カテゴリ:202006



30日 6月 2020
ふるさと納税に関わる泉佐野市と総務省のバトルに最高裁が答えを出した。総務省の敗訴、泉佐野市の厳重注意で総務省の負け。当然の判決だと思う。経緯はこうだ。ふるさと納税の返礼品合戦が全国的に過熱し、総務省が後付けで返礼は3割までにするよう御触れを出した。でも、泉佐野市は従わなかった。そこで総務省は新たに返礼は3割までとの法律を作った。だが、それまで御触れに従わなかった泉佐野市を対象から外した。明らかに法律で禁じている遡及適用だ。でもその法律は成立した。そこで泉佐野市は国を相手に訴訟を起こした。大阪高裁は泉佐野市の訴えを棄却したが、最高裁は逆転勝訴の判決を下した。この法律が出来たとき、このブログでも遡及適用は違法だと指摘した。当時高市総務相も菅官房長官も泉佐野市を外すのは正しいと力説していたが、権力の横暴だと思っていた。安倍政権はこの種のトラブルが多過ぎる。自分はふるさと納税は枠を設けずに自由に競争させるべきと考えている。返礼品が高額になれば困るのは自治体だ。自ずと収まる所が出てくるはずだ。では、自治体は何故過熱競争に走ったのだろうか。国から貰う地方交付金は、用途が紐付きになっていて自治体には裁量の余地が無い。でも、ふるさと納税ならば、自治体が必要とする事に自由に使うことが出来るからだ。これを契機に国は地方分権の在り方を見直す必要があると思う。
29日 6月 2020
コロナの影響で、世界の天文学者たちも大型天体望遠鏡にアクセス出来ない状況にあるようだ。でも宇宙の謎への探求が止まってしまった訳ではない。二人の天文学者がロックダウンの最中、過去のデータを引っ張り出してアインシュタイン・リング現象の元となる銀河系への距離を割り出すことに成功したとのこと。天体研究において、距離の計測は絶対に必要な最初のステップだ。銀河系MG1131+0456によるアインシュタイン・リングは1987年に発見されたが、未だに距離が割り出されていなかった。距離が分かると、宇宙の膨張の過程や暗黒物質の探査などで、重力レンズをツールとして利用することが出来るようになる。アインシュタイン・リングとは、ある銀河と地球の間に天体が存在すると、ある銀河から発する光が天体の重力により歪められリング状に見える現象で、重力で光が歪められる現象を重力レンズ効果という。光が重力で歪められるのは、まさにアインシュタインの相対性原理だから、洒落たアインシュタイン・リングという名が名付けられているという。天文学は何てロマンチックな学問だ。
28日 6月 2020
藤井聡太七段の快進撃が止まらない。棋聖戦第2局で渡辺棋聖に連勝しタイトル獲得まであと一歩に迫った。特に第2局の差し回しは新時代を告げる歴史的な一手として後世に伝えられると評価された。現在はプロ棋士よりもAIソフトの方が強い時代になっている。プロの闘いの優劣や次の差し手をAIが判断する時代だ。棋聖戦第2局の58手目で難しい局面を迎えていた。AIもプロ解説者も最善手は4六桂。ところが藤井七段は検討にも値しないとされた3一銀と指した。渡辺棋聖の玉にトドメを指すための持ち駒である銀を自陣の守りに使ったのだから騒然としたという。しかしこの3一銀で藤井七段が一挙に優勢になり押し切ってしまったとのこと。AI開発者は、3一銀は4億手まで読ませた段階では5番手にも挙がらなかったが、6億手読ませると突如最善手として現れる手だったと振り返る。藤井七段の読みはAIを超えていたということだ。この話を聞いて鳥肌が立った。更に驚いたのは藤井七段の冷静さ。実は対局4日前に殺害予告電話があり、警戒態勢が敷かれる最中だったとのこと。芯の強い大人でも冷静さを保つことは難しい。しかし威風堂々。藤井七段はいつもインタビューには、年少記録よりも棋力向上を目指して努力すると答えるという。果たして藤井七段の目指すものは何なのだろうか。
27日 6月 2020
いよいよ女子ゴルフ・アース・モンダミンカップが開幕した。当面は無観客試合でテレビ中継も無しとのこと。男子ゴルフは見ていても余り参考にならないが、女子ゴルフは自分にとってはとても参考になる。でも、モンダミンカップで残念に思うことが二つある。一つは渋野選手が予選落ちしてしまったこと。アプローチとパットが不調だったのが原因とのこと。渋野はコロナによる長期オフ中にアプローチとウエートトレーニングに注力したようだ。あるフィジカルトレーナーは、プロゴルファーにとってウエートトレーニングはパワーがアップする半面、感覚が鈍るのでマイナス面も多いと指摘する。確かにゴルフの上達過程はスパイラルだから、今はバランスが悪い過程にあるのかもしれない。でも、マキロイはウエートトレーニングで見違えるほどムキムキの身体になり、世界のトップに返り咲いた。渋野の捲土重来を期待したい。もう一つはテレビ中継が無かったこと。無観客試合だからこそテレビ中継してほしかった。ニュースでは画像が流れるのに、中継は出来ないという理屈は無い。ゴルフ好きは中継を熱望している。
26日 6月 2020
東京地裁が「NHKが映らないテレビには受信契約の義務は無く従って受信料の支払い義務は無い」との判決を下した。裁判でNHKは「簡単に受信状態に復元出来る」と主張したが、裁判官は「増幅器の出費をしなければ受信できないテレビは、NHKを受信できる設備とはいえない」と判断したという。近代極めて稀で常識的な判決だと思う。元々NHKの主張は放送法の条文「テレビを設置した者は協会と受信契約をしなければならない」に基づいていた。テレビ=NHKの発想なのだ。NHKの横暴にカチンときた筑波大の准教授がNHKだけが映らないアンテナを開発し、それを実行した原告が勝利を収めた。NHKの受信料や公共放送の在り方について、このブログで今までに14回も主張してきた。受信料については「NHK受信料を巡る攻防 」「NHK受信料を巡る攻防(2) 」「NHKに無い公共放送の定義 」に書いた通りだ。決してテレビ=NHKではない。行く行く「NHKは課金制にすべし 」だと思う。東京地裁の判決が覆されない限り、NHKの改革は前進するに違いない。
25日 6月 2020
日本のスパコン「富岳」が8年半ぶりに世界一を奪還したとのニュース。スパコンの世代交代の時期に運良く米中より早く次世代機を投入出来たのが勝因らしい。富岳の計算性能は1秒間に41京回だが、1~2年後には米中が100京回をこなす次世代型を投入してくる見通しとのこと。この分野は常に競争だから、近いうちに抜かれるのは目に見えている。民主政権時代に蓮舫が「2位ではダメなの」と言って、科学進歩を軽視したが、スパコンは今や重要な研究インフラになっている。事実、新型コロナウイルス感染症対策では、富岳を用いて約2千種の既存薬から治療薬候補を選ぶ研究が進んでいる。富岳は、2011年に計算速度で世界一になった国産スパコン「京」だと1年かかる実験を数日でこなせるという。蓮舫の言に従っていれば、日本の科学研究は世界から一周遅れになっていたに違いない。やがて、そのスパコンも量子コンピューターに置き換わる時代が到来することになる。もうそろそろスパコンは2位でも良い。開発の主軸を量子コンピューターに移す時期を迎えていると思う。
24日 6月 2020
イージス・アショア配備計画の中止が正式に決まった。敵ミサイルをミサイルで撃ち落とすシステムだが、技術完成にはあと10年以上も必要で、しかも想定している北朝鮮のミサイルは飛行高度が可変になったため撃ち落とすことは出来ない。加えて7000億円もする高価な代物。金食い虫の張りぼてだから中止は最善の決断だ。河野防衛相が独断で安倍首相を説得したとのこと。ミサイルをミサイルで撃ち落とすのは最早時代遅れだ。日本の防衛は日本の技術を生かし、独自で電磁波兵器を開発する方向に舵を切るべきだと思う。高額兵器を買い続けると、自衛隊活動費が圧迫され災害時の救援活動すらも出来なくなってしまう。河野防衛相が防衛の在り方に先鞭を付けたと言える。河野は大臣になる前に、核リサイクルシステムが破綻しているため脱原発を自説としていた。経産相になって、脱原発しエネルギーシステムを再構築すべきだ。更に財務相になり、一般会計と特別会計を統合し、バランスシートを導入すれば、健全な国家予算が組めるようになる。ここまで出来れば日本を大改造したことになり、歴史に残る大宰相になるに違いない。時代は今こういう人物を求めている。
23日 6月 2020
毎日鬱陶しい曇天が続いている。梅雨に入ったのだからしょうが無い。あとは梅雨明けを待つしか無いと思っている。ところが、テレビニュースでは流れていないが、中国では各地で集中豪雨による大規模な洪水が発生しているとのこと。中国当局は、80年に一度の規模の大洪水だと警告を発し、24の省で850万人が被災したと発表した。中国の三峡ダムの上流にある四川省の発電所の施設と周辺の村が土石流で崩壊し、三峡ダム決壊への懸念が再燃した。三峡ダムは世界最大の水力発電ダムで、中国の全電力の2%を供給している。最新原発の16基分に相当するというから規模の壮大さが分かる。でも、建設当時から地質の脆さによる崩壊が危ぶまれていた。昨年は基礎の直線部分が湾曲していることが指摘されている。それに今回の80年に一度の大洪水が加わるのだから、決壊は目前だ。三峡ダムに詳しい水利専門家は、三峡ダムが崩壊すれば、長江の中下流にある宜昌市や湖南省岳陽市から、長江の入り江に位置する上海市まで、甚大な被害をもたらすと強く懸念しているという。予想外の出来事をブラック・スワンと言う。でも三峡ダムは建設以前から危険性が指摘されていたので、大問題に発展する確率が高いのに軽視されたリスクである「灰色のサイ」と言われている。スワンやサイが現われる前に、当局の決壊防止策が打たれることを願うしか無い。
22日 6月 2020
トランプ暴露本が面白い。就任直後に、炎と怒りFire and Furyから始まり、錯乱状態Unhinged、恐怖Fearへと続いた。そして圧巻は、今度のボルトンの回顧録The Room Where It...
21日 6月 2020
スイスの研究チームが世界最小のモーターを開発したとのニュース。その大きさは何と人間の髪の毛の直径の約10万分の1という極小サイズ。わずか16個の原子から成っているという。構造は、6個のパラジウムと6個のガリウムから成るステータの表面で、アセチレン(2個の炭素と2個の水素)がローターとして回るもの。通常原子レベルではエネルギーを失うこと無くトンネル効果が働く。するとローターはランダムな方向に動き出すはず。ところが、この分子モーターは一方向だけに回転するという。一方向にだけ回転するということは、トンネルでエネルギーが失われているいることを意味するという。これは何故かということが、研究の重要なポイントらしい。この研究は、単に分子玩具を開発しただけではなく、量子トンネリングプロセスにおけるエネルギー散逸のプロセスと理由を研究することを可能にするのだという。大学で量子物理学を学んだことがあるが、未だにこの世界は難解だ。良く理解は出来ないが、行く行く世の中で役に立つ研究になるに違いない。

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