WHOが今成すべき事

WHO年次総会が始まった。コロナ対策が喫緊の課題であるが、中国の猛反対でコロナ対策優等生の台湾の参加は認められなかった。一方で中国はEUが提案した再発のリスクを減らすための調査を受け入れる意向を示した。だが、ウイルス起源の調査ではないと釘を刺した。トランプはWHOが中国の意向に偏向しているとして拠出金の減額やWHO脱退表明している一方、習近平は拠出金を40億円から2100億円に増額すると表明した。恐らく中国の調査が行われても、新たに得られる有効な情報は無いだろう。2100億円はWHOの口封じ料となるのだろう。WHOが今成すべき事は、世界的なコロナ再発の防止だ。型通りの調査をしても再発防止への効果は薄い。いま各国でワクチン開発が進んでいる。有効性のあるワクチンを如何に速く自国で活用するかの競争下にある。ワクチンを得られた国だけがコロナ禍から免れることになる。WHOのWがWORLDのWであるのならば、世界のワクチン開発の情報センターとなり、一刻も早くワクチン供給体制の構築に注力し、かつワクチンが一国に偏在的に使われないようルールを構築しておくことが最大の使命だと思う。果たして受け身のテドロスWHO事務局長にその裁量はあるのだろうか。