコナカイガラムシを検出したから輸入を停止したのだろうか。中国は台湾の釈迦頭もローズアップルも輸入停止している。間違いなく、コナカイガラムシは言い掛かりだ。このような嫌がらせが中国統一に寄与するだろうか。するはずが無い。益々、両国の人心は遠ざかっていく。中国の政策ミスと言えそうだ。でも、ミスをすればするほど、台湾と日本の絆は深まっていく。
24日 9月 2021
メルケル独首相が退任する。16年に亘り国際舞台で存在感を示した。コロナ禍での国民への自粛呼びかけは胸を打つものがあった。2008年の洞爺湖サミットで初来日した。その数年後、自分は洞爺湖のウインザーホテルに宿泊したことがある。G8首脳が勢揃いし記念写真を撮ったテラスがある。各首脳の立ち位置に名前が記されていた。自分はお気に入りのサルコジ仏大統領の所に、カミサンはメルケルの所に立ち記念写真を撮ったことを思い出す。日本の首相は福田康夫だったが、遠い昔だ。その後、麻生の後に民主党政権となり、日替わり内閣が続いた。安倍政権は7年も続いたが、格差社会と政権の私物化しか残さなかった。一方で日本共産党では志位が何と20年も委員長を続けている。共産党では次期委員長が育たず、志位は独裁者と呼ばれている。共産党の特徴は、トップの権力欲だ。最高幹部には、90歳の浜野、91歳の不破が未だに鎮座している。あと数年すれば、世界歴史遺産に登録されるかもしれない。日本では、首脳は短命では何も出来ないが、長命でも成果を何も残せない。残念。
23日 9月 2021
中国が何とTPP加盟申請を表明したのには驚いた。続いて台湾もTPP加盟申請を表明したが、中国が台湾の加盟に反対したのは二重の驚きだ。台湾の申請はTPPに加盟する基盤があるから理解出来る。でも、中国には申請する資格も無いし、中国自体が未加盟国なのに台湾の加盟に反対するのは道理に外れている。そもそもTPPは市場の自由化を求めている経済協定だ。中国がTPPの加盟条件をクリヤーするには、国内市場を開放し、規制緩和し、国有企業を改革する必要がある。土台無理な話だ。10年いや50年早い話と言える。では何故中国は台湾に先立ってTPP加盟申請をしたのだろうか。恐らく台湾が申請するとの情報を得て、その妨害をすることが目的だったのだろうと憶測できる。もし台湾が先に申請し加盟してしまうと、台湾は中国とは別の一つの国だと世界が認めてしまうことになる。申請を阻止するには、中国が先に申請することにより、後から台湾が申請しても「台湾は中国の一部だから二重申請は認めるべきではない」という屁理屈が一応成立する。今やTPP加盟は台湾の国運がかかっていると言えそうだ。
22日 9月 2021
日本の2回目ワクチン接種率が55%を超えた。11月には希望者全員へのワクチン接種が完了する見通しだとか。菅首相は「ワクチン接種の証明」や「検査の陰性証明」を活用し、制限を緩和していくと公言している。とは言うものの来日者には14日の隔離期間が課せられているのが現状だ。ところが、イタリアやオーストリア、フランスではワクチンパスポートがあれば、隔離が免除され、現地到着後もすぐに行動出来るという。世界32の国・地域を自由に往来出来るのだ。でも、日本ではワクチンパスポートが一般化されていない。そもそも日本にワクチンパスポートがあるのかすら判然としない。調べてみると、存在はするのだ。海外に渡航する人は、接種済証とパスポートと申請書を提出すれば、自治体からワクチンパスポートを入手出来るらしい。ここまで出来ているのに、何故国内でワクチンパスポートが活用出来なのかが不思議でならない。そう言うと、必ず反対意見が出てくる。例えば、ブレークスルー感染があるからワクチン2回接種は万能ではないと。だが、ブレークスルー感染の発生率を考慮すべきだ。ブレークスルー感染は稀。科学的、論理的に対策を進めないと、声の大きい者が主流となる不条理が生じる。日本政府はコロナ対策で科学的アプローチに失敗したが、その過ちをワクチンパスポートに繰り返してほしくない。せつに思う。
21日 9月 2021
今宵は中秋の名月。珍しく今年はまん丸の明るい月を見ることが出来た。煌々と照らす月を見ていると、何だか明日が明るそうな気分になってくる。中秋の名月とは、秋の満月のことを指すのかと思っていた。ところが、違うようだ。中秋の名月と満月は定義が異なるとのこと。中秋の名月とは、旧暦の8月15日に見える月のこと。旧暦では1年を3か月毎に分けて、1月~3月を春、4月~6月を夏、7月~9月を秋、10月~12月を冬としており、秋の真ん中にあたる8月15日を中秋とし、その日に見える月を中秋の名月として愛でるようになった。この中秋の名月を愛でる習慣は平安時代に中国から伝わったとされているから感慨深い。一方で月の満ち欠けや「満月」は、月、地球、太陽の位置関係で決まるため、新月から満月までの日数は変動し13.9~15.6日かかるので、旧暦15日とは合わないことが多い。今年は8年ぶりに中秋の名月と満月が重なるラッキーな年なのだ。たかが満月だが、平安時代に思いを馳せ、未来をも照らす月の魔力に、魅せられた夜であった。

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