「噂の!東京マガジン」存続を

TBSの視聴率の良い「噂の!東京マガジン」が、2021年3月で32年間の歴史に幕を閉じるとのこと。理由は、コロナによる広告収入の減少もあるが、レギュラー陣の高齢化に伴い出演料が高騰し過ぎたからだと言われている。先日は、20~30年前の映像が放送され、同じレギュラー陣の若かりし頃の姿が時の流れを実感させた。一部の若者からは、「やって!TRY」が若い子の料理を失敗する姿を中高年男性が嘲笑するのが不愉快だとして、終了することを喜んでいるという。でも、登場する若い子は傍目を機にせず動じないから、自分は不愉快だとは感じなかった。この番組の良かった企画は、現場に赴いて直接取材するコーナー「噂の現場」だと思う。各地で起こっている対立や問題について、現場にレギュラーが出向いて取材し、スタジオで発表する。しかも、双方の言い分を平等に聞いたり、行政に鋭く迫ったりして、問題を深く掘り下げていた。中には後日NHKで取り上げられた事柄もあった。各地のいざこざを白日の下に曝し、世に問う姿勢は正にジャーナリストの鏡とも言えそうだ。最近は、同じ情報バラエティ番組と言っても、芸人がチャラチャラするだけで、「噂の!東京マガジン」のような社会性が欠けている。「噂の!東京マガジン」がレギュラーを一新して再出発することを願っている。