レジ袋の次はスプーンで良いのか?

昨年7月のレジ袋有料化に続き、今度はスプーンやハンガーを有料化するという。環境省と経産省が「特定プラスチック使用製品」の使用量削減やリサイクルを促進する新制度の具体案を示した。「特定プラスチック使用製品」とは、企業が消費者に無償で提供してきた12品目のプラスチック製品の総称だ。フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、歯ブラシ、ヘアブラシ、くし、使い捨てかみそり、シャワーキャップ、ハンガーと衣類カバーの12品目。プラゴミ削減の目的は、温暖化対策と海洋汚染防止だから、今回の規制は目的には適っている。しかし、プラゴミ削減の本丸に迫っているのだろうか。日本のプラスチック廃棄物の65%は、家電リサイクル法や容器包装リサイクル法で回収フローが整備されつつある。残りの35%は可燃ゴミとして処理されている。レジ袋は2%に過ぎなかった。今回の特定プラスチック使用製品はレジ袋よりも少ない。益々実質的な効果は目減りする。でも、現実にはもっと削減対象となり得るものがある。それはスーパーのトレーだ。プラゴミの42%を占めている。既に容器包装リサイクル法の対象になっているが、自治体回収率は20%程度に留まっている。42%×(100-20%)=34%もが野放しになっているのだ。スプーンよりもトレーを規制対象にする方が理に適っている。EUでは真空パックによるノントレー包装化が進んでいる。でも、日本では見栄えが悪いという理由で進んでいない。当たり障りのないスプーンではなく、トレー削減に切り込むこそ、真の政治主導だと思うのだが。どうする進次郎環境相。