17歳の超人

藤井聡太七段の快進撃が止まらない。棋聖戦第2局で渡辺棋聖に連勝しタイトル獲得まであと一歩に迫った。特に第2局の差し回しは新時代を告げる歴史的な一手として後世に伝えられると評価された。現在はプロ棋士よりもAIソフトの方が強い時代になっている。プロの闘いの優劣や次の差し手をAIが判断する時代だ。棋聖戦第2局の58手目で難しい局面を迎えていた。AIもプロ解説者も最善手は4六桂。ところが藤井七段は検討にも値しないとされた3一銀と指した。渡辺棋聖の玉にトドメを指すための持ち駒である銀を自陣の守りに使ったのだから騒然としたという。しかしこの3一銀で藤井七段が一挙に優勢になり押し切ってしまったとのこと。AI開発者は、3一銀は4億手まで読ませた段階では5番手にも挙がらなかったが、6億手読ませると突如最善手として現れる手だったと振り返る。藤井七段の読みはAIを超えていたということだ。この話を聞いて鳥肌が立った。更に驚いたのは藤井七段の冷静さ。実は対局4日前に殺害予告電話があり、警戒態勢が敷かれる最中だったとのこと。芯の強い大人でも冷静さを保つことは難しい。しかし威風堂々。藤井七段はいつもインタビューには、年少記録よりも棋力向上を目指して努力すると答えるという。果たして藤井七段の目指すものは何なのだろうか。