人権と正義の会

吉岡建築設計が中央自動車道をまたぐ橋の耐震補強工事の耐震偽装を告発したことが話題になっている。話題の中心は、本来あるべき鉄筋が入っていなかった耐震偽装だけでなく、告発した下請け企業の勇気と、告発を隠蔽した国交省と福岡県とNEXCO中日本だ。NEXCO中日本の発注を受けたのは元請けの福岡県の大島産業。吉岡建築設計は大島産業の二次下請けという関係。よくぞ元請け会社を告発したと賛美の嵐だ。下請け業者らは「人権と正義の会」名義で、昨年末に国交相とNEXCO各社社長と福岡県知事に建設業法違反の疑いを訴える告発状を送っていたという。ところが反応が無く、しびれを切らした吉岡建築設計会長が、10月末の週刊文春で実態を実名告発したことで明るみに出た。それでやっと国会でも取り上げられ、NEXCO中日本も施工不良を認め、大島産業への損害賠償請求を公表へと動き出した。もしこの間に橋が中央自動車道に崩落していたらと思うとゾッとする。何故揃いも揃って国も県もNEXCOも、この問題に及び腰だったのだろう。大島産業の地元選出で、庇護者として動いていた元国交政務官の宮内秀樹・農水副大臣の存在と関係が取り沙汰されている。徹底した解明と厳罰が必要だ。