梅の木の活力剤

2月に剪定した庭の梅の木が枯れてしまった。桜切るバカ梅切らぬバカというから、自分の剪定で枯れてしまったとは思いたくないと、ずっと心に引っかかかっていた。とは言っても原因が分からない。だからここ数ヶ月、梅を再生させることは出来ないだろうかと、いつも頭の片隅で考えていた。でも答えは無い。だが植物の活力剤はある。そこで、ホームセンターに行き、活力剤を探した。ところが、自粛中だからガラガラのはずなのに、何故か混んでいる。しかも、目当ての活力剤は売り切れ。仕方なく、他の大きなホームセンターに行ったが、そこも売り切れ。いつもなら棚に置いてある活力剤が何処に行っても無いのだ。しかし、今日のテレビを見て納得した。緊急事態宣言が出て以来、手持ち無沙汰のお父さんたちが増え、ここぞとばかり庭の草木の手入れに精を出し始めたとのこと。きっと、どこのお父さんも、いつかは活力剤使ってみたいと思っていたに違いない。そこでハッと気付いた。コロナの蚊帳の外にいると思っていた自分は、まさに、普段の自分ではなくコロナ騒動の渦中にいる人間なのだと。いつも、コロナや社会とは距離を置いていたと思っていた自分が、実はその社会のど真ん中にいたのだ。そんなことを思い知らされた活力剤であった。