世界最小のモーター

スイスの研究チームが世界最小のモーターを開発したとのニュース。その大きさは何と人間の髪の毛の直径の約10万分の1という極小サイズ。わずか16個の原子から成っているという。構造は、6個のパラジウムと6個のガリウムから成るステータの表面で、アセチレン(2個の炭素と2個の水素)がローターとして回るもの。通常原子レベルではエネルギーを失うこと無くトンネル効果が働く。するとローターはランダムな方向に動き出すはず。ところが、この分子モーターは一方向だけに回転するという。一方向にだけ回転するということは、トンネルでエネルギーが失われているいることを意味するという。これは何故かということが、研究の重要なポイントらしい。この研究は、単に分子玩具を開発しただけではなく、量子トンネリングプロセスにおけるエネルギー散逸のプロセスと理由を研究することを可能にするのだという。大学で量子物理学を学んだことがあるが、未だにこの世界は難解だ。良く理解は出来ないが、行く行く世の中で役に立つ研究になるに違いない。